中小企業金融政策の理念―金融円滑化法終了の先に希望は見えるか

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林 憲昭

定価(紙 版):2,640円(税込)

発行日:2012/11/09
A5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-46360-0

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本の紹介
2013年3月に金融円滑化法が終了し、多くの中小企業は窮地に立たされる。本書では、この返済猶予の特例措置を題材に、中小企業金融政策や金融機関のあるべき姿を論じる。

目次


中小企業金融政策の理念
—金融円滑化法終了の先に希望は見えるか
目次

 はじめに

第1章 返済猶予の特例措置は継続すべきであるか
  返済猶予について朝日新聞などが書いたこと
  ⑴ 朝日新聞の社説「返済猶予 亀井大臣に再考を求める」
   ① 返済猶予についての朝日新聞社説の反応
      ―朝日新聞社説は,返済猶予を元金だけでなく,
       利息も払わないことだと考えた―
   ② 銀行取引にとっての利息を支払うことの意味
  ⑵ 日本経済新聞の調査結果
     ―「返済猶予」を申し込む企業の状態―
  ⑶ 「返済猶予」の措置で,倒産会社は増えるだろうか
    ―「返済猶予後」の倒産は増加し,銀行は大変なこととなるか―
  中小企業と銀行取引,事実と経過
  ⑴ 第二次世界大戦後の第一世代の時代,
     なぜ銀行取引が大事だったか
  ⑵ バブルがはじけて,始まった第二世代の時代の混乱
  平成の金融危機と金融庁
  ⑴ 平成の金融危機と「金融再生トータルプラン」
  ⑵ 「金融検査マニュアル」による信用格付,債務者区分
   ① 債務者区分とは
   ② 債権分類
  「返済猶予」の位置付け
  ⑴ 返済猶予は2013年春で打切り?
     ―なぜ打切りとしなければならないのか―
   ① 問題は,「貸出条件緩和債権」=「要管理先」としたこと
   ② 返済を猶予することは,本当に大変なことか,
      大きな問題なのだろうか
   ③ 「中小の再生支援急ぐ 不良債権化の恐れ 地銀に26兆円」
      と報じた日本経済新聞
  ⑵ 事態がより悪化したとき,銀行の側にどのような問題が
     出てくるのだろうか
  ⑶ 補  足 58
   ① 「返済猶予」の状態とキャッシュ・フロー計算書
   ② 返済を猶予された元金は,最終的にどうなるか

第2章 さまざまな見解の基礎にある時代の風潮
     ―中小企業の見方,また,時価,貸借対照表を
      重視する会計―

  その背景にあること,時代の風潮となっていたこと
  ⑴ 中小企業政策の前提,中小企業をどうみるか
   ① ゾンビ企業ということ
   ② 中小企業は,大企業に比べ,効率は悪いのであろうか
  ⑵ BIS規制と格付
   背景にある会計学の潮流
    ―時価主義,貸借対照表重視と損益計算書軽視―
  ⑴ ある銀行の審査部長の見方
  ⑵ 再び貸借対照表重視ということの意味
  ⑶ 損益計算書は企業活動を示していないか
  ⑷ 損益計算書とキャッシュ・フローの関係

第3章 企業を生かす,企業の再生
  企業再生
  ⑴ 業況がさらに悪くなったときに,用意されていること
  ⑵ 「私的整理ガイドライン」の中味
  企業再生の経済政策
  ⑴ 中小企業政策としての企業再生の位置付け
  ⑵ 企業再生の現状での問題点
  銀行の役割,銀行のあるべき姿
  ⑴ その技能の活用
  ⑵ 審査能力という問題
  ⑶ この方向は正しいのだろうか
  ⑷ コストの問題
  ⑸ 補足―スコアリングについて―
  ⑹ 近畿大阪銀行の例
  あるべき中小企業政策としての金融政策
  ⑴ 国,県・市町村での政策の整合性と役割分担 
  ⑵ 保証協会保証という仕組みの問題
  ⑶ 制度の中味の問題
  ⑷ 中途半端な政策,思い切りの悪さを示す,その事例
   ① 第三者の保証人は求めない。しかし,その分金利は高くする
   ② 資本性劣後ローンの条件

 おわりに

 付録A 運転資金について
 付録B 売上が減少するとき,運転資金は少なくて済むか
 付録C キーワード解説


著者プロフィール 林 憲昭(はやし としあき)
中小企業診断士,J-MCMC(全日本能率連盟マスター・マネジメント・コンサルタント),有限会社林コンサルタント代表。横浜国立大学経済学部卒業,同大学院経営研究科修士課程修了。
中小企業金融公庫,コンサルタント会社を経て独立。
産業能率大学講師(非常勤1996年〜2006年)。

著書:
『税理士と社長のための経営数字にもっと強くなる本』(中央経済社),
『やさしくわかる経営分析』
『経営分析の視点からみる連結決算書の読み方・使い方』(日本実業出版社)他。






















著者紹介

林 憲昭(はやし としあき)