- 本の紹介
- カバーする範囲が広く何の知識を補う必要があるか、自社にどう当てはめて考えるか等、悩みが多いのが生産管理。儲かる製品を手際よく作るための基本ルールをやさしく紹介。
目次
すらすら生産管理
目次
はじめに
第1章 生産管理のはなしを始める前に
(生産管理の目的は生産性向上)
1 良い工場の条件とは何か?
❶ 利益は工場の地力(基礎体力)を表さない
❷ 工場の地力は付加価値で見る
❸ 付加価値を多く生み出すにはどんな方法があるのか?
2 生産性とは何か?
❶ 生産性は付加価値を生み出す速度
❷ 労働生産性とは?
❸ 世界各国の労働生産性を見る ……ほか
3 生産性を上げるために何をするか?
❶ まずは生産性を分解してみよう
❷ 生産速度を上げる
❸ 稼働率を上げる ……ほか
コラム バリューチェーンはサプライチェーンより大事なもの
第2章 まずは計画を作る(生産計画)
1 生産計画は本当に必要なのか?
❶ 生産計画を作らない工場の秘密
2 かんばんシステムとは?
❶ かんばんシステムでは在庫がゼロになるのか?
❷ かんばんシステムの流れ
3 製番システムとは?
❶ 製番システムとは何か?
❷ 製番システムの流れ
❸ 大量生産でも製番システムは使われている ……ほか
4 MRPシステムとは?
❶ MRPシステムとは何か?
❷ MRPシステムの流れ
5 3つのシステムを比較しよう!
6 日程計画を作る
7 各工程の負荷をチェックする
❶ なぜ工程の負荷をチェックするのか?
❷ 負荷山積みと負荷山崩しの手順
コラム 内示と正式発注に左右される生産計画
第3章 作業の進み具合をチェックする(進捗管理・進度管理)
1 なぜ作業の進み具合をチェックするのか?
2 組立工場での進捗管理
❶ ライン生産用の管理ボード(1)
❷ ライン生産用の管理ボード(2)
❸ セル生産用の管理ボード(1) ……ほか
3 機械加工工場での進捗管理
❶ 作業進捗管理表
❷ 作業進捗管理箱
❸ ポケット型差立板 ……ほか
コラム 間違った「見える化」―現場で使う道具を誤用していませんか
第4章 ムダな作業を減らす(現場改善)
1 付加価値を生んでいる時間とは何か?
❶ お金を生む時間,生まない時間
❷ 動作のムダ
❸ 工程の流れのムダ ……ほか
2 ラインバランスをチェックする
❶ ラインバランスとは?
❷ まずはラインバランスを分析する
❸ ラインバランスを改善する ……ほか
コラム 改善活動を行わない工場では作業者が増え続ける
第5章 設備の稼働率を上げる(設備管理)
1 設備を効率的に使う
❶ 段取り時間とは?
❷ 段取り時間を短縮するには?
❸ 設備の故障を減らすには? ……ほか
2 設備の使い方を管理する
❶ 在庫生産に手を染める
❷ 可動率で管理する
3 新しい設備を買うときの判断
❶ 投資回収期間で設備を選ぶ
❷ 投資回収期間の計算方法
コラム 投資回収期間を使わない工場
第6章 不良品を減らす(品質管理)
1 不良の原因を調べる
❶ 不良品は人件費もムダにする
❷ 三現主義で真の原因を見つける
❸ なぜなぜ分析で原因を究明する
2 不良を減らす
❶ 不良を後工程に流さない
❷ 工程で品質を作り込む
❸ QC7つ道具を使い分ける ……ほか
コラム 設計で品質を作り込む
第7章 高付加価値商品を開発する(商品開発)
1 他社への差別化を行う
❶ 何を差別化するのか?
❷ マーケティングで市場調査する
❸ ティアダウンで敵を知る
2 VEでコストと品質のバランスをチェックする
❶ VEとは何か?
❷ VEの進め方
3 短期間に商品を開発して商機を逃がさない
❶ 人手をかけないで開発する
❷ 図面を使いまわす
❸ 組み合わせ設計で手間を省く
コラム パクリからイノベーションへ
第8章 買い方を工夫して材料費を下げる(購買管理)
1 買い方を工夫する
❶ 集中購買か2社購買か?
❷ 集中購買のメリットとデメリット
❸ 2社購買のメリットとデメリット ……ほか
2 指値購買で主導権を握る
❶ あらかじめ価格を予想する
❷ 指値購買でのコスト見積り
3 新しい部品メーカーを開拓する
❶ 普段から部品メーカーを訪問する
❷ 部品メーカーの評価方法
4 部品メーカーの知恵を使う
❶ 製品開発には部品メーカーにも参加してもらう
❷ 開発購買とは?
5 部品の標準化で価格を下げる
コラム 開発購買部門vs資材部門の戦い
第9章 在庫を減らす(在庫管理)
1 在庫を減らす方法
❶ まずは在庫を「見える化」する
❷ 在庫を持つコストを知る
❸ 眠っている在庫品を処分する ……ほか
2 在庫の管理方法
❶ 目標在庫数の決め方
❷ 在庫回転期間とは?
❸ ツービン方式 ……ほか
コラム 在庫品の先入れ先出しはシンプルに考えよう!
第10章 損をしない価格の決め方(原価管理)
1 原価計算とは?
2 製品原価はどのように計算するのか?
❶ 製品原価に求められる精度は?
❷ 材料費の比率で製品原価を計算する
❸ 賃率を使って計算する ……ほか
3 限界利益で最低見積価格を決める
コラム 原価計算に求められる精度は,計算を行う目的で変わる
著者プロフィール
堀口 敬(ほりぐち たかし)
1950年北海道生まれ,中小企業診断士。
1972年に電気メーカーに入社し,ファクシミリとプリンターの開発を行う。
1994年からは,原価企画部門責任者として,原価管理,原価企画活動を行う。
また,東南アジアと中国で部品メーカー60社へのコストダウン指導を行う。
2003年に独立し,堀口ビジネスコンサルティングを設立する。
「現場改善,原価管理,原価企画」専門のコンサルタントとして,国内企業53社へ企業内研修と経営指導を行っている。
また,国内とアフリカ諸国で,176社への経営診断と現場改善を行っている。
《主要著書》
・儲かる工場への挑戦(2012年,日刊工業新聞社)
・儲かる工場のしくみ(2010年,日刊工業新聞社)
・原価管理の基本がすべてわかる本(2009年,秀和システム)
・ティアダウン導入ガイド(2009年,日刊工業新聞社)
・究極!原価企画の進め方(2009年,日刊工業新聞社)
・利益を出すコストダウンがわかる本(2008年,日本能率協会マネジメントセンター)
・こんな原価管理は役に立たない(2008年,日刊工業新聞社)
・会社にお金が残る原価管理(2008年,明日香出版社)
・最新 経営分析がよくわかる本(2007年,秀和システム)
・最新 原価管理とコスト削減がよくわかる本(2006年,秀和システム)
・原価計算だけで満足していませんか(2006年,日刊工業新聞社)
- 担当編集者コメント
- 日本メーカーは今でも5S,改善といった生産速度や稼働率を上げるための対策に執着しています。これらは日本が誇るすばらしい手法ですが,今や世界中で多くの企業が実施し,それだけでは差別化は難しくなっています。また,作れば売れた時代からモノがなかなか売れない時代,海外市場での販売を見据えた生産活動をしていく時代に変わっています。
生産管理は,カバーする範囲が広すぎて何の知識を身に付ける必要があるのかわからない,自社にどのように当てはめたらよいかイメージがわかない,というような悩みがつきない分野です。そこで本書は生産管理に従事する方が必ず身に付けておきたい基本的な考え方を中心に,やさしく,わかりやすく解説します。