管理会計の挑戦―リスク・スラック・バランス

西村 明

定価(紙 版):7,150円(税込)

発行日:2020/12/23
A5判 / 320頁
ISBN:978-4-502-36751-9

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本の紹介
企業リスクをスラック(内部留保、資金余裕)の機能との関連で、また「持続的成長と競争」「商品価値と企業価値」「企業と社会・環境」による戦略的バランスの対比で明示。

目次



管理会計の挑戦:リスク・スラック・バランス
目次

はしがき 
第1章 不確実性下の管理会計の基本問題
 1.1 はじめに
 1.2 基本的な問題
 1.3 管理と管理会計
 1.4 科学的管理と「企業家」(entrepreneur)ないし
    「実業家」(businessman) 概念
 1.5 不確実性と管理管理会計の発展
 1.6 現段階における情報,管理及び会計の新たな総合化
 1.7 結論:現代的管理と管理会計に関連して

第2章 企業統治と管理会計
    ――フィードフォワード統制の視点から
 2.1 はじめに
 2.2 会社統治の制度的資本構造的な側面
 2.3 日本における倒産と会社統治
 2.4 リスクマネジメントと事業統治
 2.5 企業統治とフィードフォワード統制
 2.6 結  語

第3章 価値基底的な管理と会計の概念的分析
    ――日本の実践を参考にして
 3.1 はじめに
 3.2 既存文献と会計認識
 3.3 価値と会計
 3.4 価値基底的管理の構造
 3.5 価値基底的管理と差異分析モデル
 3.6 結  語

第4章 不確実性下の機会及び利益
 4.1 はじめに
 4.2 経営管理における不確実性と統制可能性
 4.3 不確実性と利益に関するナイト理論
 4.4 不確実性と意思決定
 4.5 ビッグビジネスにおける逸失利益機会の事例
 4.6 機会と利益機会,利益
 4.7 結  論

第5章 利益機会,戦略イノベーション,管理会計
 5.1 はじめに
 5.2 機会と利益機会
 5.3 戦略投資と利益機会
 5.4 戦略イノベーションと原価企画
 5.5 利益機会と利益機会基底的な差異分析
 5.6 結  語

第6章 戦略的管理会計とフィードフォワード管理
――利益機会とリスクの統合管理に関連して
 6.1 はじめに
 6.2 戦略的原価管理と会計情報
 6.3 情報の役割と組織努力
 6.4 機会空間/ リスク思考と戦略的管理
 6.5 利益機会とリスクの統合管理における
   フィードフォワード管理会計
 6.6 結  語

第7章 原価企画の環境配慮型原価企画への変容
――いっそうの発展への可能性と問題
 7.1 はじめに
 7.2 原価企画とその時空的拡張
 7.3 電気機械産業及び輸送設備産業における
    日本企業の原価企画と環境配慮型製造
 7.4 環境配慮型(グリーン)調達と
    環境配慮型原価企画の将来的発展
 7.5 まとめ
 
第8章 包括的機会逸失機会統制(COLC)
    モデルと企業リスク管理
 8.1 はじめに
 8.2 会計統制システムの基本構造
 8.3 会計統制システムの発展
 8.4 原価企画の応用形態としての
    COLC モデルと利益企画
    構造と特徴
 8.5 COLC モデルとその歴史的な意味内容
 8.6 COLC モデルとリスク管理報告書
    リスク管理報告書
 8.7 リスク管理報告書と会社の会計責任
 8.8 まとめ

第9章 COLC モデルにおける
    外国為替リスクと利益改善
 9.1 はじめに
 9.2 先行研究文献
 9.3 日本製造企業における外国為替リスクの業績への影響
 9.4 COLC モデルとヘッジ会計
 9.5 外国為替リスクとデリバティブにおける
    COLC モデルの総合的な展開
 9.6 結  論

第10章 スラック概念とCOLC モデル
 10.1 はじめに
 10.2 スラック概念と企業経営
     これまでの研究成果を踏まえて
 10.3 企業スラックと企業の経営戦略:財務データ分析
 10.4 COLC モデルと企業スラックの理論的考察
 10.5 まとめ

第11章 利益企画における環境,リスク,機能
    及び原価の総合化
 11.1 はじめに
 11.2 環境配慮型管理とサプライチェーン
 11.3 グリーン工場とグリーン製品
 11.4 環境配慮型原価企画の構造と問題
 11.5 商品価値概念の拡張と利益企画
 11.6 環境,リスク及び機能との関連における
     利益企画の概念化
参考文献
索  引
 


著者プロフィール
《著者紹介》
西 村  明(にしむら あきら)
別府大学客員教授;九州大学名誉教授;経済学博士
1961年神戸商科大学商経学部卒業,1966年京都大学経済学研究科経済政策博士課程修了。大阪経済大学講師を経て,1971年九州大学経済学部助教授,教授を経て2001年3月に退職。その後九州産業大学教授を経て2006年より別府大学教授・学長2010年まで),2013年に退職。
【主な著書】
『財務公開制度の研究』(1977年)同文舘出版;『中国企業会計の構造と分析』(1989年)九州大学出版会;『会計の統制機能と管理会計』(2000年)同文舘出版;『アジアにおける企業経営・管理会計』(2006年)中央経済社;『 ベーシック原価計算』(2010年)中央経済社;『ベーシッ
ク管理会計』(2007年,新版2014年)中央経済社;『中日会計統計制度的比較:中日共同研究項目』(1992年)中国商業出版社(北京商学院張以寛教授との編著)。
Accounting in the Asia-Pacific Region, John Wiley & Sons,( as one of coeditors with RogerWillett and Nabil Baydoun),1997;management accounting: feed forward and Asianperspective, Palgrave Macmillan, 2003:Management Accounting in Asia,Thomson
Learning, (edited by me and Roger Willett), 2005:Management, Uncertainty, andAccounting: Case Studies, Theoretical Models, and Useful Strategies, Palgrave Macmillan,2019.


著者紹介

西村 明(にしむら あきら)