機関投資家のエンゲージメント―協調型コーポレートガバナンスの探究
- 本の紹介
- 機関投資家のエンゲージメントは、コーポレートガバナンスへの介入手段としてどうあるべきか。理論と実務を融合しながらエンゲージメントを考察し、企業との関係を捉え直す。
目次
序 論
第Ⅰ部 機関投資家のエンゲージメントとはなにか
第1章 機関投資家とコーポレートガバナンス
第2章 エンゲージメントの定義と理論的考察
第Ⅱ部 機関投資家のエンゲージメントに関する実態調査
第3章 対 話
第4章 議決権行使
第5章 新たなエンゲージメントの潮流
第6章 英国におけるエンゲージメントの史的展開
第Ⅲ部 スチュワードシップ理論に基づくエンゲージメント
第7章 機関投資家のエンゲージメントの在り方
第8章 スチュワードシップ理論に基づくエンゲージメント
結 論
- 担当編集者コメント
- コーポレートガバナンスや
機関投資家と企業との対話を
どう考え、取り組むかが
ますます重要になるなかで、
理論と実務を融合させた新たな視角を提示する
注目の一冊です!
ぜひご一読ください。
- 著者から
- 本書では、学際的なアプローチにより機関投資家の役割を再定義し、エンゲージメントのモデルを提示しています。
その背景にあるのは、アカデミックな理論と実務を融合させたいという願いです。現実の実態に即した理論を適用し、エンゲージメントの本質を解明することで、少しでも理論と実務の融合が実現に近づくことを目指しました。
本書の最大の特徴は、伝統的な理論の枠組みを超え、分野融合的にエンゲージメントを考察し、コーポレートガバナンスの研究に新たな示唆を導き出す点にあります。
機関投資家と企業の関係を新たに捉え直すべき大きな転換期において重要なのは、コーポレートガバナンスの議論の論拠や考え方についても適切な方向へと導き、変化させることであり、本書を出版する意義はここにあります。
本書が想定している読者は、機関投資家に限定されません。もちろん、機関投資家の方々には、エンゲージメントを行う主体としてその本質を多少なりとも感じてくだされば、筆者としては望外の喜びです。
日本企業、特に経営者、コーポレートガバナンスや従業員の年金運用に携われている方々には、自らがアセットオーナーであり、機関投資家としての責任を担っているという発見に結び付けられることが、本書の大きな役割でもあります。株主や運用機関との対話における課題解決の一助となることを願っています。
コーポレートガバナンスを巡る政策関係者の方々には、こうした機関投資家と企業の双方の視点から考察した本書が、コーポレートガバナンス改革を新たな展開へと進める上での参考になれば幸いです。
研究者の方々には、機関投資家やコーポレートガバナンスの研究の更なる発展につなげていただけることを願っています。