体系現代会計学第12巻日本企業の管理会計システム

  • 電子版あり

廣本 敏郎 責任編集
加登 豊 責任編集
岡野 浩 責任編集

定価(紙 版):3,740円(税込)
価格(電子版):3,740円(税込)

発行日:2012/11/16
A5判 / 368頁
ISBN:978-4-502-46600-7

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【bookend版は、特に断り書きのない限り、固定レイアウト型です。】本書を読むためには、専用の電子書籍リーダー「bookend」アプリを入手する必要があります。下記サイトよりご利用の環境に合わせて各OS 対応のbookend をダウンロードしてください。
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本の紹介
日本企業が、その地位を獲得するために実践してきた「日本のものづくり」や「日本的経営」を支援してきた管理会計システム。その歴史、各要素、研究方法論を論じている。

目次

第Ⅰ部 日本的管理会計の特徴と進化

第1章 日本的管理会計の特徴
第1節 日本的管理会計論の登場
第2節 日本的管理会計とは何か
第3節 日本的管理会計の背後にある日本的経営
第4節 日本的経営システムの特徴
第5節 結語

第2章 日本的管理会計の制度化プロセス
第1節 はじめに
第2節 日本的管理会計史の分析視角:連続性と非連続性
第3節 日本的管理会計の形成:いくつかの断層面から
第4節 日本的経営システムの源流:四つの特質とアーキタイプス
第5節 原価企画の制度的特質
第6節 おわりに

第Ⅱ部 日本的管理会計システムの要素

第3章 原価企画
第1節 原価企画の生成・発展
第2節 原価企画の定義
第3節 原価企画システムの要素
第4節 原価企画の発展レベル
第5節 原価企画の逆機能
第6節 原価企画の成果などへの影響
第7節 原価企画の先進的事例:トヨタ自動車
第8節 原価企画研究:実務のさらなる発展に向けて

第4章 原価改善―原価企画・原価維持との相互浸透と「企画原価」の創出
第1節 はじめに
第2節 実践ベースアプローチの理論的背景と特質
第3節 原価改善・原価維持の制度化プロセス
第4節 企画原価の生成:原価企画と原価維持・原価改善との関連性
第5節 原価企画・原価維持・原価改善の制度化:実践に埋め込まれた理論
第6節 おわりに

第5章 ミニ・プロフィットセンター
第1節 ミニ・プロフィットセンターの計算構造
第2節 ミニ・プロフィットセンターによるエンパワメント

第6章 わが国における欧米発管理会計システムの受容・変容・進化
第1節 BSC研究の書誌学的調査
第2節 書誌学的分析結果の比較分析
第3節 将来の研究蓄積にむけて

第Ⅲ部 日本的管理会計システムの更なる解明

第7章 よりよい研究の基盤構築
第1節 はじめに
第2節 研究者のキャリア段階別の留意点
第3節 結びにかえて

第8章 研究方法論
第1節 歴史的方法〔管理会計研究における制度学派と進化論的アプローチ〕
第2節 定性的方法
第3節 統計的方法
第4節 数理的方法

著者紹介

廣本 敏郎(ひろもと としろう)
[プロフィール]
昭和51年 一橋大学商学部卒業,56年 同大学大学院商学研究科博士課程単位修得,56年 一橋大学専任講師(商学部),その後助教授を経て,平成5年 一橋大学教授,27年 一橋大学名誉教授。一橋大学博士(商学)。

[主な著作]
『原価計算論〔第3版〕』(共著,中央経済社)
『米国管理会計論発達史』(森山書店)
『新版工業薄記の基礎』(税務経理協会)
『管理会計〔第2版〕』(共著,中央経済社)
『ガイダンス企業会計入門〔第4版〕』(共編著,白桃書房)
『日本の管理会計研究』(共著,中央経済社)

加登 豊(かと ゆたか)
[プロフィール]
1953年生まれ
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了
同志社大学大学院ビジネス研究科教授・神戸大学名誉教授 博士(経営学)

[主な著作]
『管理会計研究の系譜』(税務経理協会,1989年)
『原価企画―戦略的コストマネジメント』(日本経済新聞社,1993年)
『インサイト管理会計』(編著,中央経済社,2008年)
『管理会計研究のフロンティア』(共編著,中央経済社,2010年)
『原価計算の知識(第2版)』(共著,日本経済新聞出版社,2012年)
『日本企業の管理会計システム』(共編著,中央経済社,2012年)

岡野 浩(おかの ひろし)
[プロフィール]
1956年生まれ
大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程単位取得退学
大阪市立大学都市研究プラザ教授・副所長 同経営学研究科併任教授 博士(経営学)

[主な著作]
“A History of Japanese Management Accounting,” in Chapman, C., A. Hopwood & M.Shields (eds.), Handbook of Management Accounting Research, Oxford: Elsevior. (共著,2007年)
“Cultural Urban Branding and Creative Cities: A Theoretical Framework for Promoting Creativity in the Public Spaces,” Cities, Vol.27, Supplement 1.(2010年)

『日本的管理会計の展開―「原価企画」への歴史的視座』(中央経済社,初版1995年,第2版2002年)
『グローバル戦略会計―製品開発コストマネジメントの国際比較』(有斐閣,2003年)
Creating Cities: Culture, Space and Sustainability, Osaka City University G-COE Document Series No.11.(共編著,2012年)
『日本企業の管理会計システム』(共編著,中央経済社,2012年)他

担当編集者コメント
 日本には、その優れたモノづくりを支えてきたユニークな管理会計システムがあります。この研究が進み、日本の製造業が再び活力を取り戻すことを願っています。
著者から
 本書は、次の3部構成となっている。
第I部 日本的管理会計の特徴と進化
第II部 日本的管理会計システムの要素
第III部 日本的管理会計システムの更なる解明
 特に第III部は、本書の大きな特徴である。日本の若い世代の研究者に、日本企業の管理会計システムを更に研究し、世界に発信してもらいたいという、本書の3人の責任編集者および『体系現代会計学』(全12巻)の管理会計3巻の総編集者(谷武幸)の強い期待が背景にある。
 日本的管理会計の研究は、現在沈滞化してしまったように見える。日本企業の管理会計はもっと世界に発信されるべき優れたシステムであること、そして、研究はまだまだ不十分であるということを、編者は信じている。