イノベーション・エコシステムの誕生―日本における発見と政策課題

永田 晃也 編著

定価(紙 版):3,520円(税込)

発行日:2022/09/01
A5判 / 208頁
ISBN:978-4-502-43671-0

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本の紹介
イノベーション・エコシステムに独自の概念定義を与え、類型と構成要件を析出。その成長状態を捕捉するフレームワークから、多様性の内部化が優位性の源泉となることを解明。

目次

第1章 序論
1.1 本研究の背景
1.2 本研究の目的と方法
1.3 本書の構成

第2章 イノベーション・プロセスをシステムとして捉える視座の変遷
2.1 イノベーションの定義と本研究の対象範囲
2.2 ナショナル・イノベーション・システム
2.3 システムの概念と政策への影響
2.4 中範囲概念の展開
2.5 地域イノベーション・システム
2.6 システムとしての「クラスター」
2.7 日本における「クラスター」政策の展開
2.8 システム論的アプローチの意義

第3章 イノベーション・エコシステムの概念
3.1 生態系概念の導入-ビジネス・エコシステム
3.2 イノベーション・エコシステム論の展開
3.3 イノベーション・エコシステムの再定義

第4章 イノベーション・エコシステムの実在:シリコンバレー再訪
4.1 シリコンバレーの現況
4.2 シリコンバレーの形成過程
4.3 イノベーション・エコシステムとしてのシリコンバレーの特質
4.4 ケンブリッジ地域との比較

第5章 日本におけるイノベーション・エコシステムの萌芽
5.1 ケース・スタディの概要
5.2 富山大学の人材育成事業による第二創業支援
5.3 鶴岡市と慶應義塾大学によるバイオクラスターの形成
5.4 福岡市におけるスタートアップ集積拠点の形成
5.5 新潟市における航空機関連産業の集積

第6章 イノベーション・エコシステムの類型と構成要件
6.1 各事例の要約
6.2 イノベーション・エコシステムの類型
6.3 イノベーション・エコシステムの構成要件

第7章 イノベーション・エコシステム構築への挑戦
7.1 COI拠点のケース・スタディ
7.2 COIプログラムについて
7.3 弘前大学COI「真の社会イノベーションを実現する『健やか力』創造拠点」
7.4 名古屋大学COI「人がつながる“移動”イノベーション拠点」

第8章 イノベーション・エコシステムの構築をめぐる事業評価に向けて
8.1 ここまでの経路
8.2 COI拠点の構造分析
8.3 評価項目の検討
8.4 結言に代えて:評価プロセスでの留意点

付記:共創の場の形成に向けて

著者紹介

永田 晃也(ながた あきや)
[プロフィール]
1959年生まれ。1986年,早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。
財団法人未来工学研究所研究員,科学技術庁科学技術政策研究所主任研究官,北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授を経て2004年,九州大学大学院経済学研究院准教授,2010年より同教授。この間,文部科学者科学技術政策研究所総括主任研究官(2008年度~2009年度)。2012年度より九州大学科学技術イノベーション政策教育研究センター・センター長

[主な著作]
『日本型イノベーション・システム』(共編著,白桃書房,1995年)
『ナレッジサイエンス』(共編著,紀伊国屋書店,2002年)
『知識国家論序説』(共編著,東洋経済新報社,2003年)
『価値創造システムとしての企業』(編著,学文館,2003年)
『知的財産マネジメント』(編著,中央経済社,2004年)
『知的財産と技術経営』(共編著,丸善,2005年)