観光産業のグレート・リセット―成長をどうデザインするか

野田 健太郎 編著
熊田 順一 編著

定価(紙 版):2,860円(税込)

発行日:2022/11/09
A5判 / 212頁
ISBN:978-4-502-44381-7

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本の紹介
コロナ禍で大きく影響を受けたものの、インバウンドや国際交流の増加など潜在的可能性が大きい観光産業の現状と課題を詳細に分析して、さらに実践に向けた処方箋を提示する。

目次

序 章 今、観光産業に何が必要なのか?

第Ⅰ部 SDGsの視点からみた観光産業の現状分析 
第1章 SDGsの状況
第2章 観光産業を取り巻く状況―期待と不安

第Ⅱ部 観光を取り巻く3つの課題 
第3章 行動心理からみた「アフターコロナ」の観光
第4章 オーバーツーリズムを経験した観光地のこれからを考える
第5章 社会のサステナビリティ推進を担うサステナブル・ツーリズムの役割

第Ⅲ部 成長への3つの処方箋 
第6章 観光リスクと企業戦略
第7章 危機を乗り切るBCP
第8章 イベントリスクの認識とビジネスデザイン
       *
終 章 持続可能な社会に貢献する観光へ―今後の戦略と展望

著者紹介

野田 健太郎(のだ けんたろう)
[プロフィール]
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科・観光学部教授 博士(商学)
一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。日本政策投資銀行を経て現職。2020年~2021年University of California, Berkeley客員研究員。専門は財務会計,企業の社会的責任(CSR),事業承継計画(BCP)。内閣府政府業務継続に関する評価等有識者会議委員などを歴任。

[主な著作]
『事業継続計画による企業分析』(中央経済社,2013年)
『戦略的リスクマネジメントで会社を強くする』(中央経済社,2017年)

熊田 順一(くまだ じゅんいち)
[プロフィール]
株式会社JTB総合研究所グローバルマーケティング室室長・主席研究員
明治大学商学部産業経営学科卒業。株式会社JTB入社後,訪日インバウンド旅行や海外旅行に関する業務従事を経て2014年~2017年UNWTO(United Nations World Tourism Organization:国連世界観光機関)本部の初の日本人正職員として勤務。アジア太平洋地域のUNWTO加盟国30ヵ国の政府・自治体・企業と協働し,国際観光関連プロジェクトに取り組む。世界旅行ツーリズム協議会アジア太平洋副会長付アドバイザー。一般社団法人日本サステナブルツーリズムイニシアティブ事務局長。APTECサステイナブルツーリズムセンター委員。

担当編集者コメント
大きな転換期にある現在、SDGsの視点から成長軌道にのせるためのヒントを提示!

〇本書のねらい
観光産業は新型コロナウイルス感染症の影響を最も受けた業界の1つといえます。当面は現状回復を目指すことで精一杯の状況でしょう。
しかしながら、現状回復だけでは、回復しても影響が少なかった業界などに比べ、一周遅れのような状況になりかねません。そのため現状回復にとどまらず、そのレベルを超えた回復(ビルド・バック・ベター)が必要となるのです。
本書では現状を把握しつつ、SDGsを通じてより高いレベルへの回復を目指す処方箋を提案しています。
本書のタイトルである“グレート・リセット”はまさにそれを意図しているのです。

〇SDGs×観光が目指すべき視点
① 誰もが参加可能で地域全体への経済的裨益が持続するようなツーリズム
② 雇用創出や貧困削減に貢献するツーリズム
③ 環境や気候変動に配慮した資源保全・保護を踏まえたツーリズム
④ 伝統や固有性と多様性の両立を認め合う文化価値を描くツーリズム
⑤ 平和や安全を支える相互理解に貢献するツーリズム

観光産業に属する方々にとどまらず、行政関係者、学生の方々にもぜひご覧いただきたい内容です!