碩学叢書/小売業近代化への胎動

石原 武政

定価(紙 版):8,140円(税込)

発行日:2025/03/18
A5判 / 392頁
ISBN:978-4-502-52191-1

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本の紹介
激動する戦前期、中小小売商は自らが生活する地域に目を向け、共同事業を通して近代化を図った。膨大な資料を丹念に調べ、中小小売商の歩みを追った労作。(発行=碩学舎)

目次

序章 小売業近代化への胎動
1 問題意識と課題の限定
2 時代背景
3 本書の構成

第1章 小売市場の誕生と普及
1 公設市場開設の時代背景
2 公設市場の誕生から普及へ
3 立ち遅れた東京市の公設市場
4 東京市における私設市場ブーム
5 結語

第2章 同業組合と百貨店の抗争
1 同業組合とその活動
2 百貨店の同業組合加入問題とその帰趨
3 結語

第3章 商店街発行の共通商品券
1 商品券と共通商品券
2 商店街商品券の取締り
3 百貨店商品券の取締り要求運動
4 商品券取締法の制定
5 商店街共通商品券
6 結語

第4章 商業組合と商店街商業組合
1 昭和戦前期の小売業と公共政策
2 商業組合法
3 商店街商業組合の活動
4 商店街リーダーの考え方 ―中村金治郎の世界
5 結語

第5章 ボランタリーチェーンの模索
1 ボランタリーチェーンの日本への紹介
2 乱売対策として注目されたボランタリーチェーン
3 メーカー主導のチェーンストア
4 メーカー主宰のボランタリーチェーン:総括
5 小売商の自力更生策としてのボランタリーチェーン
6 小売主宰のボランタリーチェーン:総括
7 結語

第6章 産業組合と商権擁護運動
1 産業組合と初期の反産運動
2 反産運動の全国的展開
3 商権擁護運動を巡る係争点
4 商権擁護運動の挫折と終息
5 結語

第7章 商業労働と使用人問題
1 工場法と鉱業法
2 商店法をめぐる国際環境
3 商店法案の模索
4 商店法の成立
5 結語

第8章 百貨店法の制定―調整政策の誕生
1 百貨店の成長と小売商との対立
2 反百貨店運動の高まり
3 百貨店の拡張と百貨店間競争の過熱
4 百貨店問題と小売制度改善案
5 中小小売商の困窮
6 百貨店法の制定
7 結語

終章 簡単な総括
1 改めて「大正・昭和戦前期」という時代
2 本書のごく簡単な振り返り
3 結びに代えて

著者紹介

石原 武政(いしはら たけまさ)
[プロフィール]
大阪市立大学名誉教授。
1943年京都市生まれ、1961年徳島県立徳島商業高等学校卒業、1965年神戸商科大学卒業、1969年神戸大学大学院博士課程退学、大阪市立大学商学部、関西学院大学商学部、流通科学大学商学部を経て、2017年退職。商学博士(大阪市立大学)。
1997年から2009年まで通商産業省(経済産業省)中小企業政策審議会商業部会長、2006年から2011年まで経済産業研究所・通商産業政策史編集委員会委員のほか、各種審議会・委員会等の委員を務める。

[主な著作]
『マーケティング競争の構造』(千倉書房、1982年)
『公設小売市場の生成と展開』(千倉書房、1989年)
『小売業における調整政策』(千倉書房、1994年)
『商業組織の内部編成』(千倉書房、2000年)
『まちづくりの中の小売業』(有斐閣、2000年)
『小売業の外部性とまちづくり』(有斐閣、2006年)
『「論理的」思考のすすめ』(有斐閣、2007年)
『商業・まちづくり口辞苑』(碩学舎、2012年)
『戦時統制下の小売業と国民生活』(碩学舎、2022年)