より良い世界を構築するための競争―ポジティブな逸脱となる企業行動の研究
- 本の紹介
- 現代の社会が直面している社会的課題を解決するために新たな企業のあり方を模索し、社会的企業やハイブリッド型企業を取り上げて「ポジティブな逸脱」という視点から探究。
目次
より良い世界を構築するための競争
―ポジティブな逸脱となる企業行動の研究
目次
第1章 序 論
第1節 研究の目的と背景
第2節 問題提起
第3節 本書の構成
第2章 企業の社会的責任
第1節 企業の社会的責任の概念と系譜
第1項 米国におけるCSRの概念の系譜
第2項 CSRの責任の内容の範囲
第3項 日本におけるCSR
第2節 現代の企業の社会的責任の動向
第1項 CSRの広がりの背景
第2項 CSRと持続可能性
第3項 CSRのガイドライン
第3節 小 括
第3章 現代企業の目的
第1節 CSRを果たす意義
第2節 啓発された自己利益
第1項 啓発された自己利益
第2項 CEDにおける啓発された自己利益
第3項 啓発された自己利益の理論的根拠
第4項 啓発された自己利益の限界
第3節 CSRの賛否
第4節 小 括
第4章 企業倫理学
第1節 企業倫理をめぐる状況
第2節 企業倫理という概念
第1項 倫理と道徳
第2項 企業における倫理の担い手
第3項 企業倫理の定義
第3節 学問としての企業倫理学
第1項 企業倫理学の成立
第2項 企業倫理学の特徴
第4節 日本における企業倫理研究
第1項 これまでの企業倫理研究
第2項 学問としての位置づけ
第5節 小 括
第5章 行動倫理学
第1節 行動倫理学とは
第2節 「限定された倫理性」
第3節 応用倫理学アプローチとの相違
第4節 飲食サービス業におけるメニューの不正表示問題
第1項 不正表示問題の概要
第2項 道徳とは無関係な問題とする捉え方
第3項 行動倫理学の視点から
第5節 小 括
第6章 新たな企業の競争原理の要請
第1節 CSRと企業不正の並存
第2節 戦略化するCSR
第1項 BOPビジネス
第2項 Creating Shared Value(CSV)
第3節 より良い世界を構築するための競争とステークホルダー
第1項 企業とステークホルダーの関係
第2項 従業員関連動向
第3項 供給業者関連動向
第4項 消費者関連動向
第4節 株主・投資家に関わる動向
第1項 社会的に責任のある投資の動向
第2項 社会に変化をもたらす投資
第3項 責任のある投資の課題
第5節 小 括
第7章 市民社会と社会的企業
第1節 CSR・社会的企業・市民社会
第2節 第3の領域としての市民社会
第1項 市民社会論の系譜
第2項 現代における市民社会
第3節 社会的企業とは
第1項 社会的企業の増加の背景
第2項 社会的企業の概念と特徴
第3項 日本における社会的企業の動向
第4節 社会的企業と市民社会の関係性
第5節 社会的企業とCSR
第6節 第4セクターとしての社会的企業
第7節 小 括
第8章 経営学研究におけるPositive Deviance
第1節 Positive Organizational Scholarshipにおける
Positive Deviance
第1項 Positive Organizational Scholarshipの成立
第2項 Positive Devianceの定義
第3項 Positive Devianceの評価要件
第2節 ビジネスにおけるPositive Deviance
第1項 経営学におけるPositive Devianceと関連領域
第2項 Positive Devianceの事例
第3節 小 括
第9章 Positive Devianceとしてのハイブリッド型企業
第1節 ハイブリッド組織の志向
第2節 ハイブリッド型企業
第1項 ベネフィット・コーポレーション
第2項 ベネフィット・コーポレーションの法的な背景の議論
第3項 ベネフィット・コーポレーションと認証Bコーポレーション
第4項 Ben & Jerry’s Homemade, Inc.のケース
第5項 ベネフィット・コーポレーションの課題
第3節 Positive Devianceとしてのハイブリッド型企業
第4節 小 括
終 章 より良い世界を構築するための競争に向けて
参考文献
初出一覧
付 録
索 引
著者プロフィール
[著者紹介]
鈴木 由紀子(すずき ゆきこ)
日本大学商学部教授。博士(経営学)。
1995年3月 慶應義塾大学大学院 商学研究科経営学・会計学専攻博士課程 単位取得退学。
2019年3月 東北大学大学院経済学研究科博士課程後期3年の課程修了。
日本大学商学部専任講師,准教授を経て,現職。
主要著書:
「企業の社会的責任の概念の変容と拡張」(真屋尚生編著『社会保護政策論:グローバル健康福祉社会への政策提言』所収,第4章,慶應義塾大学出版会,2014年)。「米国におけるCSRの展開と課題」(日本経営倫理学会監修,小林俊治・高橋浩夫編著『グローバル企業の経営倫理・CSR』所収,第13章,白桃書房,2013年)ほか。