サプライチェーンのシェアリングモデル―トヨタグループにおける付加価値の創造と分配
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- 持続的に発展するサプライチェーンを構成する企業群はどのように協働し、競争を行っているのか。日本の自動車産業・電機産業を事例に付加価値の創造と分配という視点で考察。
目次
サプライチェーンのシェアリングモデル
トヨタグループにおける付加価値の創造と分配
目次
はじめに
第1章 サプライチェーンにおける付加価値の創造と分配
1 . 1 サプライチェーンへの注目
1 . 2 サプライチェーン・マネジメントとは
1 . 3 学際的研究としてのサプライチェーン
1 . 3 . 1 経営工学におけるサプライチェーン
1 . 3 . 2 商学におけるサプライチェーン
1 . 3 . 3 狭義の経営学におけるサプライチェーン
1 . 4 トヨタグループにおけるサプライチェーン
1 . 4 . 1 トヨタ自動車の設立
1 . 4 . 2 トヨタグループの範囲
1 . 4 . 3 トヨタグループの結束力
1 . 5 本書の構成
第2章 サプライヤー・システム研究の流れ
2 . 1 サプライヤー・システムは取引コストで決まる
2 . 1 . 1 取引コストとは
2 . 1 . 2 取引コストとガバナンス構造
2 . 2 サプライヤー・システムは関係的技能で決まる
2 . 2 . 1 関係的技能とは
2 . 2 . 2 貸与図方式,承認図方式,市販品方式
2 . 3 サプライヤー・システムは組織間信頼で決まる
2 . 3 . 1 組織間信頼とは
2 . 3 . 2 企業間協働のHybridモード
2 . 4 サプライヤー・システムはアーキテクチャで決まる
2 . 4 . 1 アーキテクチャとは
2 . 4 . 2 アーキテクチャと企業間協働
2 . 5 サプライヤー・システム研究の課題
第3章 サプライチェーンの新しい分析視点
3 . 1 取引コストと取引利益
3 . 1 . 1 ビジネスシステムとしてのサプライチェーン
3 . 1 . 2 価値の奪い合いから価値の創造と分配へ
3 . 1 . 3 価値の分配に関する実証研究
3 . 2 買い手の論理と売り手の論理
3 . 2 . 1 顧客範囲の経済
3 . 2 . 2 生産財マーケティング
3 . 3 分析の視点と研究の対象
3 . 3 . 1 本書における分析視点とリサーチ・クエスチョン
3 . 3 . 2 日本の自動車産業と電機産業の比較
3 . 3 . 3 トヨタグループと日産グループの比較
3 . 3 . 4 トヨタ系サプライヤーにおける顧客範囲の拡大戦略
第4章 日本の自動車産業と電機産業の比較
4 . 1 はじめに
4 . 2 在庫リスクの分配メカニズム
4 . 2 . 1 トータル在庫の分担
4 . 2 . 2 仕掛品在庫とバッファー在庫
4 . 3 付加価値の分配メカニズム
4 . 3 . 1 売上高付加価値率の推移
4 . 3 . 2 売上高営業利益率の推移
4 . 4 考 察
4 . 4 . 1 自動車産業と電機産業の違い
4 . 4 . 2 取引構造と利益・リスク分配
4 . 4 . 3 分業構造と利益・リスク分配
第5章 トヨタグループと日産グループの比較
5 . 1 はじめに
5 . 2 在庫の分配結果
5 . 2 . 1 トータル在庫の分担
5 . 2 . 2 トータル在庫の変動に対する各在庫の寄与度
5 . 3 利益の分配結果
5 . 3 . 1 売上高付加価値率の推移
5 . 3 . 2 売上高営業利益率の推移
5 . 3 . 3 需要の変動と利益率の関係
5 . 3 . 4 需要と生産コストの変動と利益率の関係
5 . 4 トヨタグループにおける利益・リスク分配の有効性
5 . 4 . 1 発見事実の整理
5 . 4 . 2 サプライチェーンにおける在庫の役割
5 . 4 . 3 全体最適へのインセンティブ設計
第6章 トヨタグループと日産グループの変化
6 . 1 はじめに
6 . 1 . 1 日本の自動車部品取引のオープン化
6 . 1 . 2 日本の自動車部品取引のグローバル化
6 . 2 日産グループにおけるサプライチェーンの変化
6 . 2 . 1 日産と日産系サプライヤーの資本関係の見直し
6 . 2 . 2 日産と日産系サプライヤーの利益・リスク分配メカニズム
の変化
6 . 3 トヨタグループにおけるサプライチェーンの変化
6 . 3 . 1 トヨタグループの再編
6 . 3 . 2 トヨタとトヨタ系サプライヤーの利益・リスク分配メカニズム
の変化
6 . 4 サプライチェーンのガバナンス
6 . 4 . 1 日産の系列解体の意味
6 . 4 . 2 組織の外部化とガバナンス機能
第7章 トヨタ系サプライヤーにおける顧客範囲の拡大戦略
7 . 1 はじめに
7 . 2 自動車ランプ市場の動向
7 . 2 . 1 世界市場の状況
7 . 2 . 2 日本国内市場の状況
7 . 2 . 3 小糸製作所の事業展開
7 . 2 . 4 日系ランプメーカー3社の業績推移
7 . 2 . 5 自動車用ランプの変遷
7 . 3 自動車部品の開発プロセス
7 . 3 . 1 トヨタグループの研究開発体制
7 . 3 . 2 自動車部品の開発フェーズ
7 . 3 . 3 小糸製作所の研究開発体制
7 . 4 LEDヘッドランプの開発プロセス
7 . 4 . 1 世界初のLEDヘッドランプ開発
7 . 4 . 2 LEDヘッドランプ開発の3フェーズ
7 . 4 . 3 LEDヘッドランプの持続的開発
7 . 4 . 4 LEDヘッドランプの海外生産
7 . 4 . 5 バイファンクションヘッドランプの開発
7 . 5 サプライヤーの顧客範囲の拡大プロセス
7 . 5 . 1 村田製作所の顧客範囲の拡大プロセス
7 . 5 . 2 小糸製作所の顧客範囲の拡大プロセス
第8章 サプライチェーンのシェアリングモデル
8 . 1 電機産業のバーゲニングモデル
8 . 2 自動車産業のシェアリングモデル
8 . 3 シェアリングモデルが有効に機能する条件
8 . 4 シェアリングモデルにおける顧客範囲の拡大
8 . 5 今後の課題
参考文献
索 引
著者プロフィール
【著者紹介】
下野 由貴(しもの よしたか)
1974年 神戸市に生まれる
1997年 神戸大学経営学部卒業
2004年 神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了,博士(経営学)学位取得
現 在 名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授
専門分野:経営戦略,経営組織,企業間関係,国際経営
主な著作
「サプライチェーンにおける利益・リスク分配:トヨタグループと日産グループの比較」『組織科学』第39巻第2号,2005年.
『スウェーデン流グローバル成長戦略―「分かち合い」の精神に学ぶ』
(共著〈第4・5章担当〉,中央経済社,2015年).
Automobile Industry Supply Chain in Thailand(共著〈第4・5章担当〉,Springer, 2018年).