- 本の紹介
- 就職選抜についての膨大な学術理論を網羅的に示し、国内外の研究の最前線の成果を、企業がどのように活用すれば経営成果につながるのかを提示した経営者・人事担当者必読書。
目次
第1 章 問題意識と目的
1 就職試験の歴史と基礎理論
⑴ わが国の就職試験の歴史
⑵ 欧米におけるテスト研究の歴史
⑶ 就職試験の要件構成
⑷ 信頼性と妥当性の下位概念
⑸ 就職試験と信頼性
⑹ 就職試験と妥当性
2 わが国の就職試験の課題
⑴ 新規学卒者向けの就職試験の方法
⑵ 就職試験の共通的要件
⑶ 大学生から社会人への変容
⑷ 暗黙的仮定とその課題
⑸ 就職選抜論の定義
3 本書の目的と構成
第2 章 就職選抜の理論
1 エントリーシート
⑴ エントリーシートの理論的根拠の乏しさ
⑵ エントリーシートの構成要素
⑶ エントリーシートの存立要件
2 適性検査
⑴ 能力検査の理論
⑵ 性格検査の理論
⑶ 適性検査の存立要件
3 面接
⑴ 面接の理論
⑵ 面接の構成要素
⑶ 面接の存立要件
第3 章 実証分析のデザイン
1 リサーチクエスチョンとアクション
⑴ 3つの目的との対応関係
⑵ リサーチクエスチョン1とアクション1
⑶ リサーチクエスチョン2とアクション2
⑷ リサーチクエスチョン3とアクション3
2 リサーチデザインとデータ
⑴ リサーチデザイン
⑵ エントリーシートのデータ概要
⑶ 適性検査のデータ概要
⑷ 面接のデータ概要
第4 章 エントリーシートの実証分析
1 主観だけに頼ったエントリーシート判定の課題
⑴ 判定基準とゆらぎ
⑵ 評価への迷い
2 評価方法の検討
⑴ 文の構造の要素分解
⑵ 語の構造
⑶ 頻度と共起
⑷ 文法カテゴリ
⑸ 評価の流れ
3 結果
⑴ 頻度分析
⑵ 特徴的な語
⑶ 共起語
⑷ 因子分析
⑸ 特徴的な文法カテゴリ
⑹ 予測
4 企業実践への具体策
⑴ 高い再現性とプロアクティブ行動・予期的社会化
⑵ ステップ別チェックリスト
⑶ 無意味な「いたちごっこ」を止める
第5 章 適性検査の実証分析
1 適性検査の評価
⑴ 高い重要性と乏しい検証のちぐはぐさ
⑵ 性格検査と面接成績
⑶ 数値の実践的意味への着眼
⑷ 性格検査と人事評価
⑸ 性格検査が予測的妥当性を出すことの難しさ
2 適性検査改革
⑴ 業績がなぜ生まれるのかを就職試験時点から考える
⑵ パイロットテスト
⑶ 本番導入と縦断調査による効果測定
3 企業実践への具体策
⑴ 勘違いのルートに気付く
⑵ ステップ別チェックリスト
⑶ 対策本のない性格検査
第6 章 面接の実証分析
1 面接の重要性と分類
⑴ 就職選抜論の分類
⑵ 合意形成型面接と非合意形成型面接のメリット・デメリット
2 分析方法
⑴ データ
⑵ 方法
3 結果
⑴ 評価要素別の分布
⑵ 評価要素別の評価者間信頼性
⑶ 評価要素の独立性
⑷ MTMR行列
4 面接改革
⑴ 理論通りにいかない本番のリアリティ
⑵ 理論と実践のはざまを埋める
5 企業実践への具体策
第7 章 就職選抜論の意義
⑴ 経営層・人事担当役員
⑵ 採用実務担当者
⑶ 面接者
⑷ 研究者
⑸ 就職活動生を含む大学生・大学院生
あとがき
付記
参考文献
索引
- 担当編集者コメント
- HRアワード2022入賞!
「企業は人なり」と言われて久しい。就職試験によって選抜された人材が戦力になり,企業の未来を創っていくのだ。
しかし,自社が今行っている採用選考において,科学的な採否の意思決定ができていると確信できているだろうか。他社と横並びの戦略なき選抜方法によって,自社が採用すべき人材を不合格にしていないだろうか。他社よりも優れた人材を確実に採用し,自社の戦力を着々と整えることができているだろうか。
これらの問いに正面から答えたのが本書だ。
本書では,まず国内外の膨大な科学研究をレビューし,それらの研究の最前線で何がどこまで分かっているのかを明らかにした。さらに,学術研究成果を企業がどのように活用すれば経営成果を具現化できるのかを,複数の成功実績をもとに詳細に明らかにした。
人材を選ぶ・採るための科学的戦略の出来次第で,企業経営の勝敗が分かれはじめている今,経営層や人事部には必読の書である。