シリーズ ダイバーシティ経営/仕事と介護の両立

佐藤 博樹 責任編集
武石 恵美子 責任編集
池田 心豪

定価(紙 版):2,750円(税込)

発行日:2021/02/08
A5判 / 200頁
ISBN:978-4-502-36921-6

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本の紹介
介護と仕事の両立は、育児と仕事の両立と何が違うのかを浮き彫りにしながら、ダイバーシティの喫緊の課題である仕事と介護の両立支援について、柔軟な発想で考え方を示す。

目次



シリーズ ダイバーシティ経営
仕事と介護の両立

目次

「シリーズ ダイバーシティ経営」刊行にあたって
はじめに
序 章介護離職が経営課題に
1 企業に広がる介護不安
2 介護離職は氷山の一角
 ⑴ 潜在的な問題 
 ⑵ 誰もが介護と向き合う時代へ 
 ⑶ 「育児・介護休業」がもたらす誤解 
3 介護は育児と違う
 ⑴ 発想の転換を 
 ⑵ 介護リスクの諸特性 
 ⑶ 問題の構造 
4 多様性と柔軟性が鍵
 ⑴ 必殺技より合わせ技 
 ⑵ 本書の構成と各章の概要 

第1章 仕事と介護の両立問題の背景
1 高齢者介護問題のとらえ方
2 介護の脱家族化と再家族化
 ⑴ 日本は介護問題先進国 
 ⑵ 家族主義の介護政策 
 ⑶ 介護保険制度による脱家族化の試み 
 ⑷ 介護の再家族化 
3 高齢者介護というケアの特徴
 ⑴ 子どものケアと大人のケア 
 ⑵ 要介護者の自立を尊重する 
 ⑶ 自立支援という思想 
4 企業に対する社会の期待
 ⑴ 慢性的な支援者不足へ 
 ⑵ 高齢者介護の特徴を踏まえる 

第2章 育児・介護休業法の考え方
1 法律が定める企業の責任
2 2016年改正法の考え方
 ⑴ 1995年制定法と介護の実態 
 ⑵ 2016年改正法の方針 
3 制度設計の考え方
 ⑴ 緊急対応のための介護休業 
 ⑵ 働くための介護休業 
 ⑶ 介護休暇と介護保険の手続き 
 ⑷ 勤務時間短縮の必要性 
4 なるべく仕事ができることを基本に
 ⑴ 大きく1回より小さく複数回 
 ⑵ 法定を上回る制度の考え方 

第3章 両立支援制度の利用と介護保険サービス
1 少ない制度利用者
2 介護休業・短時間勤務のニーズ
 ⑴ 低い介護休業ニーズ 
 ⑵ 短時間勤務のニーズも低い 
3 介護保険サービスとの関係
 ⑴ サービス利用手続きに要する期間 
 ⑵ 在宅介護サービスの利用時間 
 ⑶ 介護保険制度と家族介護の関係 
 ⑷ 家族と専門家の介護役割 
4 介護保険制度を前提とした両立支援
 ⑴ 家族も介護をするという前提 
 ⑵ 家族の介護役割は不定形 

第4章 通常勤務と介護
1 通常勤務で介護と両立するための課題
2 介護の長期化に対応した働き方の柔軟性
 ⑴ 在宅介護の長期化にともなう離職 
 ⑵ 離職を抑制する働き方 
 ⑶ テレワークの活用 
3 健康問題の仕事への影響
 ⑴ 介護者の健康状態悪化による離職 
 ⑵ 離職していなければ両立できているか 
 ⑶ 介護疲労が仕事に及ぼす影響 
 ⑷ 男性に顕著なプレゼンティーズム 
 ⑸ 勤務時間外の介護負担に注意を 
4 持続可能な介護と働き方
 ⑴ 通常の働き方を見直す 
 ⑵ 仕事と介護を健康的に両立する 

第5章 コミュニケーションを起点にした両立支援
1 企業からみえにくい介護
2 事前の心構えが大事
 ⑴ いきなり始まる介護に備える 
 ⑵ 企業による事前の情報提供の位置づけ 
 ⑶ 情報提供の離職抑制効果 
3 介護の相談ができる仕組みづくり
 ⑴ 職場で介護のことを話せるか 
 ⑵ 勤務先以外にも相談する機会をつくる 
4 実効性ある両立支援に向けて
 ⑴ 両立支援のハードとソフト 
 ⑵ 日頃が問われる 

第6章 さらなる少子高齢化への対応
1 介護者不足の時代へ
2 介護者不足の帰結
 ⑴ 単身介護者の離職問題 
 ⑵ 多様化する両立支援のニーズ
3 要介護者とのかかわり方の多様性
 ⑴ 献身的介護と自立重視的介護 
 ⑵ 自立重視的介護と短時間勤務 
 ⑶ 遠距離介護と転勤問題を考える 
4 これからの家族介護と企業の役割
 ⑴ 新しい家族主義の時代へ 
 ⑵ 介護支援と就業支援 
参考文献 
索引 



著者プロフィール
〈責任編集〉
佐 藤 博 樹
武 石  恵 美 子

〈著 者〉
池 田 心 豪


著者紹介

佐藤 博樹(さとう ひろき)
[プロフィール]
東京大学名誉教授,中央大学ビジネススクール・フェロー。専門は人的資源管理。

兼職として,内閣府・男女共同参画会議,経済産業省・なでしこ銘柄選定基準作成委員会など政府の審議会や研究会の委員長等を歴任。

[主な著作]
『人材活用進化論』(日本経済新聞出版,2012年)
『新しい人事労務管理〈第7版〉』(共著,有斐閣,2023年)
『ダイバーシティ経営と人材活用』(共編著,東京大学出版会,2017年)

武石 恵美子(たけいし えみこ)
[プロフィール]
法政大学キャリアデザイン学部教授。専門は人的資源管理論,女性労働論。
労働省(現 厚生労働省),ニッセイ基礎研究所,東京大学社会科学研究所助教授等を経て,2006年4月より法政大学。2001年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程修了。博士(社会科学)。

その他,厚生労働省「労働政策審議会委員」「労働政策審議会 人材開発分科会長」等の公職を務める。

[主な著作]
『雇用システムと女性のキャリア』(勁草書房,2006年)
『職場のワーク・ライフ・バランス』(共著,日経文庫,2010年)
『国際比較の視点から日本のワーク・ライフ・バランスを考える』(編著,ミネルヴァ書房,2012年)
『ワーク・ライフ・バランス支援の課題』(共編著,東京大学出版会,2014年)
『シリーズダイバーシティ経営/女性のキャリア支援』(共著,中央経済社,2020年)
『シリーズ ダイバーシティ経営/多様な人材のマネジメント』(共著,中央経済社,2022年)

池田 心豪(いけだ しんごう)