金融商品取引法の開示制度―歴史的変遷と制度趣旨

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小谷 融

定価(紙 版):6,600円(税込)

発行日:2010/03/05
A5判 / 514頁
ISBN:978-4-502-99120-2

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本の紹介
証取法制定から現行金商引法まで、企業内容開示制度の変遷を辿り制度趣旨を整理して開示規制の意義と今後の方向を示す。大蔵省証券局で企画・立案に従事した著者が全容に迫る意欲作。

目次


大阪経済大学研究叢書第67冊
金融商品取引法の開示制度
─歴史的変遷と制度趣旨
目次

 はしがき

第1章 開示規制に係る金融商品取引法の改正
 第1節 はじめに
  1 届出制度
  2 法改正の概要
 第2節 昭和22年証券取引法
  1 昭和22年証券取引法の制定
  2 主な開示規制
 第3節 開示規制に係る金融商品取引法の改正
  1 昭和23年証券取引法(制度の創設)
  2 昭和25年証券取引法(財務諸表と監査証明)
  3 昭和27年証券取引法(証券取引委員会の廃止) ……ほか
 第4節 むすび
  1 法改正の手続
  2 電子開示手続を所与とした法改正

第2章 開示対象有価証券
 第1節 はじめに
 第2節 開示対象有価証券
  1 昭和22年証券取引法
  2 昭和23年証券取引法(有価証券の範囲の固定化)
  3 昭和28年証券取引法(証券投資信託・担保付社債券が対象外)
   ……ほか
 第3節 むすび
  1 開示対象外有価証券
  2 開示規制の対象となる有価証券投資事業権利等69

第3章 発行開示
 第1節 はじめに
 第2節 届出制度
  1 昭和22年証券取引法(有価証券の発行)
  2 昭和23年証券取引法(募集・売出し)
  3 昭和25年証券取引法(届出義務基準の見直し等) ……ほか
 第3節 発行登録制度
  1 昭和63年証券取引法(制度の創設)
  2 平成4年開示省令(利用適格要件)
  3 平成4年証券取引法(CPへの適用) ……ほか
 第4節 組織再編成に係る開示制度
  1 有価証券届出書の提出義務
  2 特定組織再編成発行手続
  3 特定組織再編成交付手続
 第5節 プロ向け市場に係る開示制度
  1 平成20年プロ向け市場の創設
  2 情報開示規制の免除
  3 情報提供
 第6節 有価証券通知書
  1 昭和23年証券取引法(規則で制度導入)
  2 昭和25年証券取引法(提出義務基準の見直し)
  3 昭和27年証券取引法(法律で規定) ……ほか
 第7節 募集または売出し
  1 募集または売出しの意義
  2 昭和22年証券取引法(募集概念がない)
  3 昭和23年証券取引法(募集・売出し概念の導入) ……ほか
 第8節 有価証券届出書の記載事項
  1 昭和22年証券取引法
  2 昭和23年証券取引法(制度の創設)
  3 昭和25年証券取引法(財務諸表と監査証明) ……ほか
 第9節 目論見書
  1 目論見書の意義
  2 昭和22年証券取引法
  3 昭和23年証券取引法(作成・使用義務) ……ほか
 第10節 むすび
  1 プロ向け市場
  2 有価証券届出書の記載事項
  3 目論見書

第4章 継続開示
 第1節 はじめに
 第2節 有価証券報告書
  1 昭和22年証券取引法(有価証券報告書)
  2 昭和23年証券取引法(上場有価証券報告書)
  3 昭和25年届出規則(様式の改正) ……ほか
 第3節 半期報告書
  1 昭和46年証券取引法(制度の創設)
  2 昭和52年届出省令等(中間財務諸表と監査証明)
  3 平成10年金融システム改革法(連結ベースへの移行)
   ……ほか
 第4節 臨時報告書
  1 昭和46年証券取引法(制度の創設)
  2 昭和60年届出省令(第三者割当増資)
  3 昭和63年届出省令(提出事由の拡大) ……ほか
 第5節 自己株券買付状況報告書
  1 平成6年証券取引法(制度の創設)
  2 平成9年開示省令(商法改正に伴う改正)
  3 平成10年開示省令(株式消却特例法改正に伴う改正)
   ……ほか
 第6節 代表者による確認書
  1 有価証券報告書等の適正性に関する代表者の確認書
  2 金融商品取引法における確認書
 第7節 内部統制報告書
  1 内部統制報告制度導入の背景
  2 内部統制報告制度の対象会社
  3 内部統制報告書 ……ほか
 第8節 四半期報告書
  1 四半期報告制度導入の背景
  2 四半期報告書
  3 四半期報告書の記載事項 ……ほか
 第9節 親会社等状況報告書
  1 平成17年開示制度の信頼性確保に向けた対応
  2 親会社等状況報告書制度
 第10節 むすび
  1 公開会社法
  2 内部統制報告書制度

第5章 開示書類の虚偽記載に係る責任
 第1節 はじめに
  1 不実開示と民事責任
  2 課徴金制度
 第2節 虚偽記載に係る損害賠償責任
  1 昭和22年証券取引法(有価証券届出書の届出者)
  2 昭和23年証券取引法(有価証券届出書の届出者と関係者)
  3 昭和28年証券取引法(有価証券届出書の届出者に限定)
   ……ほか
 第3節 課徴金制度
  1 平成17年課徴金制度の導入
  2 継続開示書類等の虚偽記載に係る課徴金
  3 平成20年金融商品取引法(対象範囲の拡大)
 第4節 むすび
  1 不実開示と民事責任
  2 課徴金制度

第6章 公衆縦覧
 第1節 はじめに
 第2節 公衆縦覧制度
  1 昭和22年証券取引法(政府)
  2 昭和23年証券取引法(証券取引委員会)
  3 昭和28年証券取引法(縦覧期間の制定・縦覧場所の拡大)
   ……ほか
 第3節 むすび

第7章 外国会社の開示制度
 第1節 はじめに
 第2節 外国証券投資の自由化
  1 外国証券投資の自由化
  2 外国証券のわが国での発行
 第3節 外国会社の開示制度
  1 外国会社(米国GTE)株式の公募
  2 昭和48年届出省令等(個別財務諸表を義務付け)
  3 昭和49年届出省令等(本国基準の財務諸表) ……ほか
 第4節 むすび
  1 上場撤退と母国主義による開示
  2 英文開示と投資者保護

第8章 有価証券届出書等の審査
 第1節 はじめに
  1 有価証券報告書等の審査の意義
  2 審査方針の変遷
 第2節 昭和23年証券取引法
  1 届出書類の審査
  2 届出書類の草案の事前審査
  3 有価証券届出書作成要領 ……ほか
 第3節 粉飾決算に対応した審査体制
  1 粉飾決算への対応
  2 有価証券報告書の優先審査
  3 有価証券届出書および有価証券報告書の当面の審査事務
   ……ほか
 第4節 引受審査の充実
  1 昭和44年証券局長通達(発行会社の財務内容の把握)
  2 昭和49年証券局長通達(コンフォート・レター)
  3 昭和51年証券取引審議会「株主構成の変化と資本市場のあり
     方について」 ……ほか
 第5節 むすび
  1 開示規制検査権限の委任
  2 証券会社の引受審査に対する建議
  3 引受審査の充実

 [資料]
  資料1−1 開示規制に係る金融商品取引法の改正事項
  資料3−1 発行開示に係る改正一覧
  資料3−2 届出を要する限度額の推移 ……ほか
  資料4−1 継続開示書類の改正事項一覧
  資料5−1 開示書類の虚偽記載に係る損害賠償責任の変遷
  資料5−2 課徴金制度の変遷
  資料6−1 公衆縦覧制度の変遷
  資料7−1 外国会社に係る開示規制の変遷
  資料7−2 東京証券取引所上場外国会社数の推移

 参考文献等

 索 引


著者プロフィール 小谷 融(こたに とおる)
大阪経済大学経営情報学部教授
1953年生まれ。
大阪経済大学経営学部卒業。
大阪国税局,証券取引等監視委員会,大蔵省証券局等を経て現職。

(主な著書)
『インサイダー取引・相場操縦・虚偽記載規制のすべて』中央経済社,2009年
『金融商品取引法におけるディスクロージャー制度』編著,税務研究会,2007年
『証券取引法に基づく企業内容等の開示制度』税務経理協会,2005年
『「改訂外貨建取引等会計処理基準」逐条解説』税務研究会,1996年
























著者紹介

小谷 融(こたに とおる)
[プロフィール]
大阪経済大学情報社会学部教授・博士(経済学)。大阪経済大学経営学部卒業後,大阪国税局,大蔵省理財局・証券局,証券取引等監視委員会等を経て現職。

[主な著作]
『新訂版 金融商品取引法の基本知識』(2022年,税務経理協会)
『よくわかる投資型クラウドファンディング』 (2014年,中央経済社)
『金融商品取引法の開示制度ー歴史的変遷と制度趣旨』(2010年,中央経済社)
『「改訂 外貨建取引等会計処理基準」逐条解説』(1996年,税務研究会)