事業会社のためのリスク管理・ERMの実務ガイド

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吉野 太郎

定価(紙 版):3,300円(税込)

発行日:2012/01/31
A5判 / 264頁
ISBN:978-4-502-69270-3

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本の紹介
事業会社のリスクは業種や事業環境によって異なり、対応が多岐にわたる。長年ERMを担当してきた経験をもとに、多様なリスクを全社的視点で管理するための手法を解説する。

目次


事業会社のための
リスク管理・ERM の実務ガイド

目次

 はじめに

 序 章 本書の全体像
  1.なぜ今リスク管理・ERMが必要なのか
  2.フレームワークを活用してリスク管理・ERMを構築・実施する
  3.本書の構成

第Ⅰ部 基本編
 第1章 リスク管理・ERMの役割
  1.リスクとは何か
  2.リスク管理とは何か
  3.ERMとは何か
  4.リスク管理とERMはどこが違うのか
  5.リスク管理部門の全社リスク管理と各部門の個別リスク管理は
     「車の両輪」
  6.リスク管理が果たす役割
  7.ERMが果たす役割

 第2章  ERMと各種経営管理フレームワークとの関係
  1.コーポレートガバナンスにおけるリスク管理・ERMの位置付けを
     整理する
  2.従来から主管部門が定められ相応の管理が行われているリスク
     もERMの対象
  3.実務におけるERMと内部統制の相違点と共通点
  参考:わが国における5種類の内部統制とその相違点

第Ⅱ部 フレームワーク編
 第3章 リスクの把握
  1.リスクの把握で注意すべきこと
  2.重要リスクを調査する前に注意すべきこと
  3.重要リスクを調査する
  4.リスクを分類してリスクの全体像を把握する

 第4章 リスクの重要度の評価
  1.リスクを評価し重要度に応じた対応を行う
  2.リスクの重要度を3つのステップで評価する−評価の段階,
     視点,手法
  3.評価の対象には「固有リスク」と「残余リスク」の2つの段階が
     ある−評価の第1ステップ
  4.評価の視点には「影響度」と「発生頻度」の2つがある
     −評価の第2ステップ
  5.評価の手法には「定量評価」と「定性評価」の2つがある
     −評価の第3ステップ
  6.リスク評価の際に注意すべきこと
  7.リスクマップにより全リスクの重要度を評価する
  8.事業会社におけるリスク定量化のあるべき姿

 第5章 リスクへの事前対応と対応策の管理
  1.リスクへの事前対応で注意すべきこと
  2.リスク対応策は4種類ある
  3.重大リスク顕在化事例から想定される事前対応の例
  4.リスク対応策の管理
  5.リスク対応策を評価する
  6.リスクの全体像を把握して対応を最適化する
     −ポートフォリオの視点でリスク対応を最適化

 第6章 リスク情報の伝達
  1.企業内部でのリスク情報伝達で注意すべきこと
  2.緊急連絡体制を策定する際に注意すべきこと

 第7章  有効なリスク管理・ERMの基盤として必要なもの
  1.組織内部の環境が健全であるために必要な事項
  2.目的の設定が適切であるために必要な事項

 第8章 フォローアップ
  1.フォローアップの役割と特徴
  2.フォローアップの2つのアプローチ
     −業務関係者によるものと第三者によるもの
  3.フォローアップの手順

第Ⅲ部 実践編
 第9章 ERM実施体制
  1.ERM実施体制を構築する
  2.PDCAサイクルを回す
  3.ERMの内部監査を行う−ERM監査の3つのステップ
  4.ERM実施体制構築の経験と教訓
  5.コンサルタントを活用する
  6.内部監査部門がERMを構築する

 第10章 ERMを活用した危機管理体制の強化
  1.危機管理をERMの対象とする
  2.既存の危機管理計画に加えてBCPを策定する
  3.ERMの一環としてBCPを策定する−リスク管理部門がBCPの
     策定を支援する
  4.ERMを活用して危機管理上の重要事項を定める

 ■参考文献

 ■索  引



著者プロフィール 吉野太郎(よしの たろう)
東京ガス株式会社 総合企画部 経営管理グループ 担当副部長
1982年 慶応義塾大学 経済学部卒業。
同年東京ガス㈱入社。
営業総括部,川崎支店,監査部,IR部(リスク管理グループ)などを経て,2011年より総合企画部 経営管理グループ。
2003年からERM(全社的リスクマネジメント)の導入と運用を担当。
その後,内部統制報告制度(金融商品取引法)および内部統制システムの整備に関する基本方針(会社法)も担当。
現在,ERM の運用,危機管理体制・BCP,およびそれらについての有価証券報告書等での情報開示等を担当。
日本価値創造ERM学会副会長,CIA(公認内部監査人),CCSA(内部統制評価指導士),CFE(公認不正検査士)






















著者紹介

吉野 太郎(よしの たろう)
[プロフィール]
東京ガス株式会社 総合企画部経営管理グループ担当副部長

1982年慶應義塾大学経済学部卒業。同年東京ガス(株)入社。営業総括部、川崎支店、監査部、IR部(リスク管理グループ)などを経て、2011年より総合企画部経営管理グループ。2003年からERM(全社的リスクマネジメント)の導入と運用を担当。その後、内部統制報告制度(金融商品取引法)および内部統制システムの整備に関する基本方針(会社法)も担当。
現在、ERMの運用、危機管理体制・BCP、およびそれらについての有価証券報告書等での情報開示等を担当。日本価値創造ERM学会副会長、CIA(公認内部監査人)、CCSA(内部統制評価指導士)、CFE(公認不正検査士)。

担当編集者コメント
原発事故以降、リスク管理は企業の最重要課題として再認識されるようになっています。しかし、依然としてリスク管理は現場任せになっていて機能不全になっているケースが続いています。本書は、単なる現場任せのリスク管理ではなく、企業全体がリスクを管理する手法であるERM(Enterprise Risk Management;全社的リスクマネジメント)を提唱しています。個々のリスク管理は現場が行う事に変わりはありませんが、現場が適切に管理できるような基盤を経営陣が作り、そして、現場はもちろん監査役などの第三者がこれらをチェックしフォローアップする。このような全社的にリスク管理に取り組む手法・体制がERMです。厳格なリスク管理体制で特に有名な東京ガスで9年間リスク管理業務に従事した著者による解説は、理論だけでなく実務的な勘所も満載です。危機管理部門必須の入門書です。お薦めします。