- 本の紹介
- 近年のわが国の会計にとってもっとも関心が高く、困難なテーマであったコンバージェンスの歴史的展開と現状、基本的な考え方、基本的な論点を包括的に論じる。
- 担当編集者コメント
- 現時点における最高の研究成果の集大成です。
- 著者から
- 本書の企画を始めてから刊行にいたるまで、実に6年の歳月が経過している。会計基準のコンバージェンスをめぐるこの間の動きを振り返ると、2008年の米国におけるIFRSアドプション(採用)の機運の高まりと軌を一にしたわが国のIFRSアドプションの機運の高まりと、その後の両国における機運の後退へと、紆余曲折を経て今日に至っている。世界に目を転じても、この間の各国における会計基準のコンバージェンスへの動きは多種多様である。本書の刊行に予想外の年月が費やされたのは、そのような事情とも無関係ではない。
ますます活発になる経済のグローバル化のもとで、会計基準のコンバージェンスの問題は、これまでも、そしてこれからも、会計上の重要なテーマの一つであり続けるだろう。なぜ米国におけるIFRSアドプション(採用)の機運の高まりがやがて衰退することになったのか、そして今後の世界の会計基準のコンバージェンスはどのような方向に向かうのか。会計基準のコンバージェンスをめぐるそうした問題の多面的な理解に、本書が多少なりとも役立つことができれば幸いである。