マーケティング機能の再構築

青嶋 稔

定価(紙 版):2,860円(税込)

発行日:2020/12/23
A5判 / 228頁
ISBN:978-4-502-36941-4

送料について
本の紹介
ポストコロナでも求められるマーケティング機能は変わらない。顧客とともに価値を創造し、顧客の自己実現を図る。リコー、日立製作所、ソニー、コマツなどの先進事例から学ぶ。

目次



マーケティング機能の再構築
目次

▶▶はじめに
序章 ポストコロナのニューノーマルに対応する
    マーケティング機能

第1 章 なぜ,いまマーケティング機能の再構築が
     必要なのか?

1 日本企業が直面しているマーケティングにおける問題
 1.マーケティング機能が販売促進活動に偏っている
 2.製品起点でのマーケティングの限界
 3.技術開発とマーケティングの分離
 4.経営陣の理解不足
 5.デジタル技術の活用におけるリソース不足
2 マーケティング機能再構築の視点
 1.デジタル化へ対応するマーケティングの再定義
 2.技術部門とマーケティングの融合
 3.顧客生涯価値を高めるマーケティング
 4.メガトレンドに基づく社会的価値実現のマーケティング
 5.ブランディング
 6.インターナルブランディング
 7.全社構造改革としてのマーケティング機能の再構築
3 マーケティング機能の再定義に向けて
 1.社会的課題解決による需要創造
 2.社内リソースの融合
 3.顧客体験(CX)の創造

第2 章 デジタル化に対応するマーケティングの再定義
1 デジタル経済における日本企業が直面する課題
 1.タッチポイントの多様化
 2.顧客の情報過多
2 デジタル化におけるマーケティングの再定義
 1.B2Cでのカスタマージャーニーのデザイン
 2.B2Bでのカスタマージャーニーのデザイン
3 先進事例
 CASE 1 サントリーホールディングス
 CASE 2 リコー
4 デジタル化におけるマーケティング機能構築に向けて
 1.マーケティングの目的の明確化
 2.自社の強みを引き立てるCXデザイン
 3.DXを推進するための社内関連部門への啓蒙

第3 章 デザイン思考による技術部門とマーケティングの
     融合

1 現在の日本企業の問題
 1.シーズ志向での研究開発の限界
 2.研究開発テーマと事業化の断絶
 3.デジタル化による市場の急速な変化
 4.技術部門と事業部門の共通言語の欠如
2 解決の方向性
 1.顧客とともに価値創造を推進
 2.市場の変化を洞察する手法の導入
 3.技術部門とマーケティング部門との共同での市場洞察
3 先進事例
 CASE 1 日立製作所
4 技術部門とマーケティング部門の融合に向けて
 1.CTOの役割の再定義
 2.技術部門へのデザイン思考の導入と人材育成
 3.部門横断での顧客との価値共創
4.経営者自らによるデザイン経営の推進
 
第4 章 顧客生涯価値を高めるマーケティング
1 顧客維持におけるマーケティングの問題
 1.製品起点による売り切り型マーケティングから抜け出せない
 2.顧客ロイヤルティの把握と改善施策が弱い
 3.ICTにより取得可能なデータが活用されていない
2 解決の方向性
 1.顧客と共創するマーケティングの展開
 2.顧客ロイヤルティの把握と向上
 3.ICT技術を活用した顧客データの解析と顧客価値創出
3 先進事例
 CASE 1ソニー
 CASE 2 ソニー損害保険株式会社
 CASE 3 コマツ
4 顧客の生涯価値を高めるために
 1.トップの強いコミットメントと一貫性のあるメッセージの発信
 2.顧客起点による現場発のチェンジマネジメント
 3.他社との連携を見据えた開発環境の整備

第5 章 メガトレンドに基づく社会的価値実現マーケティング
1 社会的価値実現に向けたマーケティングが必要となっている
  背景
 1.中期経営計画の限界
 2.自社の存在意義の不明瞭化
 3.不明瞭な事業と社会的課題の関係性
2 社会的価値実現に向けたマーケティングの方向性
 1. 長期視点でのメガトレンドの策定と自社が解決すべき
   社会的課題の明確化
 2.自社の強みの棚卸
 3.事業を通じた社会的課題解決の具体化
3 先進事例
 CASE 1味の素
 CASE 2オムロン
4 社会的価値実現のマーケティング
 1.自社にとっての腹落ち感が作れるストーリーづくり
 2.社員への浸透の仕組みと人材育成

第6 章 ブランディング
1 日本企業のブランディングにおける問題点
 1.経営層のブランディングについての認識の低さ
 2.事業活動とコーポレートブランディングのつながりの弱さ
 3.顧客の巻き込みの弱さ
2 ブランディングにおける問題点の解決の方向性
 1.提供価値実現のコミットメント
 2.事業活動を通じたブランド強化シナリオの策定
 3.価値を共創するブランディング
3 先進事例
 CASE 1 ヤンマー
 CASE 2 MAZDA
4 ブランディング強化に向けて
 1.社会的課題の解決によるブランディング 14
 2.ビジョンと製品・サービス開発への落とし込み
 3.実現のために必要となるリソースの明確化と整備
 4.ブランドを体感させるCXのデザイン
 5.ブランディングでの成功体験の共感と共鳴とストーリー化

第7 章 インターナルブランディング
1 なぜ,インターナルブランディングがいま必要か
 1.グローバル化
 2.デジタル化のインパクト
 3.求心力の向上の必要性
2 インターナルブランディングの実行の方向性
 1.明確なメッセージと一貫性のある醸成
 2.CX構築のための部門横断的活動
3 先進事例
 CASE 1 コマツ
 CASE 2ソニー
4 インターナルブランディングの強化に向けて
 1.自社の存在意義と提供価値の策定
 2.行動指針の明確化
 3.共有と共鳴

第8 章 なぜ,いまマーケティング機能の再構築か?
1 マーケティング機能の再構築に向けた問題点
 1.経営者の意識
 2.組織間の壁
 3.人材を中心としたリソースの問題
2 マーケティング機能の再構築に向けた問題点の解決の方向性
 1.経営陣でのビジネスモデル変革への合意形成
 2.求められるマーケティング機能の再定義
 3.必要となるリソースの明確化と獲得方法の検討
3 先進事例
 CASE 1 横河電機
4 マーケティング機能再構築に向けて
 1.ルール・メイキング機能の構築
 2.各要素の有機的連携の設計



著者プロフィール
【著者紹介】
青嶋 稔
株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部 シニアパートナー
大学時代,製造業に対する経営コンサルタントになることを決め,1988年精密機器メーカーに入社。在職の16年間は,大手企業向け営業,米国現地法人における営業マネジメント,営業改革,新規事業開発,M&A,PMI担当マネージャーを歴任。米国より帰国後,2005年野村総合研究所に参画。2019年4月同社初のシニアパートナーとなる。
専門は中期経営計画策定,長期ビジョン策定,M&A戦略,PMI戦略の策定と実行支援,新規事業開発。米国公認会計士。中小企業診断士。
主な著書に『海外M&Aを成功に導くPMIの進め方』(中央経済社),『強くて小さい本社』(NRI出版),『事業を創る。』(中央経済社),『ハーフエコノミーの営業改革』(NRI出版),『日本は「パッケージ型事業」でアジア市場で勝利する』(東洋経済新報社),『変革実現力』(中央経済社,共著)などがある。


著者紹介

青嶋 稔(あおしま みのる)
[プロフィール]
野村総合研究所 フェロー

1988年精密機器メーカー入社後,大手企業向け営業改革,1994年より10年の米国駐在期間中は,マーケティング,M&A,新規事業開発などのプロジェクトマネージャーを歴任。2005年にNRIに参加後は製造業コンサルティングに従事。2012年同社初のパートナー,2019年同社初のシニアパートナー,2021年4月に同社初のフェローに就任。
米国公認会計士,中小企業診断士

[主な著作]
『リカーリング・シフト』(日本経済新聞出版)、
『価値創造経営』
『マーケティング機能の再構築』
『海外M&Aを成功に導くPMIの進め方』
『事業を創る。』
『戦略実行力』(いずれも中央経済社)

担当編集者コメント
サントリーホールディングス、リコー、日立製作所、ソニー、
ソニー損害保険株式会社、コマツ、味の素、オムロン、ヤンマー、
MAZDA、横河電機などの先進事例から、いま必要とされるマーケティング機能を学ぶ。

■本書の主な構成■

序 章 ポストコロナのニューノーマルに対応するマーケティング機能
第1章 なぜ、いまマーケティング機能の再構築が必要なのか?
第2章 デジタル化に対応するマーケティングの再定義
第3章 デザイン思考による技術部門とマーケティングの融合
第4章 顧客生涯価値を高めるマーケティング
第5章 メガトレンドに基づく社会的価値実現マーケティング
第6章 ブランディング
第7章 インターナルブランディング
第8章 なぜ、いまマーケティング機能の再構築か?