新版 財務会計の理論と実証

ウィリアム・R・スコット
パトリシア・C・オブライエン
太田 康広
椎葉 淳
西谷 順平

定価(紙 版):6,930円(税込)

発行日:2022/04/27
A5判 / 632頁
ISBN:978-4-502-42761-9

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本の紹介
本書は、カナダ公認一般会計士協会の財務会計理論コースで定評のあるテキストである。最近の学術的な会計研究のレビューが追加され、会計理論の世界標準が身につく。

著者紹介

ウィリアム・R・スコット(うぃりあむあーるすこっと)
[プロフィール]
カールトン大学で商学士を,シカゴ大学ビジネス・スクールでMBAとPh.D.を取掲した。オンタリオ州勅許職業会計士協会のフェローである。彼の研究は,Journoal of Accounting Research, Contemporary Accounting Research, Journal of Business Finance & Accountingなどの学術雑誌に掲載されている。彼は,Journal of Accounting Research, Contemporary Accounting Researchおよび The Accounting Reviewの編集委員を務めたことがあり,Contemporary Accounting Researchの編集長を1期務めた。1988年にカナダ学術会計学会(CAAA)の会計思想への特別貢献賞を受賞し,2005年には,カナダの会計教育への顕著な貢献を表彰するCAAAのLSローゼン賞を受賞している。カールトン大学,シカゴ大学,クイーンズ大学キングストン校,ブリティッシュ・コロンビア大学,ウォータールー大学の教職を経て,現在はウォータールー大学特別名誉教授である。

パトリシア・C・オブライエン(ぱとりしあしーおぶらいえん)
[プロフィール]
ウォータールー大学名誉教授。

彼女の研究は,証券アナリスト,財務報告基準,資本市場における情報に関するもので,多くの一流の会計ジャーナルに掲載されている。2009年,オブライエン教授は,会計思想への特別な貢献を表彰するCAAAハイム・フォーク賞を受賞した。現在,カナダの会計基準審議会の学術諮問委員会の委員を務めている。彼女は,Contemporary Accounting Research(CAR)の主任編集長を務め,CAR, Journal of Accounting Research, The Accounting Review, Journal of Accounting and Public Policyの編集委員を務めた。コーネル大学で数学の学士号を優秀な成績で取得し,シカゴ大学でMBAとPh.D.を取得した。ウォータールー大学に着任する前は,ロチェスター大学,マサチューセッツ工科大学,ミシガン大学,ロンドン・ビジネス・スクール,ヨーク大学の教員を歴任した。彼女は,ヘルシンキ,スクール・オブ・エコノミクス,シカゴ大学,スタンフォード大学,アムステルダム大学,オンタリオ州証券委員会のチーフ・エコノミストのオフィスで客員の地位にあった。

太田 康広(おおた やすひろ)
[プロフィール]
1968年生まれ
1992年 慶應義塾大学経済学部卒業
1994年 東京大学より修士(経済学)取得
1997年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
2002年 ニューヨーク州立大学バッファロー校スクール・オブ・マネジメント博士課程修了
2003年 ニューヨーク州立大学よりPh.D.(Management) 取得
現 在 慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授

[主な著作]
『財務会計の理論と実証』翻訳、中央経済社、2008年(新版、2022年)
『分析的会計研究―企業会計のモデル分析』編著、中央経済社、2010年
『ビジネス・アカウンティング(第3版)』共著、中央経済社、2016年
『ビジネススクールで教える経営分析 (日経文庫)』日本経済新聞出版社、2018年
『人事評価の会計学―キャリア・コンサーンと相対的業績評価』中央経済社、2021年

椎葉 淳(しいば あつし)
[プロフィール]
大阪大学大学院経済学研究科教授。

会計ディスクロージャー,経営者報酬についての彼の論文はJournal of Business Finance & Accounting, Journal of Accounting, Auditing & Financeなどに掲載されている。現在,Accounting Letters, The Japanese Accounting Reviewの副編集長,『会計プログレス』,『現代ディスクロージャー研究』の編集委員を務めている。大阪大学より学士(経済学),修士(経済学),博士(経済学)を取得した。大阪大学に着任する前は,追手門学院大学の教員であった。
大阪大学 数理・データ科学教育研究センターの兼任教員,関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構,同志社大学 技術・企業・国際競争力研究センター研究員。日本管理会計学会副会長,日本経済会計学会理事。

西谷 順平(にしたに じゅんぺい)
[プロフィール]
立命館大学経営学部教授。

財務会計論についての彼の論文は『會計』,『企業会計』などに掲載されているほか『保守主義のジレンマ』中央経済社,2015年としてまとめられ刊行されている。東京大学より学士(経済学)と修士(経済学),立命館大学より博士(経済学)を取得した。立命館大学に着任する前は,青森公立大学の教員であった。
防衛調達委員会委員,防衛装備庁経費率研究会委員,契約制度委員会委員株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールデイングス社外取締役,複数の地方自治体において上下水道事業審議会委員を歴任。

担当編集者コメント
本書は世界中で読まれている財務会計のテキスト『Financial Accounting Theory』の第8版の翻訳書です。
旧版の『財務会計の理論と実証』(原著は第4版)は2008年の刊行だったので、14年ぶりに翻訳して出版されました。

原著は第4版から第8版まで版を重ねているので、内容にも大きな変化がありました。「訳者あとがき」から引用します。
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第4版の訳から変わった点は多数ある。カナダ会計基準がIFRSに置き換わり、アメリカのSFASがASCに置き換わり、金融危機(リーマン・ショック)の説明が加わるなど、財務会計を取り巻く環境変化を反映して記述が大幅に変わっている。もちろん、主に2010年代の会計研究の成果が反映されている。追加された記述も多く、かなりのページ数増である。
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原著の執筆者にもオブライエン教授が加わり、現行価値会計を重視する現代的な論調に書き換えられています。

帯にも記した通り、本書は「グローバル・スタンダードな財務会計のテキスト」です。
世界の会計学者が共有する知識を、一緒に学んでみませんか?

【主な目次】
第1章 はじめに
第2章 理想的状況の会計
第3章 財務会計に対する意思決定有用性アプローチ
第4章 効率的証券市場
第5章 会計情報の価値関連性
第6章 意思決定有用性に対する価値評価アプローチ
第7章 効率的契約理論と会計
第8章 コンフリクトの分析
第9章 経営者報酬
第10章 利益マネジメント
第11章 基準設定の経済学
第12章 基準設定の政治学