金利の歴史

平山 賢一

定価(紙 版):2,970円(税込)

発行日:2024/11/21
A5判 / 232頁
ISBN:978-4-502-51451-7

送料について
本の紹介
現在の金利は適正なのか。これから下がるのか上がるのか。シンプルな問いであっても答えることが難しい金利について、有史以来の変遷を見つめ、その実態と展望を読み解く。

目次

序章 金利の歴史を学ぶということ

第1章 古代史から金利の本質をひもとく
①古代の金利決定は合理的だった? メソポタミア期の大麦と銀
②ローマ時代に金融緩和も引き締めもあった? アウグストゥスのローマ期
③お金に困った時の駆け込み寺は質屋? 金利をめぐる三重構造
④なぜ金利は禁じられたのか? 旧約聖書を淵源とする宗教の徴利禁止
⑤どのようにして金利が受け入れられたのか? 公益質屋による貧者救済

第2章 ルネサンスにみる商人と宗教、そして金利
⑥ヴェニスの商人にみる高利貸しが嫌われる理由
⑦王様よりも商人の信用? メディチ家の教訓
⑧宗教改革と金利
⑨商業都市アントワープの強さと弱さ
⑩スペインの盛衰に左右されたジェノヴァ金利
⑪金融覇権の交代? オランダの低金利

第3章 大航海時代・帝国主義時代の国債・公債管理
⑫17世紀オランダ公債を支えた高貯蓄率
⑬バブル後に資金が集中した国債? 市場に優しい政府資金調達
⑭英国の徹底した国債管理政策
⑮19・20世紀の英国の成否は? 政府債務拡大の乗り越え方

第4章 覇権国家・米国の国債管理
⑯一様ではなかった米国イールドカーブ形状
⑰国債がゼロになった米国
⑱連邦準備制度創設から国債価格維持政策へ
⑲米財務省と連邦準備制度の食い違い
⑳巨額政府債務を上手く管理できるか? 洗練される国債管理政策
㉑低金利を謳歌した資金余剰国と2%下限水準割れ

第5章 日本の金利史
㉒明治維新以降の日本政府の資金調達手段
㉓明治初期の国債暴落?
㉔日中戦争以降に海外で暴落する日本国債
㉕高橋財政と国債日銀引受体制
㉖政府は国債利回りを操作する? 1940年代に実施された国債市場の安定策
㉗占領地での借入金は国債の5倍まで膨らんでいた? 金地金売却による返済
㉘日本銀行はどのように金融政策を実施してきたのか?
㉙戦時期の国債利回り抑制はいつまで続いたのか?
㉚金融財政政策の新潮流と最低金利水準

著者紹介

平山 賢一(ひらやま けんいち)
[プロフィール]
東京海上アセットマネジメント株式会社 参与 チーフストラテジスト。
埼玉大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。東洋大学・学習院女子大学非常勤講師、明治大学 研究・知財戦略機構客員研究員。約35年にわたりアセットマネジメント会社においてストラテジストやファンドマネジャーとして、内外株式・債券等の投資戦略を策定・運用。運用戦略部長、執行役員運用本部長(最高投資責任者)を経て現職。
(本データは『金利の歴史』『物価の歴史』が刊行された当時に掲載されていたものです)

[主な著作]
『金利史観』、『振り子の金融史観』、『戦前・戦時期の金融市場』(令和2年度証券経済学会賞)、『日銀ETF問題』、『オルタナティブ投資の実践』(編著)、『物価変動の未来』、『金利の歴史』、『物価の歴史』など著書多数。