

カンパニー・ロイヤーへの道程―その意義・価値、ジレンマ
- 本の紹介
- 企業内法務に従事するプロフェッションである「カンパニー・ロイヤー」(企業内弁護士)の意義と価値を概観し、その論点を述べるとともに、あるべき姿を提示する。
目次
第1章 序説:「カンパニー・ロイヤー」の概念
1 カンパニー・ロイヤーと企業内弁護士
2 プロフェッションとしてのカンパニー・ロイヤー
3 我が国の企業内法務部門員とカンパニー・ロイヤー
4 小括:検討の留意点と本書の構成
第2章 諸外国におけるカンパニー・ロイヤーの沿革と現状
第1節 米国:「企業内弁護士」
1 その勃興と「黄金時代」:19世紀後半から1930年代まで
2 停滞期:1940年代~1970年代中期
3 復興期:1970年代後期~
4 「新しい現実(The New Reality)」:2000年代初頭以降
第2節 イングランド:「企業内弁護士」
第3節 フランス:「ジュリスト・ドントリプリーズ(jurists d’entreprise)」
1 プライベート・プラクティスと企業内法律実務の峻別:「ジュリスト・ドントリプリーズ」と「アヴォカ」
2 ジュリスト・ドントリプリーズは「プロフェッション」か?
3 ジュリスト・ドントリプリーズの自律団体
4 フランスにおけるジュリスト・ドントリプリーズの地位および役割
第4節 ドイツ:「ズンディクス(リヒト)アンヴァルト(Syndikus (recht) anwalt)」
1 沿革
2 カンパニー・ロイヤーの実相
3 小括
第5節 諸外国の状況の総括
第3章 我が国における企業内弁護士
第1節 沿革
1 黎明期:1980年代末期~2000年初頭まで
2 「ステップボード」期:2000年頃~2006年頃まで
3 「ビッグバン」期:2007年頃~2016年頃まで
4 「新たな局面」(?):2017年以降
第2節 企業内弁護士の多様性
1 ジェネラル・カウンセル
2 新卒法務部門員
3 中堅法務部門員:中途採用者
第3節 本章のまとめ
第4章 カンパニー・ロイヤーの役割
1 伝統的な法曹としての役割(Traditional Lawyering Roles)
2 準法務的な役割(Quasi‒Legal Roles)
3 マネジメントおよびその他の非法務的ビジネス上の役割(Management and Other Extra‒Legal Business Roles)
4 非公式な役割(Informal Roles)
5 小括:カンパニー・ロイヤーの役割論の意味するもの
第5章 カンパニー・ロイヤーの機能:その目指すもの
1 パートナー(partner)とガーディアン(guardian)
2 「緊張関係」と「循環関係」
第6章 カンパニー・ロイヤーの業務のあり方
1 企業への「貢献」:議論の出発点
2 「入 口」
3 「出 口」
4 小括
第7章 「二足のわらじ(Double Hatting)」:カンパニー・ロイヤーの本質的ジレンマ
1 単純な二項対立の問題ではないこと
2 カンパニー・ロイヤーの「内面」におけるジレンマであること
3 企業の動態の中でのジレンマであること:辞任を題材として
4 小括
第8章 結語:カンパニー・ロイヤーへの道程