- 本の紹介
- 現在の物価は適正なのか。これから下がるのか上がるのか。シンプルな問いであっても答えることが難しい物価について、有史以来の変遷を見つめ、その実態と展望を読み解く。
目次
第1章 第1の波 古バビロニアから中世ヨーロッパ
① 昔から実質賃金が問題だった? 古バビロニアの物価変動と長期循環
② 物価は長期循環を描く? 低位・均衡期から上昇・変動期、そして安定化期へ
③ カネをめぐる歴史① カネの3つの機能
④ カネをめぐる歴史② 原始貨幣から鋳造貨幣へ
⑤ 人口増加による物価上昇で苦しんだ庶民? 13世紀の価格上昇(第1の波)
⑥ 疫病が賃金を高めた? 14世紀の格差縮小とペスト(黒死病)
第2章 第2の波 大航海時代と17世紀の危機
⑦ 大陸からの銀流入は物価上昇の主要因か? 16世紀の価格革命(第2の波)
⑧ 商いは物価安定・均衡期に花開く? 17世紀の危機と啓蒙時代の繁栄
⑨ カネをめぐる歴史③ 鋳造貨幣から兌換紙幣へ
第3章 第3の波 戦乱と革命
⑩戦乱の深刻化で上昇する物価? 増幅される戦乱と革命の嵐(第3の波)
⑪物価上昇に苦しむパリ市民の悲哀? フランス革命時の食料価格
⑿人口増なのに物価安定の不思議? イングランドの生産性革命
⑬カネをめぐる歴史④ 金本位制下の兌換紙幣
第4章 第4の波 エネルギー価格循環
⑭エネルギー価格はどうなる? 産業社会のエネルギー価格循環(第4の波)
⑮ハイパーインフレで株価はどうなったか? 1920年代ドイツの悩み
⑯カネをめぐる歴史⑤ 新たなる米国主導の兌換紙幣とその崩壊
⑰原油価格はどのように変化してきたのか? 原油価格150年史
⑱カネをめぐる歴史⑥ 不換紙幣の裏付けとしての政府への信認
⑲カネをめぐる歴史⑦ 基軸通貨はゆっくり衰退する?
⑳カネをめぐる歴史⑧ 国際通貨システム
㉑なぜ30年も物価が安定していたのか? 情報社会の脱エネルギー循環
第5章 日本の物価史
㉒カネをめぐる歴史⑨ 無文銀銭から江戸の金遣い・上方の銀遣いまで
㉓飢饉の際に危機に陥ったコメ経済? 江戸時代末期以降の実質賃金
㉔カネをめぐる歴史⑩ 江戸時代の貨幣改鋳
㉕戦時インフレで苦しんだのは誰か? 繰り返された物価急上昇
㉖物価急上昇は戦後だけではない? 公表されていない戦前の闇物価
㉗戦時末期11倍、終戦時8倍の闇物価? 敗戦国日本の物価急上昇
㉘カネをめぐる歴史⑪ 戦前円安、戦後円高、そして現在
㉙カネをめぐる歴史⑫ 多様なカネが並立する時代
㉚日本のインフレ率は定期預金金利よりも低かった? 買うチカラとタンス預金