カンパニー・ロイヤーへの道程―その意義・価値、ジレンマ

本間 正浩

定価(紙 版):5,500円(税込)

発行日:2025/08/22
A5判 / 328頁
ISBN:978-4-502-53781-3

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本の紹介
企業内法務に従事するプロフェッションである「カンパニー・ロイヤー」(企業内弁護士)の意義と価値を概観し、その論点を述べるとともに、あるべき姿を提示する。

目次

第1章 序説:「カンパニー・ロイヤー」の概念
 1 カンパニー・ロイヤーと企業内弁護士
 2 プロフェッションとしてのカンパニー・ロイヤー
 3 我が国の企業内法務部門員とカンパニー・ロイヤー
 4 小括:検討の留意点と本書の構成

第2章 諸外国におけるカンパニー・ロイヤーの沿革と現状
第1節 米国:「企業内弁護士」
 1 その勃興と「黄金時代」:19世紀後半から1930年代まで
 2 停滞期:1940年代~1970年代中期
 3 復興期:1970年代後期~
 4 「新しい現実(The New Reality)」:2000年代初頭以降
第2節 イングランド:「企業内弁護士」
第3節 フランス:「ジュリスト・ドントリプリーズ(jurists d’entreprise)」
 1 プライベート・プラクティスと企業内法律実務の峻別:「ジュリスト・ドントリプリーズ」と「アヴォカ」
 2 ジュリスト・ドントリプリーズは「プロフェッション」か?
 3 ジュリスト・ドントリプリーズの自律団体
 4 フランスにおけるジュリスト・ドントリプリーズの地位および役割
第4節 ドイツ:「ズンディクス(リヒト)アンヴァルト(Syndikus (recht) anwalt)」
 1 沿革
 2 カンパニー・ロイヤーの実相
 3 小括
第5節 諸外国の状況の総括

第3章 我が国における企業内弁護士
第1節 沿革
 1 黎明期:1980年代末期~2000年初頭まで
 2 「ステップボード」期:2000年頃~2006年頃まで
 3 「ビッグバン」期:2007年頃~2016年頃まで
 4 「新たな局面」(?):2017年以降
第2節 企業内弁護士の多様性
 1 ジェネラル・カウンセル
 2 新卒法務部門員
 3 中堅法務部門員:中途採用者
第3節 本章のまとめ

第4章 カンパニー・ロイヤーの役割
 1 伝統的な法曹としての役割(Traditional Lawyering Roles)
 2 準法務的な役割(Quasi‒Legal Roles)
 3 マネジメントおよびその他の非法務的ビジネス上の役割(Management and Other Extra‒Legal Business Roles)
 4 非公式な役割(Informal Roles)
 5 小括:カンパニー・ロイヤーの役割論の意味するもの

第5章 カンパニー・ロイヤーの機能:その目指すもの
 1 パートナー(partner)とガーディアン(guardian)
 2 「緊張関係」と「循環関係」

第6章 カンパニー・ロイヤーの業務のあり方
 1 企業への「貢献」:議論の出発点
 2 「入 口」
 3 「出 口」
 4 小括

第7章 「二足のわらじ(Double Hatting)」:カンパニー・ロイヤーの本質的ジレンマ
 1 単純な二項対立の問題ではないこと
 2 カンパニー・ロイヤーの「内面」におけるジレンマであること
 3 企業の動態の中でのジレンマであること:辞任を題材として
 4 小括

第8章 結語:カンパニー・ロイヤーへの道程

著者紹介

本間 正浩(ほんま まさひろ)