- 本の紹介
- 現在の金利は適正なのか。これから下がるのか上がるのか。シンプルな問いであっても答えることが難しい金利について、有史以来の変遷を見つめ、その実態と展望を読み解く。
目次
序章 金利の歴史を学ぶということ
第1章 古代史から金利の本質をひもとく
①古代の金利決定は合理的だった? メソポタミア期の大麦と銀
②ローマ時代に金融緩和も引き締めもあった? アウグストゥスのローマ期
③お金に困った時の駆け込み寺は質屋? 金利をめぐる三重構造
④なぜ金利は禁じられたのか? 旧約聖書を淵源とする宗教の徴利禁止
⑤どのようにして金利が受け入れられたのか? 公益質屋による貧者救済
第2章 ルネサンスにみる商人と宗教、そして金利
⑥ヴェニスの商人にみる高利貸しが嫌われる理由
⑦王様よりも商人の信用? メディチ家の教訓
⑧宗教改革と金利
⑨商業都市アントワープの強さと弱さ
⑩スペインの盛衰に左右されたジェノヴァ金利
⑪金融覇権の交代? オランダの低金利
第3章 大航海時代・帝国主義時代の国債・公債管理
⑫17世紀オランダ公債を支えた高貯蓄率
⑬バブル後に資金が集中した国債? 市場に優しい政府資金調達
⑭英国の徹底した国債管理政策
⑮19・20世紀の英国の成否は? 政府債務拡大の乗り越え方
第4章 覇権国家・米国の国債管理
⑯一様ではなかった米国イールドカーブ形状
⑰国債がゼロになった米国
⑱連邦準備制度創設から国債価格維持政策へ
⑲米財務省と連邦準備制度の食い違い
⑳巨額政府債務を上手く管理できるか? 洗練される国債管理政策
㉑低金利を謳歌した資金余剰国と2%下限水準割れ
第5章 日本の金利史
㉒明治維新以降の日本政府の資金調達手段
㉓明治初期の国債暴落?
㉔日中戦争以降に海外で暴落する日本国債
㉕高橋財政と国債日銀引受体制
㉖政府は国債利回りを操作する? 1940年代に実施された国債市場の安定策
㉗占領地での借入金は国債の5倍まで膨らんでいた? 金地金売却による返済
㉘日本銀行はどのように金融政策を実施してきたのか?
㉙戦時期の国債利回り抑制はいつまで続いたのか?
㉚金融財政政策の新潮流と最低金利水準