労働者協同組合とは何か―連帯経済とコモンを生み出す協同組合

松本 典子

定価(紙 版):3,520円(税込)

発行日:2025/02/18
A5判 / 228頁
ISBN:978-4-502-52711-1

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本の紹介
労働者協同組合は地域の人々が組合員になり、共に働きながら地域の課題を解決することを目指すものである。他の組織形態との違いや現代的意義、課題等を事例をまじえて解説。

目次

第1章 市民や労働者を主体とする社会運動の広がり
1 社会的排除と社会的孤立などに端を発する地域課題の増加
2 地域課題に取り組む市民の増加と新自由主義がもたらす影響
3 人間らしい働き方の実現を目指す労働者の増加
4 市民運動,労働運動と共に展開されてきた労働者協同組合

第2章 日本における労働者協同組合の展開
1 労働者協同組合の定義と日本における発展
2 ワーカーズ・コレクティブ
3 ワーカーズコープ
4 ワーカーズ・コレクティブとワーカーズコープの共通点と相違点

第3章 労働者協同組合の現代的意義と役割
1 協同組合としての労働者協同組合の役割
2 本来の労働を取り戻す労働者協同組合の役割
3 コモンの形成によって生活を豊かにする労働者協同組合の役割

第4章 日本の労働者協同組合の課題とその解決に向けて
1 労働者協同組合をめぐる経営課題と民主的管理の実行
2  組織規模をめぐる課題に対するネットワーク形成と経済圏づくり
3 労働者協同組合法をめぐる課題
4 事業内容をめぐる課題とさまざまな組織との協働

第5章 アメリカの労働者協同組合から学ぶこと
1 アメリカの労働者協同組合小史
2 アメリカの労働者協同組合の概要と研究対象
3 カリフォルニア州における労働者協同組合の事例
4 ニューヨーク州における労働者協同組合の事例
5 アメリカの労働者協同組合の経営が日本に示唆すること

第6章 新たな労働者協同組合の台頭と連帯経済や市民まちづくりから学ぶこと
1 新たな労働者協同組合の台頭に学ぶこと
2 連帯経済が広げる労働者協同組合の可能性
3 市民まちづくりが広げる労働者協同組合の可能性

著者紹介

松本 典子(まつもと のりこ)
[プロフィール]
1980年2月東京生まれ。駒澤大学経済学部現代応用経済学科教授。
研究テーマは,非営利・協同組織の経営学。
2016年に「イギリスにおける労働者協同組合の現状と課題」(『労務理論学会誌』25号)で労務理論学会賞(研究奨励賞)を受賞。
日本NPO学会副会長,日本協同組合学会常任理事,日本地域経済学会理事,一般社団法人協同総合研究所常任理事や駒澤大学経済学部現代応用経済学科ラボラトリ所長などを務める。在住する磐田市では,二児の子育てをすると共に,ライフワークとして労働者協同組合いわたツナガル居場所ネットワークの設立・運営に携わる。