税務・法務を統合したM&A戦略〈第3版〉

大石 篤史 編著
酒井 真 編著
小山 浩 編著
栗原 宏幸 編著

定価(紙 版):4,950円(税込)

発行日:2022/03/01
A5判 / 492頁
ISBN:978-4-502-40761-1

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本の紹介
株式交付、スクイーズ・アウト、スピンオフ、グループ通算などの制度改正をふまえ、全面的に修正・加筆。重要性の高まるカーブアウト型M&Aの章を新設。

目次

 第1部 基礎編
 第1章 M&A のストラクチャリングにおける基本的視点

 第1節 コスト
   1 税務コスト
   2 法務コスト
 第2節 時 間
 第3節 リスク
   1 取引時のリスク
   2 取引後のリスク

 第2章 M&A の基本類型
 第1節 株式譲渡(TOB を含む)
   1 対象会社
   2 対象会社株主
   3 買収会社
   4 TOB の場合の課税関係
   5 ストラクチャリングのポイント
 第2節 事業譲渡
   1 対象会社
   2 対象会社株主
   3 買収会社
   4 ストラクチャリングのポイント
 第3節 新株発行・自己株式処分
   1 対象会社
   2 (既存の)対象会社株主
   3 買収会社
   4 ストラクチャリングのポイント
 第4節 自己株式の取得
   1 対象会社
   2 対象会社株主
   3 ストラクチャリングのポイント
 第5節 組織再編成を用いたM&A
   1 総 論
   2 吸収合併
   3 吸収分割
   4 株式交換

 第3章 M&A と租税回避
 第1節 「租税回避」とは
 第2節 日本における租税回避行為の否認の方法
   1 個別否認規定による否認
   2 個別否認規定がない場合の否認
   3 一般的な行為・計算否認規定による否認
 第3節 米国における租税回避の否認
   1 米国における判例法理
   2 一般的な濫用防止規定の導入

 第2部 応用編
 第1章 スクイーズ・アウトMBO

 第1節 スクイーズ・アウトの基本的手順
   1  第一段階:TOB
   2  第二段階:スクイーズ・アウト
 第2節  第二段階におけるスクイーズ・アウトの手法に関する法務上・税務上の検討
   1 スクイーズ・アウトの手法として考えられる選択肢
   2 各スクイーズ・アウト手法に関する法務上・税務上の検討
   3 株式対価の株式交換を利用するスキーム(買付者が上場会社の場合)
 第3節 MBO・上場子会社の完全子会社化における法務上の問題点
   1 構造的利益相反および情報の非対称性の問題
   2 公正なM&A の在り方に関する指針
   3 情報開示
   4 司法判断の蓄積
   5 実務上の対応における論点
 第4節 スクイーズ・アウト後の買付者と対象会社の合併
   1 合併する理由
   2 買付者が存続会社となる場合(順合併)の問題点
   3 対象会社が存続会社となる場合(逆さ合併)の問題点

 第2章 株式対価M&A・三角合併
 第1節 株式対価M&A
   1 株式対価M&A の手法
   2 各手法の比較
   3 日本における株式対価M&A の実例
   4 事例検討
 第2節 三角合併
   1 三角合併とは
   2 子会社による親会社株式の取得
   3 吸収合併
   4 三角合併の税務・コーポレート・インバージョン対策税制
   5 その他三角合併の問題点

 第3章 カーブアウト型M&A
 第1節 カーブアウト型M&A の概要
   1 カーブアウト型M&A とは
   2 カーブアウト型M&A のメリット
   3 カーブアウト型M&A のストラクチャー
 第2節 カーブアウト型M&A のストラクチャリングのポイント
   1 税務上のポイント
   2 法務上のポイント
   3 ストラクチャリングのポイント

 第4章 M&A における株式報酬の処理
 第1節 株式報酬に関する法務・税務の概観
   1 概 要
   2 株式報酬の法務
   3 株式報酬の税務
 第2節 ストック・オプションに関する法務・税務のポイント
   1 ストック・オプションとは
   2 ストック・オプションの法務上のポイント
   3 ストック・オプションの税務上のポイント
 第3節 RS に関する法務・税務のポイント
   1 RS とは
   2 RS の法務上のポイント
   3 RS の税務上のポイント
 第4節 M&A における株式報酬の処理の課税関係
   1 ストック・オプションの処理
   2 RS の処理

 第5章 グループ内再編
 第1節 完全支配関係のある会社間での取引
   1 グループ法人税制とは
   2 無対価の組織再編成
   3 完全親子会社間における自己株式・親会社株式の処理
 第2節 連結納税制度・グループ通算制度を利用している会社が関与するM&A
   1 連結納税制度・グループ通算制度の概要
   2 連結納税の開始時,加入時および離脱時の対応
   3 連結納税からの離脱時の対応
   4 グループ通算制度の開始時,加入時および離脱時の対応
 第3節 適正な時価以外によるM&A
   1 総 論
   2 適正な時価以外によるM&A の類型

 第6章 破綻企業のM&A
 第1節 破綻企業のM&A の特徴
   1 迅速なM&A 実行の要請
   2 通常と異なるステイクホルダー(債権者や裁判所等)の関与
   3 M&A 実行の確実性への配慮
 第2節 法的整理・私的整理の概要
   1 はじめに
   2 各法的整理手続の概要
   3 私的整理の種類
   4 経営者の保証債務の整理
 第3節 事業再生に関する税制の概要
   1 債務者(破綻企業)に係る税制
   2 債権者に係る税制
 第4節 事業再生における主なM&A の手法
   1  第二会社方式
   2 100%減増資
   3 DES
   4 合 併

 第7章 クロスボーダーのM&A
 第1節 内国法人が外国法人に投資する場合(アウトバウンドM&A)
   1 買収時の課税関係
   2 買収実行後の対象会社・事業の課税関係
   3 対象会社の売却時の課税関係
 第2節 外国法人が内国法人に投資する場合(インバウンドM&A)
   1 国内法の取扱い
   2 租税条約の適用
 第3節 外国において組織再編等が行われる場合
   1 外国法人への現物出資と課税
   2 外国法人の組織再編に伴う対価の受領とみなし配当課税

著者紹介

大石 篤史(おおいし あつし)
[プロフィール]
1996年東京大学法学部卒業,1998年弁護士登録,2003年ニューヨーク大学法科大学院修了,2003年Weil, Gotshal & Manges LLPニューヨークオフィスにて執務,2004年ニューヨーク州弁護士登録,2006年 税理士登録,2007年経済産業省「MBO取引等に関するタスクフォース」メンバー,2013年経済産業省「タックスヘイプン対策税制及び無形資産に関する研究会」委員,2016年 早稲田大学「国際ファミリービジネス総合研究所」招聘研究貝(~現在),2018年 経営革新等支援機関認定,2018年 公益社団法人日本証券アナリスト協会「PB職業倫理等審査委員会」および「PB教育委員会」委員(~現在)。
主な取扱い分野は.ウェルスマネジメント,争訟/紛争解決,税務,M&A。
現在,森・濱田松本法律事務所パートナー。

[主な著作]
『設例で学ぶ オーナー系企業の事業承継•M&Aにおける法務と税務(第2版)』(共著,商事法務,2022年)
『税務・法務を統合したM&A戦略(第3版)」(共著,中央経済社,2022年)
『M&A法大系(第2版)』(共著,有斐閣,2022年)
『変わる事業承継』(共著,日本経済新聞出版社,2019年)
「財産評価の否認」(有斐閣『租税法と民法』,2018年)

酒井 真(さかい まこと)
[プロフィール]
2003年東京大学法学部卒業,2004年弁護士登録,2009年コーネル大学法科大学院卒業,2009年~10年Gibson. Dunn & Crutcher LLPロサンゼルスオフィスにて執務,2011年~13年東京国税局調査第一部調査審理課にて執務。
現在は森・濱田松本法律事務所パートナー。
主な取扱い分野は,M&A,税務,ウェルスマネジメント。

[主な著作]
「米国SPACによる日本企業買収の留意点」(共著)旬刊商事法務2262号
『論点体系 会社法5・6〔第2版〕』(共著,第一法規,2021年)
『M&A法大系』(共著,有斐閣,2015年)
「タックス・ヘイブン対策税制を巡る最新裁判例詳解<1><2>」(共著)国際税務2015年8月号・9月号

小山 浩(おやま ひろし)
[プロフィール]
2001年早稲田大学法学部卒業,2003年早稲田大学法学研究科修了,2006年中央大学法科大学院卒業。2007年弁護士登録.2014年ミシガン大学法科大学院(International Tax LL.M.)卒業。2016年~18年東京国税局調査第一部調査審理課にて執務。

主な取扱い分野は,税務,ウェルスマネジメント,M&A。

[主な著作]
『オーナーの視点から考える 事業承継型M&Aの法務・税務戦略』(共著,中央経済社.2021年)
『ウェルスマネジメントの法務・税務』(共著,税務経理協会,2020年)
「「取引」の実態からみる税務調査のポイントQ&A』(第一法規,2018年)
「税務に関する取締役の会社法上の責任の検討」旬刊商事法務2054号
「Countering BEPS: Preventing Abusive Commissionnaire Arrangements」Tax Notes International 2014年9月29日号

栗原 宏幸(くりはら ひろゆき)
[プロフィール]
2005年東京大学法学部卒業,2007年東京大学法科大学院修了,2008年弁護士登録2015年スタンフォード大学ロー スクール修了(LL.M. in Corporate Governance & Practice),2016年ニューヨーク大学ロースクール修了(LL.M.in International Taxation, 同プログラム最優秀賞であるFlora S. and Jacob L. Newman Awardを受賞),2016年Weil, Gotshal & Manges LLPニューヨークオフィスにて執務,2017年税理士登録。
現在は森・濱田松本法律事務所パートナー。
主な取扱い分野は,M&A,税務。

[主な著作]
『Q&Aタックスヘイブン対策税制の実務と対応』(共著,税務経理協会,2019年)
『取引スキーム別 契約書作成に役立つ税務知識Q&A〔第2版〕』(共著,中央経済社,2018年)
『M&A法大系』(共著,有斐閤,2015年)