- 本の紹介
- 文書や供述等を踏まえた事実認定は職人芸ともいわれる。税務調査や争訟に耐え得る事実や証拠の考え方・それらの認定・評価技法、実務への当てはめ方をやさしく実践的に解説。
目次
はじめに
第1章 法的三段論法とは?
第1節 理論編
1.裁決書の構成
2.法的三段論法とは
3.具体例
第2節 事例編
法人の取締役が,外注先に対して架空の請求書を発行するよう
依頼した行為は,法人による行為と同視できるとした事例
〈令和元年6月20日裁決(審判所HP)〉
1.関係法令
2.法令解釈
3.認定事実
4.当てはめ
第2章 事実認定の構造
第1節 理論編
第2節 事例編
貸金請求事件
1.関係法令
2.事実認定の構造
深読み! 消費貸借契約の事実認定
第3章 書証による事実認定
~その文書に証拠力はあるのか?
第1節 理論編
1.書 証
2.処分証書と報告文書
3.押印のある私文書の扱い
4.書証の実質的証拠力の判断
5.書証と人証
第2節 事例編
家族経営の中小企業において,株主総会議事録が存在しないこ
とは,株主総会決議の不存在を意味するものであるかが争われた事例
〈東京地判平成27年2月26日(TAINS/Z265-12613)〉
1.問題の所在
2.機関決定の存否
3.議事録の不存在
4.結 論
第4章 人証の証拠評価~供述はウソか,本当か?
第1節 理論編
1.人 証
2.供述の信用性判断
&emsp深読み! 供述内容の信用性を比較する
第2節 事例編
売上金額を脱漏する目的で,取引先に依頼し,決済方法を変更
した事実があったとは認められないとされた事例
〈平成31年2月7日裁決(審判所HP)〉
1.担当者Kの供述の信用性
2.F社J代表の供述の信用性
3.結 論
第5章 間接事実による事実認定
~決め手がなければ積み上げる
第1節 理論編
1.通謀虚偽表示(民法94条)
2.租税回避行為を仮装行為とみる方法
3.通謀虚偽表示に係る事実認定
第2節 事例編
売買契約は,租税特別措置法65条の2の特別控除の適用を受け
る目的で行われた通謀虚偽表示であって,無効であるとされた事例
〈名古屋高判平成19年7月26日(TAINS/Z257-10757)〉
1.X社による本件土地Aの取得
2.仮装の動機(1)
3.仮装の動機(2)
4.結 論
5.当事者の法律関係(参考)
第6章 税務調査等における事実認定と証拠
第1節 理論編
1.争訟に耐え得る証拠収集
2.供述の証拠化
第2節 事例編
同族会社の外注費の計上は,仮装によるものとして損金算入を
認めなかった事例
〈平成8年3月11日裁決(審判所HP)〉
1.全体像
2.F社に対する外注費
3.G社に対する外注費
4.H社に対する車両賃借料
5.結 論
第7章 私法と税法との関係
第1節 理論編
1.原 則
深読み! 契約の解釈の必要性
2.例 外
深読み! 実質主義と外観論
第 2節 事例編
交換・寄託の混合契約に基づく交換取引による金地金の移転は,
所得税法33条1項に規定する「資産の譲渡」に該当するか否か
〈名古屋高判平成29年12月14日(TAINS/Z267-13099)〉
1.関係法令
2.寄 託
3.契約解釈
4.租税法の適用
5.結 論
深読み! 本判決に対する評価 ─懐疑的な立場と肯定的な立場─
第8章 主張立証責任
~主張立証しないと負けるのは納税者? 課税庁?
第1節 総 論
1.民事訴訟
2.税務訴訟
深読み! 国税不服審判所(審査請求)と裁判制度の違い
第2節 各 論
1.必要経費
2.損 金
3.租税特別措置法
4.所得控除
5.加算税の賦課要件・免除要件
6.その他
第9章 税目別 事実認定の実際
序 本章の概観
1.国税通則法:納税者は「更正を予知」していたか?
2.所得税法:所得区分をめぐる事実認定の深度
3.相続税法:米国の合有不動産を「取得」した時期 123
4.法人税法:寄附金認定されない債権放棄についての「相当な理由」
5.消費税法:仕入税額控除をするための帳簿等の「保存」
第1節 国税通則法:納税者は「更正を予知」していたか?
東京地判平成24年9月25日(TAINS/Z262-12046)
1.関係法令(当時)
2.法令解釈
3.認定事実
4.当てはめ
5.検 討
6.課税庁の視点
深読み! 税務調査についての経験則に基づく判断
第2節 所得税法:所得区分をめぐる事実認定の深度
東京地判平成25年4月26日(TAINS/Z263-12210)
1.関係法令
2.法令解釈
3.認定事実
4.当てはめ
5.検 討 16
深読み! 労働事件における事実認定
6.課税庁の視点
深読み! 本判決の意義
第3節 相続税法:米国の合有不動産を「取得」した時期
東京高判平成19年10月10日(TAINS/Z257-10797)
1.関係法令(当時)
2.法令解釈
3.カリフォルニア州法
4.判 断
5.検 討
6.課税庁の視点
深読み! 通達や実務との整合性
第4節 法人税法:寄附金認定されない債権放棄についての「相当な理由」
東京地判平成27年2月24日(TAINS/Z265-12606)
1.関係法令等
2.法令解釈
3.認定事実・当てはめ
4.検 討
5.課税庁の視点
第5節 消費税法:仕入税額控除をするための帳簿等の「保存」
東京高判令和2年8月26日(TAINS/Z270-13441)
1.関係法令(当時)
2.法令解釈
3.認定事実
4.当てはめ
5.検 討
6.課税庁の視点