日本の会計基準/Ⅱ 激動の時代

大日方 隆

定価(紙 版):7,700円(税込)

発行日:2023/03/07
A5判 / 520頁
ISBN:978-4-502-43921-6

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本の紹介
1980年代半ば以降のディスクロージャーの充実策から会計ビッグバンまでを対象に、外圧や政治からの影響、基準決定主体の思惑を分析して、会計基準の生成を解明する。

目次

Ⅱ 激動の時代

6  黄金時代の陰影
 1  この章の目的
 2  疑念が残る実務指針(1)
 3  疑念が残る実務指針(2)
 4  疑念が残る実務指針(3)
 5  規制当局の恣意的な運用(1)
 6  規制当局の恣意的な運用(2)
 7  規制当局のオーバールール ―有価証券の処理
 8  銀行が保有する国債の評価方法の変更
 9  棚卸資産の低価法

7  開示情報拡充の時代
 1  この章の目的
 2  物価変動財務情報の開示
 3  ディスクロージャーの拡充
 4  セグメント情報の開示をめぐる問題
 5  セグメント情報の開示基準
 6  資金収支表
 7  日米構造協議の波紋
 8  リース会計基準の後回し
 9  リース会計
 10 オペレーティング・リースのオンバランス
 11 リース問題のインパクト

8 COFRIの時代 ~不良債権問題
 1  この章の目的
 2  金融商品の会計問題
 3  先物・オプションの会計基準
 4  COFRIの活動
 5  時価評価導入のタイミング
 6  不良債権の切り離し
 7  特別目的会社
 8  不良債権の償却
 9  銀行規制と開示規制

9  会計ビッグバン
 1  この章の目的
 2  連結ディスクロージャー改革
 3  会計ビッグバンの核心
 4  持株会社の解禁
 5  会計ビッグバンの深層
 6  橋本内閣と会計ビッグバン
 7  土地再評価法
 8  トライアングル体制の終焉
 9  企業会計審議会からASBJへ

10 会計ビッグバンの会計基準
 1  この章の目的
 2  個別財務諸表への税効果会計の導入
 3  税効果会計の変転
 4  金融商品の会計基準のインパクト
 5  金融商品の時価評価と償却原価法
 6  受取配当の処理
 7  固定資産の減損処理
 8  減損会計基準の凍結・延期騒動
 9  企業結合の会計処理

補章 2  歴史に現れた三角関係
 1  「トライアングル体制」論の限界
 2  国会論戦に現れた三角関係
 3  大蔵省の内部に現れた三角関係
 4  会計規制の現場に現れた三角関係

著者紹介

大日方 隆(おびなた たかし)
[プロフィール]
1990年 東京大学大学院経済学研究科単位取得退学
1990年 横浜国立大学経営学部講師
1991年 横浜国立大学経営学部助教授
1994年 東京大学より博士(経済学)の学位を取得
1998年 東京大学大学院経済学研究科助教授
2008年 東京大学大学院経済学研究科教授となり,現在に至る。

[主な著作]
『企業会計の資本と利益―名目資本維持と実現概念の研究―』(森山書店,1994年,日本公認会計士協会学術賞受賞)
『アドバンスト財務会計』(中央経済社,2013年)
『利益率の持続性と平均回帰』(中央経済社,2013年,日経・経済図書文化賞受賞,日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞)
『日本の会計基準Ⅰ』
『日本の会計基準Ⅱ』
『日本の会計基準Ⅲ』(中央経済社,2023年)