労働契約の理論と実務

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野川 忍
山川 隆一

定価(紙 版):4,180円(税込)

発行日:2009/02/25
A5判 / 420頁
ISBN:978-4-502-97310-9

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本の紹介
労働契約法の制定で「雇用とは契約」であるという基本原則が確認された。雇用契約が契約理念により再構築される時期に、法理論と実践上の問題解決の道筋を明快に解説する。

目次


労働契約の理論と実務
目次

第1部 多様化する雇用の理論
 第1章 法からみた「雇用」の意義
  1 契約としての雇用
  (1)雇用契約関係の原則と修正
  (2)「雇われて働く」ことをめぐる法的意義と実態
  (3)雇用契約の基本法理
  (4)労働契約と雇用契約
  (5)統一的雇用契約法の必要性
  (6)労働契約法の概要
  2 雇用を規律する法制度の全体像
  (1)憲法秩序における雇用関係
  (2)労基法等雇用関係法の体系的理
  (3)判例労働契約法の役割
  3 雇用関係を規律するツール
  (1)労使協定
  (2)労働協約
  (3)就業規則
  4 国際化のなかの労働契約
  (1)諸外国の労働契約ルール
  (2)労働契約と国際労働関係法
  (3)具体的問題の解決

 第2章 労働契約の法規整採用から解雇までの契約ルール
  1 労働契約の基本原理と構造
  (1)労働契約の意義
  (2)労働契約の基本原理(労契3条)
  (3)契約内容の理解促進(労契4条)
  (4)労働契約から生ずる権利と義務
  2 就業規則と労働契約
  (1)就業規則の機能
  (2)就業規則の効力
  (3)就業規則と労働条件の変更
  3 労働契約の成立
  (1)採用の自由
  (2)採用内定
  (3)試用期間
  (4)労働条件明示
  4 労働契約の継続
  (1)人  事
  (2)懲  戒
  5 労働契約の終了
  (1)解  雇
  (2)解雇以外の終了事由

 第3章 労働実定法による労働契約の規整
  1 労働実定法の体系
  2 労基法における賃金および労働時間の規整
  (1)労基法の目的・特徴
  (2)賃金に関する法規整
  (3)労働時間に関する法規整
  3 労組法による労働契約の規整
  (1)労働協約の締結
  (2)労働協約の内容と効力
  (3)協約自治の限界
  (4)労働協約による労働条件の不利益変更
  (5)労働協約の一般的拘束力
  (6)労働協約の終了とその後の労働条件
  4 差別禁止に関する法規整
  (1)均等法
  (2)労基法4条における男女賃金平等規整
  (3)労基法3条における差別的取扱いの禁止

 第4章 類型別にみた労働契約の法理
  1 はじめに
  (1)正社員と非正社員の区別
  (2)本章の概要
  2 有期労働契約
  (1)有期労働契約に関する法規制
  (2)有期労働契約の特徴
  3 パートタイム労働者
  (1)パートタイム労働法の枠組み
  (2)パートタイム労働法による規制
  (3)パートタイム労働者の労働契約の特徴
  4 派遣労働者
  (1)労働者派遣とは何か?
  (2)労働者派遣法の概要
  (3)派遣労働者の労働契約の特徴
  5 正社員・非正社員間の処遇差別の問題
  (1)賃金に関する「差別」
  (2)賃金格差は違法になりうるのか?
  (3)同一労働同一賃金原則に関する若干の検討
  (4)賃金格差は是正されるべきものか?
  (5)賃金差別に対する対応法的なアプローチの可能性
  6 小  括

第2部 紛争時の対応と手続
 第1章 各種の紛争解決手続
  1 総  論
  (1)個別労働紛争の増加
  (2)各種紛争解決手続の整備
  (3)紛争解決手続の選択のポイント
  (4)紛争を減らすための仕組み
  2 裁判所における手続
  (1)労働審判手続
  (2)民事訴訟
  (3)民事保全手続
  (4)少額訴訟・その他
  3 行政による紛争解決手続
  (1)都道府県労働局による相談・あっせん手続
  (2)労働委員会による相談・あっせん手続

 第2章 各種の紛争類型と対応
  1 解  雇
  (1)普通解雇をめぐる紛争事案
  (2)整理解雇
  (3)懲戒解雇
  (4)雇止め
  2 賃  金
  (1)時間外手当請求の紛争事案
  (2)退職金請求の紛争事案
  (3)賞与請求の紛争事案
  (4)賃金切下げによる紛争事案
  3 その他
  (1)配転命令による紛争事案
  (2)過労死・過労自殺の労災申請および民事損害賠償請求

第3部 最新判例の動向
 第1章 はじめに

 第2章 就業規則
  1 最新判例の動向
  2 就業規則の効力発生要件
  3 就業規則の不利益変更に対する裁判所の判断枠組み

 第3章 賃  金
  1 最新判例の動向
  2 懲戒解雇と退職金の不支給
  3 仮眠時間に対する賃金
  4 賞与の発生時期

 第4章 成果主義賃金制度
  1 最新判例の動向
  2 成果主義型賃金体系への変更
  3 降格と賃金
  4 成果主義賃金制度の運用と人事考課
  5 人事考課による降級の可否

 第5章 配  転
  1 最新判例の動向
  2 配転に対する裁判所の判断枠組み
  3 配転と育児
  4 配転と家族の介護

 第6章 安全配慮義務
  1 最新判例の動向
  2 長時間労働による過労自殺
  3 精神疾患に罹患した労働者に対する使用者の対応方法

 第7章 セクハラ・いじめ
  1 最新判例の動向
  2 セクハラに対する使用者の責任
  3 セクハラ事案に対する損害賠償の範囲
  4 いじめによる自殺

 第8章 懲  戒
  1 最新判例の動向
  2 私的ホームページでの会社批判と出勤停止処分
  3 経歴詐称を理由とする懲戒解雇の有効性

 第9章 競合会社への転職
  1 最新判例の動向
  2 競業避止義務と損害賠償請求
  3 競業避止義務と差止請求
  4 引抜きと損害賠償

 第10章 解雇(普通解雇・整理解雇)
  1 最新判例の動向
  2 普通解雇に対する裁判所の判断
  3 整理解雇に対する裁判所の判断枠組み
  4 整理解雇法理の適用および「整理解雇の4要件」の
     主張・立証責任

 事項索引

 判例索引



著者プロフィール 〈編者紹介〉
野川 忍(のがわ・しのぶ)
現職:東京学芸大学教授(平成21年4月1日より明治大学大学院法務研究科教授)
東京大学法学部卒業,東京大学大学院法学政治学研究科修了
著書:
『外国人労働者法』(信山社・1993年),
『雇用社会の道しるべ』(信山社・1999年),
『実践・変化する雇用社会と法』(共著・有斐閣・2006年),
『わかりやすい労働契約法』(商事法務・2007年),
『労働法』(商事法務,2007年)

山川 隆一(やまかわ・りゅういち)
現職:慶應義塾大学大学院法務研究科教授
東京大学法学部卒業,ワシントン大学ロー・スクール修士課程修了(LL.M.)
博士(法学)
著書:
『国際労働関係の法理』(信山社・1999年),
『労働審判制度(第2版)』(共著・弘文堂・2007年),
『雇用関係法(第4版)』(新世社・2008年),
『労働契約法入門』(日本経済新聞出版社・2008年),
『詳説労働契約法』(共著・弘文堂・2008年)

























著者紹介

野川 忍(のがわ しのぶ)

山川 隆一(やまかわ りゅういち)