物価の歴史

平山 賢一

定価(紙 版):2,860円(税込)

発行日:2024/11/21
A5判 / 212頁
ISBN:978-4-502-50961-2

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本の紹介
現在の物価は適正なのか。これから下がるのか上がるのか。シンプルな問いであっても答えることが難しい物価について、有史以来の変遷を見つめ、その実態と展望を読み解く。

目次

第1章 第1の波 古バビロニアから中世ヨーロッパ
① 昔から実質賃金が問題だった? 古バビロニアの物価変動と長期循環
② 物価は長期循環を描く? 低位・均衡期から上昇・変動期、そして安定化期へ
③ カネをめぐる歴史① カネの3つの機能
④ カネをめぐる歴史② 原始貨幣から鋳造貨幣へ
⑤ 人口増加による物価上昇で苦しんだ庶民? 13世紀の価格上昇(第1の波)
⑥ 疫病が賃金を高めた? 14世紀の格差縮小とペスト(黒死病)

第2章 第2の波 大航海時代と17世紀の危機
⑦ 大陸からの銀流入は物価上昇の主要因か? 16世紀の価格革命(第2の波)
⑧ 商いは物価安定・均衡期に花開く? 17世紀の危機と啓蒙時代の繁栄
⑨ カネをめぐる歴史③ 鋳造貨幣から兌換紙幣へ

第3章 第3の波 戦乱と革命
⑩戦乱の深刻化で上昇する物価? 増幅される戦乱と革命の嵐(第3の波)
⑪物価上昇に苦しむパリ市民の悲哀? フランス革命時の食料価格
⑿人口増なのに物価安定の不思議? イングランドの生産性革命
⑬カネをめぐる歴史④ 金本位制下の兌換紙幣

第4章 第4の波 エネルギー価格循環
⑭エネルギー価格はどうなる? 産業社会のエネルギー価格循環(第4の波)
⑮ハイパーインフレで株価はどうなったか? 1920年代ドイツの悩み
⑯カネをめぐる歴史⑤ 新たなる米国主導の兌換紙幣とその崩壊
⑰原油価格はどのように変化してきたのか? 原油価格150年史
⑱カネをめぐる歴史⑥ 不換紙幣の裏付けとしての政府への信認
⑲カネをめぐる歴史⑦ 基軸通貨はゆっくり衰退する?
⑳カネをめぐる歴史⑧ 国際通貨システム
㉑なぜ30年も物価が安定していたのか? 情報社会の脱エネルギー循環

第5章 日本の物価史
㉒カネをめぐる歴史⑨ 無文銀銭から江戸の金遣い・上方の銀遣いまで
㉓飢饉の際に危機に陥ったコメ経済? 江戸時代末期以降の実質賃金
㉔カネをめぐる歴史⑩ 江戸時代の貨幣改鋳
㉕戦時インフレで苦しんだのは誰か? 繰り返された物価急上昇
㉖物価急上昇は戦後だけではない? 公表されていない戦前の闇物価
㉗戦時末期11倍、終戦時8倍の闇物価? 敗戦国日本の物価急上昇
㉘カネをめぐる歴史⑪ 戦前円安、戦後円高、そして現在
㉙カネをめぐる歴史⑫ 多様なカネが並立する時代
㉚日本のインフレ率は定期預金金利よりも低かった? 買うチカラとタンス預金

著者紹介

平山 賢一(ひらやま けんいち)
[プロフィール]
東京海上アセットマネジメント株式会社 参与 チーフストラテジスト。
埼玉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。東洋大学・学習院女子大学非常勤講師、明治大学 研究・知財戦略機構客員研究員。約35年にわたりアセットマネジメント会社においてストラテジストやファンドマネジャーとして、内外株式・債券等の投資戦略を策定・運用。運用戦略部長、執行役員運用本部長(最高投資責任者)を経て現職。
(本データは『金利の歴史』『物価の歴史』が刊行された当時に掲載されていたものです)

[主な著作]
『金利史観』、『振り子の金融史観』、『戦前・戦時期の金融市場』(令和2年度証券経済学会賞)、『日銀ETF問題』、『オルタナティブ投資の実践』(編著)、『物価変動の未来』、『金利の歴史』、『物価の歴史』など著書多数。