日本のファミリービジネス〈第2版〉―その永続性を探る

ファミリービジネス学会 監修
奥村 昭博 編著
加護野 忠男 編著
曽根 秀一 編著

定価(紙 版):2,970円(税込)

発行日:2026/02/25
A5判 / 260頁
ISBN:978-4-502-56381-2

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本の紹介
日本には数百年永続する老舗企業が世界一多く存在し、そのほとんどがファミリービジネスである。日本のファミリービジネスを体系的に解説する好評書籍の改訂版。

目次

第1章 日本は世界一のファミリービジネス大国
1 質・量ともに世界一の日本のファミリービジネス
2 世界のファミリービジネス
3 ファミリービジネスの具体的な事例
4 ファミリービジネスと業績

第2章 ファミリービジネスの理論
1 ファミリービジネスの理論的研究の必要性
2 これまでの理論
3 ファミリービジネスに関連する経営学理論
4 今後の研究課題

第3章 永続ファミリー企業の類型
1 長寿企業の実態調査
2 ファミリー企業の永続要因
3 類型と主な代表的事例

第4章 ファミリービジネスの経営戦略
1 はじめに
2 ファミリービジネスの戦略をみる眼
3 基軸重視と革新─地域オンリーワン企業の事例
4 むすび

第5章 ファミリーアントレプレナーの特性
1 はじめに
2 そもそもアントレプレナーとは何か
3 ファミリーアントレプレナーのプロセス特性─総経験と再創業
4 ファミリービジネスにおける新規事業のファイナンス課題
5 おわりに

第6章 ファミリービジネスの存続と後継者育成
1 はじめに
2 我が国における承継に関する先人の叡智
3 事業の承継と後継者教育
4 承継問題を打開するパラダイム転換
5 おわりに

第7章 事業承継と企業家活動
1 事業承継とは何か
2 事業承継における「引継ぎ」の視点
3 事業承継における「行動」の視点
4 南部美人の事例
5 先代経営者からの事業の引継ぎ
6 後継者の企業家活動と横のネットワーク
7 共創的関係性を生み出す源泉
8 世代から世代へ継承される企業家活動
9 まとめ

第8章 ファミリービジネスのガバナンス⑴
1 コーポレート・ガバナンス
2 ファミリー・ガバナンス
3 日本企業におけるコーポレート・ガバナンス見直しの動き
4 ファミリービジネスにおけるガバナンスの重要性とその課題
5 おわりに

第9章  ファミリービジネスのガバナンス⑵─非上場企業を念頭に
1 再び,コーポレート・ガバナンス
2 中堅・中小企業において経営者が「負」となりうる実態
3 中堅・中小企業において経営者が「正」となりうる条件
4 おわりに

第10章 地域におけるファミリービジネス
1 ファミリービジネスと地域づくり
2 ファミリービジネスによる地域づくりの軌跡
3 地域づくりに関わるメカニズム
4 地域との資源相互依存関係性の構築

第11章 地域の名士と地方地域の事業承継
1 はじめに
2 地域の名士
3 地域の名士とファミリービジネス
4 これからの地域の名士

第12章 ファミリービジネスと文化としての老舗
1 はじめに
2 老舗研究の流れ
3 文化としての老舗という視点
4 玉川堂
5 ディスカッション

第13章 ファミリービジネスと地場産業
1 はじめに
2 地場産業の概念について
3 大阪府堺市の地場産業
4 まとめ

第14章 地域の文化とファミリービジネス
1 書かれざる規則
2 垂直分業と長期継続的取引関係
3 長期継続的なアウトソーシングのメリット
4 長期的取引関係と信頼
5 日本の取引観と取引コストの経済学
6 協働利益
7 国際比較
8 おわりに

終章 ファミリービジネスの未来
1 はじめに
2 ファミリービジネスの経営と新たな経営パラダイム
3 創業家ガバナンス
4 台頭する新興ファミリー企業群へのインプリケーション─アジア企業群に向けて

著者紹介

ファミリービジネス学会(ふぁみりーびじねすがっかい)
[プロフィール]
ファミリービジネス学会は,2008年,数人の経営学者および実務家によって設立され,現在では200人余の会員からなる学会である。当学会は1)ファミリービジネスの経営に関する学際的研究の振興・深化・向上,2)ファミリービジネスの経営に関する研究者の育成とレベル向上,3)ファミリービジネスの効果的・効率的経営活動への理論的貢献,4)ファミリービジネスに関する意識の向上,5)国際的な共同研究・意見交換,を目的とする。そのためには学際的研究が求められ,またファミリービジネスにかかわる実務家らとの積極的な意見交換が行われている。理論と実践との交流が,学者のみならず,大学院生,民間研究者,ファミリー経営者,コンサルタントとの間でなされている。

さらに,当学会では,研究機関誌の発行,年1回の学会総会の開催,セミナーの開催,優れた研究への学会賞の授与,を行ってきている。今後は,ファミリービジネス分野での国際的コンファレンスへの参画を国内外で行い,積極的に日本のファミリービジネスの知恵を発信することが企画されている。そために日本のファミリービジネスの解明と研究蓄積をし,日本から世界に向けて研究を発信するよう,国際学会での発表や,国際研究機関誌への投稿が行われている。

奥村 昭博(おくむら あきひろ)
[プロフィール]
慶應義塾大学 名誉教授
ノースウェスタン大学経営大学院ケロッグスクールMBA取得,慶應義塾大学商学研究科後期博士課程満期退学
専攻:経営戦略,アントレプレナーシップ,ファミリービジネス

[主な著作]
『日本のトップ・マネジメント』(1982,ダイヤモンド社)
『経営戦略』(1989,日本経済新聞社)

加護野 忠男(かごの ただお)
[プロフィール]
甲南大学特別客員教授,神戸大学名誉教授,経営学博士。
1947年生まれ、神戸大学経営学部卒業、1975年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。1988年神戸大学経営学部教授、1999年神戸大学大学院経営学研究科教授、2011年より現職。

[主な著作]
『経営はだれのものか:協働する株主による企業統治再生』(日本経済新聞出版社、2014年)、『経営の精神:我々が捨ててしまったものは何か』(生産性出版、2010年)、『「競争優位」のシステム:事業戦略の静かな革命』(PHP新書、1999年)、『組織認識論:企業における創造と革新の研究』(千倉書房、1988年)、『企業のパラダイム変革』(講談社新書、1988年)、『経営組織の環境適応』(白桃書房、1980年)、『ゼミナール経営学入門』(共著、日本経済新聞社、1993年)、『日米企業の経営比較』(共著、日本経済新聞社、1983年;組織学会賞)、『日本企業の多角化戦略』(共著、日本経済新聞社、1981年;日経図書文化賞)。

曽根 秀一(そね ひでかず)
[プロフィール]
静岡文化芸術大学文化政策学部 教授
滋賀大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(経営学)
専攻:経営戦略,経営組織,企業史

[主な著作]
『日本のファミリービジネス』(2016)
『老舗企業の存続メカニズム:宮大工企業のビジネスシステム』(2019,中央経済社)
“Cultural Approach to Understanding the Long-Term Survival of Firms”Business history, vol.57(2015)共著