会計研究の挑戦―理論と制度における「知」の融合
- 本の紹介
- 経済社会の変化に会計研究はどう挑むべきか? 財務会計・ディスクロージャー、情報会計・制度のフロンティア、中小企業会計の3視点から会計研究の変貌過程と未来を展望。
- 担当編集者コメント
- 〇本書の目的
“経済社会のパラダイムシフトに会計研究はどう挑むべきか?”
会計行為は,企業の経済活動を会計情報として写像(測定)し,それを利害関係者(意思決定者)に提供(伝達)する行為であるとされています。したがって,企業の経済活動の基盤となる経済社会が変化すれば,会計理論と会計制度も変化を余儀なくされます。いま,激変する経済社会が,会計研究(会計理論・会計制度)にパラダイムシフトを求めているといえるでしょう。
このような認識から,本書では,会計研究の変貌過程を浮き彫りにするとともに,次世代の会計研究がその何を「継承」し,何を「変革」すべきかを論じることにより,会計研究の未来を展望することを目的としています。
〇目 次
序 章 会計理論・会計制度の継承と変革(河﨑照行)
第1部 財務会計・ディスクロージャー
第1章 会計は「終焉」か、それとも「再生」か―ガバナンス改革の進化の視点から (伊藤邦雄)
Chapter2 Ten Paradoxes in Accounting(Shizhong Huang)
(第2章 会計に関する10のパラドクス<黄世忠>)
第3章 企業業績の認識メカニズムの展開(浦崎直浩)
第4章 ドイツ会計法準拠の決算書の目的と機能(久保田秀樹)
第5章 収益認識における変動対価概念と売上戻りの会計処理(佐藤信彦)
第6章 会計基準設定活動としての地方公会計の整備(大塚成男)
第2部 情報会計・制度のフロンティア
第7章 会計目的の起源とそのモデル化(椛田龍三)
第8章 情報システムの発展と情報会計基準(浮田泉)
第9章 Non-GAAP指標の浸透,改善,そして新たな課題-情報提供機能から利害調整機能への拡張(中條祐介)
第10章 四半期開示制度の導入・廃止をめぐる論理と影響(加賀谷哲之)
第11章 次世代EDINETタクソノミの構造と課題(坂上学)
第12章 テクノロジーの進展と電子帳簿保存法の現状と課題(福浦幾巳)
第13章 ITガバナンス監査の枠組みとアプローチ(堀江正之)
第3部 中小企業会計
第14章 かくして「中小会計要領」は誕生した-日本商工会議所の決断により、確定決算主義は堅持された(飯塚真玄)
Chapter15 Accounting Rules for SMEs in Germany - General Structure and Changes over Time(Klaus Henselmann)
(第15章 ドイツ中傷企業の会計規則―一般的な体系とこれまでの改定<クラウス・ヘンゼルマン>)
第16章 ドイツ税理士による「年度決算書の作成に関する証明業務」-企業継続の想定に反する状況がある場合(坂本孝司)
第17章 中小企業会計に関する文化的視座―中小企業会計の日本版概念フレームワークへの挑戦(平賀正剛)
第18章 複雑でない事業体の監査にかかる基準開発の焦点 (町田祥弘)
第19章 中小企業会計教育における課題と展望(成川正晃)
次世代を担う研究者、学部学生・大学院生、実務家の方々に、これからの会計を考える上でぜひご一読いただきたい研究書です!