- 本の紹介
- 地銀経営の根幹である貸出増加と地域貢献の両方を満たす推進策として、「7大ビジネスモデル」を提示し、全国の地銀がどのように活動し成果を得ているのかを具体的に示す。
目次
地銀7つのビジネスモデル
目次
はじめに チャンスの時代の到来
第1章 地域銀行の7大ビジネスモデル
地域銀行が今後取り組みたいビジネスモデル
具体的な融資目標額提示(百五銀行)
ニュービジネス企画室の新設(第四銀行)
第2章-1 アジアビジネス
相次ぐ海外拠点の設立(横浜銀行,名古屋銀行)
4つのアジアビジネス
自前主義から業務提携へ(岩手銀行,千葉銀行) ……ほか
第2章-2 山口銀行─中国・韓国ビジネスの先駆者
「アジアに強い金融グループ」を目指す
青島支店・大連支店で人民元建て融資
地銀唯一の韓国拠点である釜山支店 ……ほか
第2章-3 北海道銀行─中国・ロシアビジネスで独自色を発揮
中国・ロシア進出支援
ロシア室とユジノサハリンスク駐在員事務所
ロシア外国貿易銀行,ガスプロム銀行と提携 ……ほか
第3章-1 観光ビジネス
観光ビジネス商談会(千葉銀行)
滋賀の魅力発信ファンド(滋賀銀行)
新幹線開業ファンド(鹿児島銀行) ……ほか
第3章-2 京都銀行─観光ビジネスを強力支援
観光支援室の活動
京銀観光支援特別融資〈賑わい〉
中国銀聯カードの取扱い開始 ……ほか
第4章-1 環境ビジネス
4つの環境ビジネス
環境事業向けローン(八十二銀行,百五銀行,宮崎銀行)
環境ファンド,エコ住宅ローン(滋賀銀行) ……ほか
第4章-2 滋賀銀行─環境とビジネスの共生を目指す
CSRのしがぎん
エコプラス定期
琵琶湖原則支援資金(PLB資金) ……ほか
第5章-1 アグリビジネス
多様な農業者向けローン(みちのく銀行)
アグリファンドの登場(愛媛銀行,鹿児島銀行,宮崎銀行)
海外で食の商談会主催 ……ほか
第5章-2 鹿児島銀行─アグリビジネスの先端を行く
農業王国・鹿児島
アグリクラスター構想
農業向け貸出残高トップ ……ほか
第6章-1 医療福祉ビジネス
少子高齢化の進行
高齢者向け金融の取組み(大垣共立銀行)
医療福祉ビジネスの取組み
(静岡銀行,武蔵野銀行,伊予銀行,山梨中央銀行,千葉銀行)
第6章-2 東京都民銀行
─医療・福祉事業を地場産業として捉える
勘定をもつ医療・福祉事業部
25年融資と医療福祉経営審査機構
メディカルサポートシリーズ ……ほか
第7章-1 シップファイナンス
シップファイナンスとは
先駆者として愛媛銀行の取組み
各行の取組み(広島銀行,中京銀行,武蔵野銀行)
第7章-2 伊予銀行─シップファイナンスを極める
愛媛の海運・造船業
世界に知られる「愛媛船主」
シップファイナンス室の設立 ……ほか
第8章-1 シニア・富裕層ビジネス─魅力ある店舗・ブランド構築
新しい銀行の店舗展開
フィナンシャル・ラウンジ(東京スター銀行)
「森の中の銀行」(京都銀行) ……ほか
第8章-2 京葉銀行─来店客にやさしい店舗創り
5つのコンセプト
無料セミナーの開催
相続・事業承継への取組み強化
第8章-3 関西アーバン銀行─個人優良顧客を囲い込む
SMBCグループの関西広域リテール地銀
KUBCのブランド戦略
「アーバンコンサルティングプラザ」の魅力 ……ほか
第8章-参考 障がい者向け取組み
監督指針へ追加
障がい者向けのさまざまな取組み
(八十二銀行,京葉銀行,南都銀行)
「ごうぎんチャレンジドまつえ」(山陰合同銀行)
第9章-1 地域振興ビジネス
地域銀行の地域振興ビジネス
新たなる地公体取引の可能性
地域・事業再生ビジネス ……ほか
第9章-2 山陰合同銀行─地域振興の先導役として
島根と鳥取に広がる店舗網
島根・鳥取両県の指定金融機関として
地元工場の再生 ……ほか
第9章-3 南都銀行─吉野の森と林業を守る
奈良県林業の現状
林業軸に地域活性化
Yoshino Heartプロジェクト ……ほか
第9章-参考 日本の森を守る
「日本の森を守る地方銀行有志の会」
森を守る活動を主導(京都銀行)
地元NPOとの交流の場を設ける(山陰合同銀行)
第10章 7大ビジネスモデルと収益性の関係
アグリビジネスと収益性・健全性
アジアビジネスと収益性・健全性
7大ビジネスモデルと収益性・健全性
補論-1 事業継続体制
東日本大震災
事業継続計画(BCP)とは
CSRの観点からも重視(滋賀銀行) ……ほか
補論-2 静岡銀行─地震リスクに備えた事業継続体制
バッファー資本の存在
業務継続体制の強化
大規模地震への対応 ……ほか
おわりに フルラインで揃える必要はない
参考文献
著者プロフィール
高橋克英(たかはし かつひで)
シティグループ証券 クレジット・スペシャリスト
1969年生まれ。
1993年,三菱銀行に入行,
1997年,日興リサーチセンターを経て,
1999年,日興ソロモン・スミス・バーニー証券開業とともに移籍。
主に金融セクターをカバーし,現在に至る。
1993年,慶應義塾大学経済学部卒業。
2000年,青山学院大学大学院 国際政治経済学研究科経済学修士取得。
著書
2007年『最強という名の地方銀行』中央経済社,
2009年『信金・信組の競争力強化策』中央経済社,
2010年『アグリビジネス』近代セールス社。
日本金融学会会員。
- 担当編集者コメント
- 好評だった前作の『最強という名の地方銀行』『信金・信組の競争力強化策』に続く地域金融機関に関する3作目。詳細な事例研究により、地銀経営の今後を説得力をもって語ります。
- 著者から
- 地域銀行各行が、中長期的な経営方針やビジョンそのものを明確化し決断する機会が到来している。7大ビジネスモデルの活用により、その迅速かつ大胆な決断いかんでは、競合他行と大きく差がつく「チャンス」の時代が到来しているともいえる。
本書で紹介した地域銀行が牽引する形で、5年後、10年後には、現在とは全く違った地域銀行の姿と勢力図であることを期待したい。