碩学叢書企業変革における情報システムのマネジメント―ISのフレキシビリティと戦略的拡張性
- 本の紹介
- 持続的競争優位を保つための企業変革に必要な情報システムの柔軟性やマネジメントとは。良品計画や松下電器等実際の改革をケースとして取り上げ、理論的・実践的に解明する。(発行=碩学舎)
目次
碩学叢書
企業変革における情報システムのマネジメント
─ IS のフレキシビリティと戦略的拡張性
目次
はじめに
第1章 企業における情報システムの開発とソーシング
─本研究の実践的背景─
1.1 企業情報システムの概要
1.2 企業情報システムのソーシング
第2章 経営資源としてのISとISソーシング問題─文献レビュー─
2.1 文献レビューの展望
2.2 IT/ISの戦略的価値問題
2.3 ISソーシング問題
2.4 ISのフレキシビリティ問題
2.5 ビジネスシステムとIS
2.6 企業成長理論と経営資源としてのIS
2.7 企業の境界問題
第3章 企業変革におけるISフレキシビリティとISソーシング
─リサーチクエスチョン─
3.1 問題意識の要約
3.2 文献レビューからの知見(依拠する知見)
3.3 文献レビューからの知見(既存研究の限界)
3.4 リサーチクエスチョン
第4章 研究の方法─複数ケーススタディ─
4.1 ケーススタディの採用
4.2 ケーススタディのデータの取扱い方法
4.3 複数ケーススタディの採用
4.4 ケースの選択と理論的サンプリング
4.5 ケースの記述方法
第5章 企業変革期におけるISソーシング戦略の転換
─ケース1株式会社良品計画─
5.1 背 景
5.2 良品計画の経営改革~「松井改革」~
5.3 情報システム刷新の背景
5.4 IS刷新におけるインソーシングへの転換
5.5 IS刷新の方法と内容
5.6 成 果
5.7 ケース1のディスカッション
第6章 繊維産業から情報産業への「川田改革」
─ケース2セーレン株式会社─
6.1 背 景
6.2 企業変革
6.3 ビジネスシステム変革の成果
6.4 ビスコテックスの新たな取り組み
6.5 ケース2のディスカッション
6.6 ケース2のまとめ
第7章 松下の「中村改革」におけるIT革新
─ケース3松下電器産業株式会社─
7.1 経営革新の背景
7.2 IT革新の取り組みの概要
7.3 経営ITアーキテクチャ(CITA)による全体最適化の推進
7.4 ケース3のディスカッション
7.5 ケース3のまとめ
第8章 ISの戦略的拡張性と企業変革におけるISマネジメント
─考 察─
8.1 企業変革を促進するISのフレキシビリティ(RQ1の考察)
8.2 企業変革を促進するISのフレキシビリティとISソーシング
(RQ2の考察)
8.3 企業変革におけるISマネジメント(RQ₃の考察)
第9章 結論とインプリケーション
9.1 理論的貢献としての結論
9.2 実践的インプリケーション
9.3 今後の課題
引用・参考文献
謝辞
索引
著者プロフィール
依田祐一(よだ ゆういち)
1971年 東京都生まれ、山梨県育ち
1994年 静岡大学教育学部 卒業
1996年 静岡大学大学院教育学研究科 修了、修士(教育学)
1996年 日本電信電話株式会社(NTT)入社
2003年 神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程(MBA コース)修了、修士(経営学)
2011年 神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程 修了、博士(経営学)
NTT に入社後、ソフトウェアの研究開発部門、事業会社のソリューションサービス部門、NTT のシンクタンク機能の株式会社情報通信総合研究所 主任研究員を経て、株式会社NTT
ドコモ 担当課長(現職)、流通科学大学流通科学研究所 客員研究員(現職)。
- 担当編集者コメント
- 情報通信について社会科学的観点から追究する優れた論文を表彰する、電気通信普及財団賞テレコム社会科学賞(第30回)受賞書籍です(http://www.taf.or.jp/record/c01/index.html)。
審査員の方には以下のようなコメントをいただきました。
「本書は、企業情報システムを戦略的にインソーシングすることの有効性を主張するために、情報システムに求められる柔軟性が、企業の変革期においては通常期と異なることに注目している。日本企業3社の変革期を事例に、必要となる情報システムの柔軟性の特性を探索し、IS伸縮性とIS生産性に加えて、IS戦略的拡張性という柔軟性が必要となることを指摘する。そしてこのIS戦略的拡張性を企業が得るためには、企業情報システムのインソーシングが有効となることを指摘。企業情報システムのソーシングに関する定説に、新たな視角から一石を投じようとする意欲的な研究である。今後、クラウドコンピューティングの影響を考察する等さらなる研究が期待される。」
- 著者から
- テレコム社会科学賞受賞にともない、発行所である碩学舎はSBJを刊行いたしました。
著者自身による受賞の報告と著書の紹介がございますので、ぜひご覧下さい。
(http://www.sekigakusha.com/sbj/index.html#sbj33)
※Sekigakusha Business Journal(SBJ)は、論文・対談・ケースなどで構成されるオープンアクセスタイプの無料電子ジャーナルです。