監査法人の真価―公認会計士の一丁目一番地への回帰

江越 眞
小笠原 直

定価(紙 版):2,750円(税込)

発行日:2025/06/05
四六判 / 192頁
ISBN:978-4-502-54081-3

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本の紹介
創業期から関わり巨大監査法人を築いた立役者の1人と、独立からオーガニックに成長を続ける監査法人のCEOが、監査業界の課題を斬り、これからの会計士に託すバトンを描く。

目次

第1部 監査法人の黎明期を駆けた半生 江越 眞
第1章 光る文字
全国制覇を目指す監査法人
書生になったことがすべての始まりだった
俣野健輔という後ろ盾
次男坊との友情
生まれと育ち
江越家のルーツ
高校を出て一度は就職したが

第2章 監査法人の裏方から見えたもの
公認会計士の最大の武器も人脈にあり
アサインメントの仕事
格差意識
富田さんの憂いは解決していない
様々な交流・人脈づくり
クライアントの開拓
ODA(政府開発援助)業務に参入するも
政官への啓発も大切な役目

第3章 中国へのこだわり
日本経済の先を見据えた大号令
あるスキャンダル
天安門事件の最中の決断
日中投資促進機構の設立と大連進出
世界へ、そして代表参与に就任

第4章 この国の監査のかたち
縁が未来につながる
隷属意識、同調圧力を打破せよ
日本経済のどん詰まり
現状の監査法人業界に対して言いたいこと

第2部 これからの監査業界を築く信念 小笠原 直
第5章 なぜアヴァンティアをつくったのか
亡くなった友人の警告
面接官の示唆
バブル崩壊で初心を思い出す
稀代のリーダー
家族的な組織
カルチャーショック
規模の拡大がもたらしたもの
監査法人のあるべき姿を探して

第6章 「アヴァンティア」に込めた思い
17スピリッツ
公認会計士の仕事は未来を見積もること
中堅上場企業というマーケット
公認会計士のステータス

第7章 かけがえのない仕事を求めて
平成時代に次々と起こった粉飾事件の原因
巨大化の必然とアンチテーゼ
監査法人巨大化に伴う弊害
アヴァンティア10年目の挫折
アヴァンティアで目指す将来絵図

対談 これからの会計士へのバトン
1本の電話から始まった2人の出会い
瞠目すべき人脈
1人ひとりがやり甲斐を持てる監査法人へ
自分のバリューは自分で決める
とにかくチャレンジ
情報を自分のものにするには
海外に学び、日本で活かしてほしい

著者紹介

江越 眞(えごし まこと)
[プロフィール]
監査法人アヴァンティア 顧問
福井県敦賀市出身。1967年中央大学商学部卒業。在学中に飯野海運・俣野健輔氏の書生を経験。1968年9月,監査法人等松・青木・津田・塚田・青木・宇野・月下部会計事務所(現・有限責任監査法人トーマツ)入所。創業メンバー38人の1人。業務センター長,事業開発部長,参与,代表参与を歴任。トーマツを2010年6月に退所後,西村あさひ法律事務所顧問を経て,監査法人アヴァンティア顧問に2013年10月に就任し,現在に至る。
その問,国内の政官財とのつながりおよび中国との両国関係の交流にも大きく貢献し,異業種交流団体として大来佐武郎先生が設立したフォーラム'80の理事や日中関係学会副会長などを歴任するほか,自民党金融問題調査会に対しては企業会計小委員会の発足に大いに寄与した。
監査法人アヴァンティアにおいても,適正規模での法人運営について,適宜,的確な助言や指導を行い,若手の職業専門家の育成に力を注いでいる。

小笠原 直(おがさわら なおし)
[プロフィール]
監査法人アヴァンティア 法人代表CEO 公認会計士
栃木県日光市出身。1989年一橋大学経済学部卒業。公認会計士第二次試験合格後,第一勧業銀行(現・みずほ銀行),太陽監査法人(現・太陽有限責任監査法人)を経て,2008年に監査法人アヴァンティアを設立・法人代表に就任。
日本公認会計士協会実務補習所副委員長,公認会計士修了考査試験委員,独立行政法人経済産業研究所評価委員,独立行政法人統計センター評価委員,相模原市外部包括監査人,慶應義塾大学環境情報学部准教授,千葉大学法経学部講師を歴任。現在は,独立行政法人大学改革支援・学位授与機構監事,東プレ株式会社(東証プライム)社外取締役,都築電機株式会社(東証プライム)社外取締役,日機装株式会社(東証プライム)社外監査役,一橋大学大学院経営管理研究科講師,日本アジア共同体文化協力機構理事など多方面に活躍の場を広げている。
監査法人アヴァンティアは,成長するミドルサイズの上場企業への監査を目的に2008年設立した「日本を支えるベンチャー監査法人」。「適正規模」の監査法人として,オーガニックな成長を提唱する。2025年1月1日現在,上場企業クライアント43社,メンバー231名。中長期事業計画「AVANTIA2030」で掲げた業界トップ10入り目標を5年前倒しですでに達成している。