- 本の紹介
- 高齢化が進み、人口減少が現実のものとなる中、生活保護や医療・介護保険はどうあるべきか、財源をどう考えるかなどを様々な角度から検証し、今後の制度改革の方向性を探る。
目次
社会保障制度改革を考える
財政および生活保護,医療,介護の観点から
目次
第1章 財政と社会保障
1.政府の役割
2.日本の社会保障
3.国民負担と社会保障負担
4.社会保障・税一体改革
5.国と地方の役割分担
6.むすび
第2章 生活保護と地方財政
1.制度の概要
2.制度の適用状況
3.保護率などの地域間格差とその背景要因
4.生活保護と地方財政
5.むすび:今後の課題と対応方向
第3章 公費による財政支援と医療需要
─国民健康保険・保険者別データに基づく実証分析─
1.社会保障財政の持続可能性と公費
2.国民健康保険における公費の現状
3.公費投入と医療需要の関係
─国民健康保険・保険者別データによる分析─
4.推定結果
5.むすび:持続可能な社会保障財政に向けて
第4章 日本の医療保障制度のあり方
─イギリスの医療保障制度改革を参考に─
1.日本とイギリスの医療保障制度の概要
2.NHS改革の推移
3.日本とイギリスの医療データ比較と制度の違いによる影響
4.日本の医療保障制度改革のあり方
5.むすび
第5章 医療保障の再検討
─所得ベースの負担と給付(カナダの教訓)─
1.健康と医療の再検討
2.健康の決定要因: 集団の健康
3.カナダの医療保障と薬剤給付
4.BC州:年齢ベースの薬剤給付から所得ベースの給付への転換
5.むすび:医療保障制度の再検討のために
第6章 医療提供体制整備─地域医療の課題解決にむけて─
1.医療提供体制の概念
2.日本の医療提供体制に関する制度の変遷
3.医療提供体制の現状と課題
4.地域医療の課題解決にむけた取組み
5.むすび
第7章 介護保険
─地域包括ケアを中心とする施策の現状・課題・提言─
1.介護保険の現状と課題
2.地域包括ケア構想の内容とその実現に向けた課題
3.介護保険制度の課題整理と解決に向けた政策提言
4.むすび
第8章 ベヴァリッジ報告再考
1.ベヴァリッジ報告の概要
2.ベヴァリッジ報告と社会保障の実現
3.給付水準:社会保険の課題①
4.定額制か所得比例制か:社会保険の課題②
5.低賃金と児童手当:社会保険の課題③
6.家賃の扱い:社会保険の課題④
7.女性の社会保障:社会保険の課題⑤
8.むすび
著者プロフィール
■編著者紹介
一圓 光彌(いちえん・みつや)
関西大学名誉教授,経済学博士
主著:
「総合医制度の定着に向けて」『生活経済政策』No.156,2010年
「皆年金の意義と年金政策の課題」『季刊社会保障研究』Vol.47,No.3,2011年
『社会保障論概説(第3版)』(編著)誠信書房,2013年
林 宏昭(はやし・ひろあき)
関西大学副学長・経済学部教授,博士(経済学)
主著:
『どう臨む,財政危機下の税制改革』清文社,2002年
『分権社会の地方財政』中央経済社,2007年
『入門地方財政(第3版)』(共著)中央経済社,2014年
『税と格差社会─いま日本に必要な改革とは』日本経済新聞出版社,2011年