体系現代会計学第4巻会計基準のコンバージェンス

  • 電子版あり

平松 一夫 責任編集
辻山 栄子 責任編集

定価(紙 版):3,960円(税込)
価格(電子版):3,960円(税込)

発行日:2014/05/16
A5判 / 380頁
ISBN:978-4-502-08570-3

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【bookend版は、特に断り書きのない限り、固定レイアウト型です。】本書を読むためには、専用の電子書籍リーダー「bookend」アプリを入手する必要があります。下記サイトよりご利用の環境に合わせて各OS 対応のbookend をダウンロードしてください。
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本の紹介
近年のわが国の会計にとってもっとも関心が高く、困難なテーマであったコンバージェンスの歴史的展開と現状、基本的な考え方、基本的な論点を包括的に論じる。

目次

第Ⅰ部コンバージェンスをめぐる国際的な動向

第1章 コンバージェンスをめぐる歴史的展開
第1節 コンバージェンスの背景
第2節 会計基準の国際的調和をめぐる初期の動向
第3節 国際会計基準委員会による国際的調和
第4節 コア・スタンダードと国際会計基準委員会の将来計画
第5節 調和(ハーモナイゼイション)から収斂(コンバージェンス)へ

第2章 コンバージェンスをめぐる現状と課題
第1節 会計基準のコンバージェンスと会計パラダイム
第2節 国際会計基準審議会(IASB)の活動
第3節 会計基準のコンバージェンスをめぐる各国の動向
第4節 IFRSをめぐる制度的課題
第5節 IFRSをめぐる理論的課題

第Ⅱ部 コンバージェンスをめぐる基本思考

第3章 概念フレームワーク―概念フレームワークに関する分析視座
第1節 はじめに―問題の所在
第2節 「概念フレームワークに関する見直しプロジェクト」の意義と問題点
第3節 概念フレームワーク自体の存在意義
第4節 結びに代えて―要約と残された検討課題

第4章 財務報告の主体と範囲
第1節 会計主体論
第2節 連結基礎概念
第3節 報告企業とグループ報告企業
第4節 連結財務諸表に含める企業の範囲

第5章 資産負債アプローチ
第1節 資産負債アプローチの論理構成
第2節 二つの会計観の相違
第3節 包括利益と純利益
第4節 純資産と株主資本

第6章 認識と測定
第1節 認識と測定をめぐる諸課題
第2節歴史的原価会計擁護の時代
第3節 公正価値会計の台頭とその後の揺らぎ
第4節 公正価値の定義と市場の論理
第5節 概念フレームワーク・プロジェクト・フェーズC:「測定」の概要
第6節 認識・測定論の方向性

第Ⅲ部 コンバージェンスをめぐる基本論点

第7章 財務諸表の表示
第1節 本章の目的
第2節 プロジェクトの歴史
第3節 当プロジェクトの問題点
第4節 総括

第8章 収益認識
第1節 本章の課題
第2節 収益費用アプローチによる収益の認識
第3節資産負債アプローチの収益認識モデル
第4節 まとめに代えて

第9章 負債と資本の区分
第1節 本章の目的
第2節 通時的整理サーベイ
第3節 共時的整理
第4節 要約と解決策の提示

第10章 金融商品
第1節 問題の所在
第2節 金融商品の認識中止
第3節 金融危機への短期的対応
第4節 金融商品の分類と測定
第5節 金融危機と金融商品会計

著者紹介

平松 一夫(ひらまつ かずお)
[プロフィール]
1947年生まれ
関西学院大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学
関西学院大学学長,日本会計研究学会会長等を歴任
関西学院大学商学部教授
商学博士

[主な著作]
『外部情報会計』(中央経済社,1980年)
Accounting and Financial Reporting in Japan (共編著,Van Nostrand Reinhold(UK) ,1987年)
『国際会計の新動向』(中央経済社,1994年)
『国際財務報告論』(編著,中央経済社,2007年)
『IFRS国際会計基準の基礎(第3版)』(監修,中央経済社,2013年)他

辻山 栄子(つじやま えいこ)
[プロフィール]
早稲田大学名誉教授 博士(経済学・東京大学) 公認会計士
1947年東京都に生まれる。早稲田大学商学部卒業,東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。茨城大学助教授,武蔵大学教授,早稲田大学教授を経て,2018年4月より現在に至る。企業会計審議会委員(固定資産部会長),国税審議会会長,国際会計基準審議会基準諮問会議委員,企業会計基準委員会委員,公認会計士監査審査会委員等を歴任。

[主な著作]
『所得概念と会計測定』森山書店,1991年
『逐条解説 減損会計基準』編著,中央経済社,2003年
『会計測定の基礎』訳書,中央経済社,2003年
『体系現代会計学第4巻 会計基準のコンバージェンス』責任編集,中央経済社,2014年
『IFRSの会計思考―過去・現在そして未来への展望』編著,中央経済社,2015年
『財務会計の理論と制度』編著,中央経済社,2018年

担当編集者コメント
現時点における最高の研究成果の集大成です。
著者から
 本書の企画を始めてから刊行にいたるまで、実に6年の歳月が経過している。会計基準のコンバージェンスをめぐるこの間の動きを振り返ると、2008年の米国におけるIFRSアドプション(採用)の機運の高まりと軌を一にしたわが国のIFRSアドプションの機運の高まりと、その後の両国における機運の後退へと、紆余曲折を経て今日に至っている。世界に目を転じても、この間の各国における会計基準のコンバージェンスへの動きは多種多様である。本書の刊行に予想外の年月が費やされたのは、そのような事情とも無関係ではない。
 ますます活発になる経済のグローバル化のもとで、会計基準のコンバージェンスの問題は、これまでも、そしてこれからも、会計上の重要なテーマの一つであり続けるだろう。なぜ米国におけるIFRSアドプション(採用)の機運の高まりがやがて衰退することになったのか、そして今後の世界の会計基準のコンバージェンスはどのような方向に向かうのか。会計基準のコンバージェンスをめぐるそうした問題の多面的な理解に、本書が多少なりとも役立つことができれば幸いである。