顧客生涯価値マーケティング―持続的な関係性をつくる

岩永 洋平

定価(紙 版):2,860円(税込)

発行日:2025/04/17
A5判 / 204頁
ISBN:978-4-502-53761-5

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本の紹介
「この商品をまた買いたい」という思いをいかに起こせるか。事業成長のために顧客生涯価値(LTV)を追求する企業に向けて、顧客との持続的な関係を取り結ぶ指針を示す。

目次

第1章 顧客生涯価値をいかに高めるか
1 持続的な購買関係の困難
2 顧客生涯価値への関心の高まり
3 既存研究と市場実践
4 顧客生涯価値の規定
5 本書の構成と対象

第2章 持続的購買関係はどう研究されたか
1 ロイヤルティ研究
2 リレーションシップ・マーケティング研究
3 顧客エンゲージメント研究

第3章 地域産品の現状と可能性をどう捉えるか
1 地域産品と地域ブランド
2 地域産品の成長限界
3 地域ブランド研究
4 地域ブランディングとブランド知識
5 地域ブランディングの限界
6 特異な顧客関係性の形成
7 既存研究のレビューから

第4章 D2C事業者調査:LTVを高めるビジネスモデル
1 顧客生涯価値を志向する実践の拡大
2 D2Cの事業運営実態の把握
3 顧客生涯価値の向上を図るビジネスモデル
4 顧客価値収益モデルの評価
5 D2C事業者の調査から

第5章 意識モデル:持続購買意向の形成メカニズム
1 知識と態度が行動へと導く
2 顧客の知識が再購買意向を形成する
3 社会的行為論で態度を規定する
4 持続的価値形成モデルを提起する

第6章 実証研究:持続購買意向の形成作用の検証
1 一般消費財の顧客との関係形成作用の検証
2 D2Cにおける持続購買意向の喚起
3 地域産品における関係形成作用の検証
4 エンゲージメント行動と観察による知識
5 商品別の持続購買意向の喚起
6 持続購買を促す実践と成果
7 波及効果としての地域愛着の喚起
8 モデルの検証から

第7章 事例研究:持続的購買関係の構築プロセス
1 ケーススタディの対象事業
2 ケーススタディの方法
3 初回購買段階における関係形成
4 持続的購買段階における関係形成
5 不確定性の増大による関係性の発現
6 事例分析から

第8章 総合考察:理論的含意と実践への適用
1 「観察による知識」が持続購買意向を形成する
2 「コミットメント」概念が顧客の広範な態度を捉える
3 持続した市場取引から社会的結合が生じる
4 LTV視点の重要成果指標
5 顧客生涯価値を形成する10件の事業方針
6 産業振興と関係人口の形成促進

第9章 結論:顧客生涯価値の形成に向けて
1 結果と研究の意義
2 研究の限界と今後の課題

著者紹介

岩永 洋平(いわなが ようへい)
[プロフィール]
目白大学経営学部教授。博士(知識科学)。
シンクタンク,広告会社などの勤務を経て,2020年に九州産業大学教授,2025年より現職。ナショナルブランドや地方自治体と協業するほか,地方企業の事業成長を支援するマーケティングプランナーとして事業支援にかかわっている。法政大学地域研究センター客員研究員,一般社団法人D2Cエキスパート協会理事。
第16回ダイレクトマーケティング学会賞を受賞。

[主な著作]
『通販ビジネスの教科書』(東洋経済新報社,2016)
『地域活性マーケティング』(ちくま新書,2020)
『実践ダイレクト・マーケティング講義』(共著,千倉書房,2019)
『移動縁が変える社会』(共著,水曜社,2024)