知財・無形資産ガバナンス入門

菊地 修 編著
山口 裕司 編著

定価(紙 版):5,720円(税込)

発行日:2024/06/18
A5判 / 460頁
ISBN:978-4-502-50671-0

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本の紹介
知財ガバナンス研究会の専門家・実務家約60名の知見を結集。サステナビリティ経営に不可欠な知財・無形資産の活用、ガバナンス体制構築、情報開示や投資家との対話の実践を学ぶ。

目次

序章 知財で日本を元気に

第1章 サステナビリティ経営を実現する知財・無形資産ガバナンス
1.1 知財・無形資産ガバナンスガイドラインに至る経緯とその概要
1.2 財務指標についての解説と知財・無形資産との関係
1.3 企業の知財・無形資産ガバナンスに対する投資家の期待
1.4 経営における知的財産を活用した戦略構築の重要性

第2章 知財・無形資産ガバナンス実践に向けた社内体制の構築
2.1 上場会社の機関設計とその取締役,執行役員等の果たす役割
2.2 取締役会における知財・無形資産ガバナンスの審議と監督の進め方
2.3 知財ガバナンス体制構築のあり方と進め方
2.4 知財・無形資産ガバナンス体制の考え方と新たな取組事例

第3章 知財・無形資産の投資・活用戦略の実践方法
3.1 企業における知財・無形資産の投資・活用戦略の考え方と実践例
3.2 価値創造プロセスでの「企図する因果パス」の活用
3.3 KDDIにおける知財・無形資産の投資・活用戦略の実践方法
3.4 ナブテスコにおける知財・無形資産の投資・活用戦略の実践方法
3.5 モンサントにおける知財・無形資産の投資・活用戦略の実践方法
3.6 IBMにおける知財・無形資産の投資・活用戦略の実践方法

第4章 企業における知財・無形資産ガバナンスの情報開示の考え方と投資家の評価視点
4.1 知財・無形資産ガバナンスガイドラインに基づく情報開示のあり方
4.2 知財・無形資産ガバナンスの情報開示についての知財ガバナンス研究会分析結果
4.3 知財・無形資産ガバナンスの情報開示の事例紹介
4.4 知財・無形資産ガバナンスの情報開示における指標(KPI)活用上の留意事項
4.5 投資家による企業の知財・無形資産ガバナンスに対する実効性評価と対話の考え方

第5章 投資家の開示情報に対する評価・投資判断と企業との対話・エンゲージメント
5.1 非財務要素に着目した投資の拡大
5.2 非財務要素としての「知財・無形資産」
5.3 知的財産に関する対話・エンゲージメントの重要性
5.4 知的財産戦略の評価指標(KPI,ビジネスモデル)
5.5 議決権行使の考え方

第6章 知財・無形資産のスコープの概要とその投資・活用戦略
6.1 知財・無形資産ミックス戦略の重要性
6.2 技術
6.3 ノウハウ
6.4 ブランド
6.5 デザイン
6.6 コンテンツ
6.7 ソフトウェア(コンピュータプログラム)
6.8 データ
6.9 顧客ネットワーク
6.10 サプライチェーンとバリューチェーン
6.11 信頼・レピュテーション

著者紹介

菊地 修(きくち おさむ)
[プロフィール]
知財・無形資産ガバナンスアソシエーション 代表理事,知財・無形資産 経営者フォーラム 事務局長,知財ガバナンス研究会 代表幹事,戦略法務・ガバナンス研究会 共同代表幹事,内閣府・経済産業省知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会委員

株式会社東芝で産業機器,コンピュータ・システムなどの知的財産部長を歴任後,知的財産部知的財産権法部長に就任し東芝グループの知財法務を総括。次世代携帯電話(スマートフォン)のプラットフォーム構築を目指して株式会社ACCESSに転職し知財とIT/DX戦略を統括。スマートフォンによる近距離通信事業を起業後,ナブテスコ株式会社に参加し,理事R&Dセンター長兼知的財産部長に就任し,IPランドスケープを駆使した知財経営戦略と研究開発・事業創造を指導。コーポレートガバナンス・コードに知的財産投資に対する情報開示と取締役会での監督を盛り込むために尽力し,現在,知財ガバナンスを日本企業に浸透させ,「知財で日本を元気に」する活動を推進中。

[主な著作]
『今後の企業経営は,知財・無形資産戦略で決まる』証券アナリストジャーナル2023年10月号
『ガイドラインに基づく「知財・無形資産ガバナンス」の実践方法』ビジネス法務2022年5月号
『知財・無形資産ガバナンスでの企業価値向上に向けたIPランドスケープの活用:知財ガバナンス研究会の活動やNTTコミュニケーションズの事例紹介』IPジャーナル22号23~30頁(共著,2022)
『ナブテスコの知的財産経営戦略におけるIPランドスケープの実践』情報の科学と技術69巻(2019)
『知財やアイデアの力でひとりでも多くの人が幸せになれる世界を描きたい』https://mkt.ub-speeda.com/rs/550-EMV-558/images/20210120_Kikuchi_WP_SPEEDAH2H.pdf

山口 裕司(やまぐち ゆうじ)
[プロフィール]
大野総合法律事務所 弁護士

1994年 一橋大学法学部卒業。 1997年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了,株式会社東芝知的財産部勤務。 2001年 弁護士登録,西村総合法律事務所(現西村あさひ法律事務所)勤務。 2004年 外務省国際法局経済条約課課長補佐。 2006年 ユアサハラ法律事務所勤務。 2006年 コーネル大学ロースクール修士課程修了。 2015年 三井物産株式会社法務部出向。 2016年 大野総合法律事務所勤務。 2024年 日本知的財産仲裁センター本部運営委員長。

[主な著作]
『第2版 デジタル証拠の法律実務Q&A』(共編著,日本加除出版,2023)
『発信者の知的財産権侵害行為に対してプラットフォーマー/プロバイダーが負う法律上の責任に関する各国比較調査報告書』(共著,日本貿易振興機構知的財産課,2021年)
『あなたも取れる知的財産権 無形資産力の時代』(共著,薬事日報社,2019)
『進化する知的財産法務A to Z』ビジネス法務16巻1~6号,8~12号,17巻1号掲載(2016)