投資家行動の実証分析―マーケット・マイクロストラクチャーに基づく会計学研究
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- 投資家の間に存在する情報の非対称性や、小口投資家の行動をマーケット・マイクロストラクチャーの手法を援用して分析。成り行き注文、指し値注文など売買注文の動向を実証的に詳細に解明。
目次
投資家行動の実証分析
目次
序
第1章 本書の目的と構成
第1節 問題意識
(1) インターネット取引と個人投資家
(2) 金融商品取引法
(3) 実証的会計学研究の動向
第2節 東京証券取引所の市場構造
(1) 板寄せのメカニズム
(2) ザラバのメカニズム
第3節 本書の意義
(1) 成行注文を分析する意義
(2) 指値注文を分析する意義
第4節 データベース
(1) ティック・データ
(2) 会社発表予想データ
第5節 本書の構成
第2章 ティック・データを用いた投資家行動の研究:
文献サーベイ
第1節 はじめに
第2節 利益発表と投資家行動
(1) 利益発表に対する投資家の反応
(2) 投資家の利益期待
(3) 利益サプライズの時系列パターン ……ほか
第3節 投資家行動と株価のドリフト
第4節 証券アナリストの投資推奨と投資家行動
(1) 証券アナリストの投資推奨に対する投資家の反応
(2) 投資推奨の改訂に対する投資家の反応
(3) 人気アナリストの投資推奨 ……ほか
第5節 情報技術の発達と投資家行動
(1) 電子開示システム
(2) オープン・カンファレンス・コール
第6節 要 約
第3章 その他の高頻度データを用いた投資家行動の研究:
文献サーベイ
第1節 はじめに
第2節 証券会社の証券口座データを用いた研究(その1)
(1) 気質効果
(2) 自信過剰
第3節 証券会社の証券口座データを用いた研究(その2)
(1) 投資家の合理的期待形成と自信過剰
(2) 投資家の性別
(3) インターネット取引
第4節 TORQデータベースを用いた研究
(1) 利益発表
(2) ニュース発表の予測可能性
第5節 証券保管振替機構の口座簿データを用いた研究
(1) 投資スタイル
(2) 株式売買の決定要因
(3) 利益発表に対する投資家の反応
第6節 要 約
第4章 利益発表と出来高反応
第1節 はじめに
第2節 先行研究のレビュー
第3節 東証の株式売買の時系列推移
第4節 リサーチ・デザイン
(1) サンプルとデータ
(2) 変数の定義
第5節 分析結果
(1) 異常出来高の動向
(2) 利益発表の内容別の分析
(3) 頑健性チェック
第6節 要 約
第5章 利益発表と出来高反応の方向
第1節 はじめに
第2節 株式売買の方向を識別する方法
(1) Lee and Ready (1991)の研究
(2) その後のフォロー・アップ研究
(3) 本書の方法
第3節 サンプルとデータ
第4節 分析結果
(1) 買い手が主導した取引
(2) 売り手が主導した取引
(3) オーダー・インバランス ……ほか
第5節 要 約
第6章 利益発表と投資家別の反応
第1節 はじめに
第2節 小口取引と大口取引を区別する基準
(1) Lee and Radhakrishna (2000)の研究
(2) Barber, Odean and Zhu (2005)の研究
(3) ステルス売買仮説 ……ほか
第3節 サンプルとデータ
第4節 大口取引の分析結果
(1) 買い手が主導した大口取引
(2) 売り手が主導した大口取引
(3) 大口取引のオーダー・インバランス
第5節 小口取引の分析結果
(1) 買い手が主導した小口取引
(2) 売り手が主導した小口取引
(3) 小口取引のオーダー・インバランス
第6節 分析結果の頑健性チェック
第7節 要 約
第7章 ビッド・アスク・スプレッドの短期分析:文献サーベイ
第1節 はじめに
第2節 利益発表
第3節 ビッド・アスク・スプレッドの構成要素
第4節 情報環境と利益の予測可能性
第5節 経営者の利益予想
第6節 要 約
第8章 ビッド・アスク・スプレッドの長期分析:文献サーベイ
第1節 はじめに
第2節 研究開発投資
第3節 石油・ガス会計
第4節 セグメント情報
第5節 会計操作
第6節 レギュレーションFD
第7節 企業のディスクロージャー実務(その1)
第8節 企業のディスクロージャー実務(その2)
第9節 要 約
第9章ビッド・アスク・スプレッドの国際分析:文献サーベイ
第1節 はじめに
第2節 ドイツ市場の研究
第3節 イギリス市場の研究
第4節 カナダ市場の研究
第5節 オーストラリア市場の研究
第6節 中国市場の研究
第7節 日本市場の研究
第8節 要 約
第10章 利益発表と情報の非対称性
第1節 はじめに
第2節 仮説の構築
(1) 利益発表と情報の非対称性
(2) 情報の非対称性を表す尺度
第3節 東証の市場構造
(1) スプレッドとデプスの計測
(2) スプレッドの構成要素
(3) スプレッドの決定要因 ……ほか
第4節 リサーチ・デザイン
(1) サンプルとデータ
(2) 分析方法
第5節 分析結果
(1) 回帰モデルの推定結果
(2) 異常スプレッドの動向
(3) 異常デプスの動向 ……ほか
第6節 要 約
第11章 結論と展望
第1節 本書の発見事項と意義
(1) 成行注文の分析
(2) 指値注文の分析
(3) 本書の意義
第2節 今後の研究課題
参考文献
索 引
著者プロフィール
音川 和久(おとがわ かずひさ)
1969年 大阪府生まれ
1992年 神戸大学経営学部卒業
1997年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了
神戸大学より博士(経営学)の学位を取得
1997年 大阪府立大学経済学部専任講師
2000年 大阪府立大学経済学部助教授
2001年 神戸大学大学院経営学研究科助教授(〜現在,同准教授)
2003年 ワシントン大学客員研究員(〜2004年)
【主要著作】
『会計方針と株式市場』千倉書房,1999年。
『資本市場理論に基づく会計学入門』(共訳)勁草書房,1999年。