会計測定の思想史と論理―現在まで息づいている論理の解明
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- 1930年代に取得原価会計が提唱され、その後改廃がなされ、現在の公正価値会計に至っている。こうした測定・評価制度の思想と論理を解明し、将来を展望する集大成。
目次
会計測定の思想史と論理
―現在まで息づいている論理の解明
目次
序
序 章 会計測定の基礎
Ⅰ はじめに
Ⅱ 会計測定要素と会計システムの諸類型
1 会計の測定要素
2 会計システムの諸類型
Ⅲ 各会計システムの概要
Ⅳ 本書の構成
第1章 会計原則・基準の萌芽と取得原価会計
Ⅰ はじめに
Ⅱ 米国会計学会の会計原則・基準
1 会計報告書の会計原則試案
2 会社会計基準序説 ……ほか
Ⅲ 米国公認会計士協会の会計原則
1 SHM会計原則
2 会計調査公報第43号 ……ほか
Ⅳ 会計原則・基準における取得原価会計の論理
1 会計慣行
2 受託責任 ……ほか
Ⅴ 取得原価会計の問題点の指摘
第2章 取得原価会計の学説的展開
Ⅰ はじめに
Ⅱ ギルマンと会計慣行
1 3つの会計慣行
2 会計慣行と取得原価会計 ……ほか
Ⅲ リトルトンと帰納法
1 帰納法
2 現実主義 ……ほか
Ⅳ 井尻と会計責任説
1 会計責任説
2 測定の客観性と硬度性 ……ほか
Ⅴ 取得原価会計の論理と継承
第3章 修正原価会計の萌芽と進展
Ⅰ はじめに
Ⅱ スウィーニーと一般購買力維持
1 取得原価会計に対する批判
2 修正原価会計の論拠 ……ほか
Ⅲ メイと実践可能性
1 3つの会計公準
2 実質利益としての利益概念 ……ほか
Ⅳ 米国会計学会・公認会計士協会の声明書
1 物価水準変動と財務諸表
2 物価水準変動財務報告 ……ほか
Ⅴ 修正原価会計の論理と継承
第4章 現在原価会計の進展と終焉
Ⅰ はじめに
Ⅱ エドワーズ=ベルと意思決定
1 現在原価会計の概要
2 現在原価会計の論拠
Ⅲ レヴズィンと外部報告
1 投資者の情報要求
2 現在原価会計の論拠 ……ほか
Ⅳ 米国会計学会・財務会計基準審議会の声明書
1 基礎的会計理論
2 外部報告と価格変動
Ⅴ 現在原価会計の論理と終焉
第5章 売却時価会計の進展と継承
Ⅰ はじめに
Ⅱ チェンバースと環境適応
1 売却時価会計の概要
2 売却時価会計の論拠
Ⅲ スターリングと科学論
1 会計の科学的要件
2 売却時価の論拠 ……ほか
Ⅳ ローゼンフィールドと外務報告
1 利用者指向的規準
2 取得原価・現在原価・現在価値会計の評価 ……ほか
Ⅴ 売却時価会計の論理と継承
第6章 現在価値会計の進展と継承
Ⅰ はじめに
Ⅱ 経済学者と個人所得
1 フィッシャーと消費としての所得
2 リンダールと消費・貯蓄としての所得 ……ほか
Ⅲ アレクサンダーと経済的利益
1 利益の定義と経済人思考
2 確実性下における経済的利益 ……ほか
Ⅳ バートンと意思決定
1 経済的利益の特質
2 期間経済的利益の限界 ……ほか
Ⅴ ストーバスと外部報告
1 会計の目的
2 投資者の意思決定と必要な会計情報 ……ほか
Ⅵ 現在価値会計の論理と継承
第7章 公正価値会計と会計基準の展開
Ⅰ はじめに
Ⅱ 会計の目的と会計情報の質的特性
1 会計の目的
2 会計情報の質的特性
Ⅲ 公正価値の概念と測定
1 公正価値の概念
2 公正価値の測定
Ⅳ 公正価値会計の適用
1 財務会計基準審議会の会計基準
2 国際会計基準審議会の会計基準
Ⅴ 公正価値会計の論理と現代会計における役割
1 公正価値会計の論理
2 公正価値会計の現代会計における役割
第8章 新しい会計思想としてのRO会計とEVA会計
Ⅰ はじめに
Ⅱ リアル・オプション会計
1 オプションの概要
2 ブラック=ショールズ・モデル ……ほか
Ⅲ 経済付加価値会計
1 残余利益モデル
2 経済付加価値 ……ほか
Ⅳ 現代会計における理念的に最適な会計システム
終 章 現在に生きる会計測定の論理
Ⅰ はじめに
Ⅱ 各会計の論理とその整理
1 各会計の論理
2 各会計の論理の整理
Ⅲ 現在の会計測定思想
1 混合測定会計
2 混合測定会計思想
Ⅳ 現在まで息づいている会計測定の論理
1 各会計の論理と会計測定思想
2 現在に継承された会計測定の論理
Ⅴ 会計測定の展望と課題
1 会計測定の理論的展望
2 会計測定の実践的展望 ……ほか
参考文献
索 引
著者プロフィール
上野 清貴(うえの きよたか)
1950年 和歌山市に生まれる。
1973年 中央大学商学部卒業
1977年 中央大学大学院商学研究科博士前期課程修了
1980年 神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得
九州産業大学経営学部専任講師
1986年 九州産業大学経営学部助教授
1988年 ユタ大学経営学部客員研究員(〜1990年)
1992年 九州産業大学経営学部教授
1994年 長崎大学経済学部教授
1995年 博士(経済学)(九州大学)
2001年 税理士試験委員(〜2003年)
2008年 中央大学商学部教授
[主要著書]
『スターリング 企業利益測定論』(訳,同文舘,1990年),
『会計利益測定の理論』(同文舘,1991年),
『会計利益測定の構造』(同文舘,1993年,日本公認会計士協会学術賞受賞),
『会計利益概念論』(同文舘,1995年),
『会計の論理構造』(税務経理協会,1998年),
『キャッシュ・フロー会計論』(創成社,2001年),
『公正価値会計と評価・測定』(中央経済社,2005年),
『会計利益計算の構造と論理』(編著,創成社,2006年),
『公正価値会計の構想』(中央経済社,2006年),
『現代会計基準論』(中央経済社,2007年),
『財務会計の基礎』(中央経済社,2008年,第2版2010年,第32012年),
『企業簿記の基礎』(中央経済社,2008年,第2版2012年),
『連結会計の基礎』(中央経済社,2010年,第2版2012年),
『現代会計の論理と展望』(創成社,2012年),
『簿記のススメ』(監修,創成社,2012年,日本簿記学会学会賞受賞)