- 本の紹介
- 「社会性のある病院経営」「社会の潤滑油となる非営利組織」「社会に役立つBSC」の全3部11章から構成され、非営利組織や営利組織の今後の経営への視座を提供した論文集。
目次
非営利組織と営利組織のマネジメント
目次
はしがき
第Ⅰ部 社会性のある病院経営
第1章 非営利組織でのBSCの有効性
― 非営利組織の再考および非営利組織での社会性を持ったBSCへの
展開―
1 はじめに
2 行政と非営利組織
3 非営利組織と営利組織
4 日本の民間病院の非営利性について
5 BSC(balanced scorecard)の基本概念の再吟味と病院での有効性
6 Sustainability BSC( SBSC)とは
7 SBSCの戦略テーマ
8 まとめ―SBSCの可能性―
第2章 中小病院経営の課題
―中小企業論研究の視点から―
1 はじめに
2 中小企業論の研究視点からの中小病院の分析
3 中小病院数の推移と経営環境の変化
4 地域社会の存続に向けての中小病院の役割
5 おわりに
第3章 医療法人と事業承継
1 超少子高齢社会における医療法人の事業承継問題
2 我が国の医療法人の現状と医療法人における事業承継の類型
3 経過措置医療法人における親族内事業承継と相続税・贈与税問題
第4章 病院マネジメントと情報通信技術(ICT)
1 病院マネジメントとは
2 ICTとは
3 医療におけるICT
4 BSCと病院情報システム
5 医療マネジメントのICT化における課題と展望
第5章 医療とICTとのコンバージェンス
―境界視野の視点から―
1 異なる技術の融合によるイノベーション
2 境界視野による知識コンバージェンス―コア・フレームワーク―
3 まとめ
第Ⅱ部 社会の潤滑油となる非営利組織
第6章ヘルスケア産業における組織間連携戦略
―資源ベースに基づく組織デザイン―
1 はじめに
2 ヘルスケア組織の戦略策定フレームワーク
3 資源ベースに基づく戦略論
4 パートナーシップ戦略
第7章 非営利組織との連携による新規事業創造
1 はじめに
2 非営利組織と営利組織の連携の変化
3 多様な組織間連携によるイノベーション
4 本章の目的
5 事例研究1―鎌倉リビングラボ―
6 事例研究2―京都水族館―
7 インプリケーション
8 おわりに―本章の課題―
第8章 地域におけるNPOとしての保険薬局の事業展開に関する
考察
―長野県南佐久郡における事例を中心に―
1 我が国における医薬分業の歴史
2 地域において薬局に求められる機能の変遷
3 各都道府県における医療計画と地域における薬局の
ポジションニング
4 薬局の事業形態に関する実態とNPO薬局の可能性
第Ⅲ部 社会に役立つBSC
第9章 BSC思考の再考
1 はじめに
2 BSC思考の変遷と日本においてBSC導入が下火である要因
3 BSC思考が日本で浸透しない理由
4 BSC思考の利点
5 おわりに
第10章 台湾の医療BSCにおける進化
1 はじめに
2 台湾の医療事情
3 THBSC設立の経緯
4 THBSCの10年間
5 THBSC大会からみる台湾医療BSCの進化
6 医療BSCによる価値創造の事例
7 おわりに
第11章 三共製氷冷蔵株式会社へのBSC導入のケーススタディ
1 はじめに
2 BSCの導入実態
3 BSCの導入上の課題と導入の目的
4 事例研究
5 ディスカッション
6 まとめ
著者プロフィール
■編著者紹介
髙橋淑郎(たかはし としろう)
(現職)日本大学教授(商学部)。非営利組織経営学担当。大学院商学研究科博士前期課程にて経営管理論特殊講義(医療福祉経営),博士後期課程にて経営管理論特殊研究(医療福祉経営)を担当。
(生年)1954年 東京生まれ。
(学歴)日本大学商学部会計学科卒業。日本大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得満期退学。
(職歴)杏林大学医学部助手(病院管理学教室),トロント大学医学部ヘルス・アドミニストレーション教室(当時)訪問研究員,同教室アシスタント・プロフェッサー,国際医療福祉大学医療福祉学部医療経営管理学科教授,2003年4月より現職。
(研究領域)病院経営(経営改善,医療の質の改善,病院統廃合,独法化経営),医療BSCの理論と実践,Sustainability BSCの理論と実践。カナダの医療制度・政策分析,非営利組織経営。
(研究成果)著書:30冊(単著:6,編著:9,分担:15)。論文:118本。
学会発表:88回。その他として,病院へのBSC導入支援は90病院を超える。病院経営診断は60病院を超える。