- 本の紹介
- 企業、政府、社会における「リスク」は財務リスクから業務リスク、世評リスクへと対象が広がっている。本書は、こうしたリスクを認識し、管理するシステムを提案するもの。
目次
リスクを管理する
―不確実性の組織化―
目次
日本語版への序文
序 文
第1章 不確実性の組織化―イントロダクション―
組織,不確実性,および不確実性の組織化
リスク分析からリスクガバナンスへ
リスク社会から機会の社会へ
アイデア,リスクの対象,境界線上の対象
不確実性の組織化
第2章 組織の内部を外部化する―内部統制の生成―
ガバナンスと「内部からの」規制
監査の内発
リスク管理としての内部統制
私的な統制に基づいて公的なものを志向する
リスク管理者としての内部監査人
結 論
第3章 リスク管理を標準化する―プロセスと人々を作り上げる―
リスク計算としてのERM
組織プロセスとしてのERM
ERMと最高リスク役員の生成
ERMと規制機関の標準化
リスク管理の道徳的経済
結 論
第4章 カテゴリーを機能させる―業務リスクの発見―
銀行規制と業務リスクの生成
業務リスクを定義する
業務リスクの実務を組織化する
資本と計算
結 論―業務リスクと管理可能性の構築―
第5章 世評を統治する―外部からの浸入―
世評の台座
ステイクの保持者とリスク管理のプロセス
外部の内部化―世評,ランキング,二次的リスク管理の生成―
世評リスク管理の構築
結 論
第6章 リスクを監査可能にする―法規化と組織化―
リスク管理の管理主義化
監査可能性の兆候
法規化と監査可能性
監査可能性とリスク文化
結 論
第7章 リスク管理という世界を設計する
不確実性の組織化―リスク対象の構築,リスク管理の構築―
リスク対象の構築の再来
リスク管理プロセスの構築
組織とリスク管理の道徳的経済
リスク,監査可能性,および統治性
最後の考察
参考文献
訳者あとがき
索 引
著者プロフィール
〈著者紹介〉
マイケル・パワー(Michael Power)
ロンドン経済政治学院 (LSE) 会計学教授。
ESRCリスク規制分析センター研究テーマ主任(2005 〜)。
イングランド・ウェールズ勅許会計士協会フェロー(2002 〜)。
イギリス勅許税務協会会員(1989 〜)。
ベルリン高等研究所フェロー(1995 〜1996)。
オックスフォード大学オールソールズ・カレッジ客員フェロー(2000)。
主要著書:
The Audit Explosion (London: Demos, 1994); The Audit Society: Rituals of
Verification (Oxford: Oxford University Press, 1997); The Risk Management
of Everything( London: Demos, 2004).
編著:
Accounting and Science: Natural Inquiry and Commercial Reason (Cambridge:Cambridge
University Press, 1996); Organizational Encounters with Risk (with B.Hutter,
Cambridge: Cambridge University Press, 2005).
〈訳者紹介〉
堀口 真司(ほりぐち しんじ)
神戸大学大学院経営学研究科准教授。
博士(経営学)神戸大学(2006年)。
オックスフォード大学サイードビジネススクール客員研究員(2010年)。
主要論文:
「会計のテクノクラート化と公共性の確保」『会計』(2007年),
「企業の社会的責任を追及する視点―アカウンタビリティの陥穽の傍証として―」『会計』(2009年)。
訳書:
M.パワー著『監査社会―検証の儀式化―』(共訳,東洋経済新報社,2003年)。