会計研究の挑戦―理論と制度における「知」の融合

河﨑 照行 編著

定価(紙 版):6,930円(税込)

発行日:2020/09/24
A5判 / 496頁
ISBN:978-4-502-35741-1

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本の紹介
経済社会の変化に会計研究はどう挑むべきか? 財務会計・ディスクロージャー、情報会計・制度のフロンティア、中小企業会計の3視点から会計研究の変貌過程と未来を展望。

著者紹介

河﨑 照行(かわさき てるゆき)
[プロフィール]
1950年 山口県に生まれる
1979年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程単位取得
1992年―1993年 米国テキサス大学客員研究員
2004年―2006年 甲南大学副学長
2006年―2013年 甲南大学会計大学院長
現  在 甲南大学名誉教授 博士(経営学)神戸大学
・税理士試験委員、公認会計士試験委員、中小企業庁「中小企業政策審議会」臨時委員、金融庁「企業会計審議会企画調整部会」臨時委員等を歴任
・中小企業会計学会会長、税務会計研究学会理事
・公益財団法人「租税資料館」理事

[主な著作]
『情報会計システム論』中央経済社、1997年
『最新 中小企業会計論』中央経済社、2016年
『電子情報開示のフロンティア』編著、中央経済社、2007年
『詳解 中小会社の会計要領』編著、中央経済社、2012年
『中小企業の会計制度―日本・欧米・アジア・オセアニアの分析』編著、中央経済社、2015年
『会計制度のパラダイムシフト―経済社会の変化が与える影響』編著、中央経済社、2019年
General Accounting Standard for SMEs in Japan,Wiley,2014(共著)
『シンプルIFRS』監訳、中央経済社、2011年 他多数

担当編集者コメント
〇本書の目的

“経済社会のパラダイムシフトに会計研究はどう挑むべきか?”

会計行為は,企業の経済活動を会計情報として写像(測定)し,それを利害関係者(意思決定者)に提供(伝達)する行為であるとされています。したがって,企業の経済活動の基盤となる経済社会が変化すれば,会計理論と会計制度も変化を余儀なくされます。いま,激変する経済社会が,会計研究(会計理論・会計制度)にパラダイムシフトを求めているといえるでしょう。
このような認識から,本書では,会計研究の変貌過程を浮き彫りにするとともに,次世代の会計研究がその何を「継承」し,何を「変革」すべきかを論じることにより,会計研究の未来を展望することを目的としています。

〇目 次
序 章 会計理論・会計制度の継承と変革(河﨑照行)

第1部 財務会計・ディスクロージャー
第1章 会計は「終焉」か、それとも「再生」か―ガバナンス改革の進化の視点から (伊藤邦雄)
Chapter2 Ten Paradoxes in Accounting(Shizhong Huang)
(第2章 会計に関する10のパラドクス<黄世忠>)
第3章 企業業績の認識メカニズムの展開(浦崎直浩)
第4章 ドイツ会計法準拠の決算書の目的と機能(久保田秀樹)
第5章 収益認識における変動対価概念と売上戻りの会計処理(佐藤信彦)
第6章 会計基準設定活動としての地方公会計の整備(大塚成男)

第2部 情報会計・制度のフロンティア
第7章 会計目的の起源とそのモデル化(椛田龍三)
第8章 情報システムの発展と情報会計基準(浮田泉)
第9章 Non-GAAP指標の浸透,改善,そして新たな課題-情報提供機能から利害調整機能への拡張(中條祐介)
第10章 四半期開示制度の導入・廃止をめぐる論理と影響(加賀谷哲之)
第11章 次世代EDINETタクソノミの構造と課題(坂上学)
第12章 テクノロジーの進展と電子帳簿保存法の現状と課題(福浦幾巳)
第13章 ITガバナンス監査の枠組みとアプローチ(堀江正之)

第3部 中小企業会計
第14章 かくして「中小会計要領」は誕生した-日本商工会議所の決断により、確定決算主義は堅持された(飯塚真玄)
Chapter15 Accounting Rules for SMEs in Germany - General Structure and Changes over Time(Klaus Henselmann)
(第15章 ドイツ中傷企業の会計規則―一般的な体系とこれまでの改定<クラウス・ヘンゼルマン>)
第16章 ドイツ税理士による「年度決算書の作成に関する証明業務」-企業継続の想定に反する状況がある場合(坂本孝司)
第17章 中小企業会計に関する文化的視座―中小企業会計の日本版概念フレームワークへの挑戦(平賀正剛)
第18章 複雑でない事業体の監査にかかる基準開発の焦点 (町田祥弘)
第19章 中小企業会計教育における課題と展望(成川正晃)

次世代を担う研究者、学部学生・大学院生、実務家の方々に、これからの会計を考える上でぜひご一読いただきたい研究書です!