- 本の紹介
- 資本主義社会における企業を研究対象とする経営学の各分野では、どのような問題が重要課題と考えられているのか。経営戦略、経営管理、人的資源管理等多様な分野から論じる。
目次
現代経営学の基本問題
目次
はじめに
第Ⅰ部 現代企業論の基本問題
第1章 現代企業論の基本問題
1 企業論の射程
2 企業論研究の方向性
3 現実の課題に「企業論」はどのように応えていくのか
第2章 現代企業統治論の基本問題
―利害関係者受託者責任と多元的企業統治
1 米国ビジネス・ラウンドテーブルと「株主優先主義」からの転換
2 エバン=フリーマンの利害関係者志向の多元的企業統治モデル
3 株主受託者責任と社会受託者責任
4 ドイツの多元的企業統治モデルと「企業の利益」
第3章 現代多国籍企業論の基本問題
― デジタルな世界で進むグローバルな分断と社会的な課題
1 デジタルな世界で進むグローバルな分断
2 デジタルな世界におけるファーウェイの競争優位
3 ファーウェイの5G普及が中国農村地域と新興国市場に及ぼす影響
4 デジタルな世界で進むグローバルな分断が,米中多国籍企業に
突き付ける社会的な課題
第4章 現代中小企業論の基本問題
1 日本型グローバリゼーションと地域経済・中小企業の存立問題
2 中小企業政策の転換と小規模企業振興基本法の制定
3 地域資源を生かした持続可能なローカル循環型地域経済再生の
展望
第5章 現代起業論の基本問題
1 アントレプレナーシップとは
2 なぜ,日本のアントレプレナーシップは低調であったのか
3 起業無関心者に対する創業機運醸成事業の展開
4 「小さな起業」への注目
5 世田谷の創業支援モデル
—駒澤大学現代応用経済学科ラボラトリの創業機運醸成事業
6 基礎自治体単位における起業学習の地域プラットフォーム
第6章 非営利組織研究の基本問題
1 非営利組織の増加と非営利組織研究
2 非営利組織が期待される本当の意味
3 いま非営利組織が抱える課題
4 非営利組織研究の課題
5 非営利組織研究の今後の展開に向けて必要なこと
第Ⅱ部 現代経営学の基本問題
第7章 経営学史の基本問題
―作業の科学とマネジメントの科学
1 経営学史上のテイラー
2 チャーチのテイラー批判
3 科学的管理とマネジメントの科学
4 マネジメントの科学とテイラー
第8章 科学的管理の基本問題
1 科学的管理登場以前のマネジメント
2 科学的管理の原理と手法
3 デジタル・テイラリズム
第9章 経営戦略論の基本問題
1 経営戦略概念の意味・本質
2 戦略の階層
3 事業と経営戦略
4 戦略と組織
5 戦略的発想・意思決定の難しさ
第10章 経営管理論の基本問題
1 株式会社とトップ・マネジメント
2 株主としての機関投資家の投資行動
3 機関投資家とM&A
4 機関投資家による投資行動と会社支配
第11章 ファイナンス論の基本問題
―もの言う株主とショートターミズム
1 株主価値極大化経営と自社株買い
2 わが国におけるもの言う株主の事例
3 海外におけるマルチステークホルダー経営の新たな動き
4 まとめにかえて
第12章 人的資源管理論の基本問題
1 人的資源そして人的資源管理とは
2 HRMの歴史的展開とその特徴
―人事管理(PM)との比較を中心に
―HRM台頭の背景と戦略的人的資源管理,HPWSへの発展
3 HRMを対象とした研究―HRM論
4 日本型HRMの特徴―ベースとなるヒト基準
5 HRM並びにHRM論のトレンドと諸問題
第13章 企業福祉論の基本問題
1 日本的経営と福利厚生
2 福利厚生とは
3 福利厚生から企業福祉へ
4 カフェテリアプランと企業福祉
第14章 生産管理の基本問題
1 生産活動と社会
2 分業(division of labor)とは
3 生産管理とは
4 生産管理の基本問題
第15章 企業倫理の基本問題
1 個別企業倫理の基本問題
2 事業者による団体の自主規制の基本問題
3 消費者庁を中心とした公的規制体制の基本問題
4 企業倫理と消費者(生活者)市民社会
第16章 比較経営論の基本問題
1 比較経営論とは何か
2 比較経営論の成立:米ソ2極体制のなかで
3 比較経営論の現状:グローバル化ならびに,資本主義と市場経済
の多様化のなかで
4 比較経営論の目的,方法,意義ならびに今日的課題
第17章 異文化マネジメント論の基本問題
1 「異文化」との協働
2 文化的差異の把握
3 異文化マネジメントの手法
4 これからの日本と異文化マネジメント論
第18章 「 企業と社会」論の基本問題
―CSRをめぐる論点
1 現代資本主義と広義のCSR―CSRの多様化
2 企業の社会的責任とCSR
3 CSRとCSV
―経営戦略としてのCSR:啓発された自己利益
4 CSRとSDGs―国連による行動規範の意義と限界
5 「企業と社会」論の基本問題―企業の正当性と限界
著者プロフィール
[編著者紹介]
百田義治(ひゃくた よしはる)
1949年 大阪府生まれ
1978年 同志社大学大学院商学研究科博士課程 単位取得退学
1993年 駒澤大学経済学部教授,駒澤大学大学院商学研究科教授
2016年 日本経営学会理事長
現 在 駒澤大学名誉教授,駒澤大学現代応用経済学科ラボラトリー顧問
日本大学商学部・日本大学大学院商学研究科 非常勤講師
主 著 『企業社会責任の研究』(共編著)中央経済社,2008年
『経営学を学ぼう』(編著)中央経済社,2013年
『CSRの終焉―資本主義における役割を問う―』(監訳・解説)中央経済社,
2019年