- 本の紹介
- シリーズ第3巻は、小売国際化が集中する韓、中、台など東アジアへの進出でおのおのの市場に発生した現象を解明し、代表的国際化企業の戦略などを網羅した今後の小売国際化研究のバイブル。
目次
シリーズ流通体系<3>
小売企業の国際展開
目次
第1章 小売国際化の進展と新たな分析視角
―業態ベースの小売国際化研究に向けて
1 はじめに
2 小売国際化の実態
(1) 国別国際化度
(2) 企業別国際化度 ……ほか
3 小売国際化研究と業態
(1) 既存研究における業態
(2) 小売国際化研究対象としての業態 ……ほか
4 業態ベースの小売国際化研究
(1) 実在としての業態
(2) 第2の業態:Formula ……ほか
5 おわりに
第2章 小売国際化とアジア市場の特性
1 市場特性をどう捉えるのか
(1) 小売国際化と市場特性
(2) 小売業の海外出店行動と市場特性要素 ……ほか
2 日系小売業の経営から見たアジアの市場特性
(1) アジア進出の意思決定と市場特性
(2) 1号店の店舗開発と市場特性 ……ほか
3 市場要素群の影響の仕方
(1) 市場特性とは市場要素群のセット
(2) 市場特性の影響の仕方
第3章 韓国市場における小売国際化―新業態の誕生と進化
1 はじめに
2 流通市場開放後の韓国小売業態の構造的特徴
(1) 韓国流通産業の前近代性と流通市場開放
(2) 主な小売業態の面々 ……ほか
3 遅れてきた韓国割引店業態の急成長
(1) 大衆消費社会の到来と小売業態構造の変化
(2) スーパーマーケットの登場と展開 ……ほか
4 韓国割引店市場の概要と業態定義
(1) 割引店の急成長と成熟期の到来
(2) 割引店の業態定義の再確認 ……ほか
5 割引店市場における小売国際化の進展:
内外の大手小売企業間の攻防
(1) Eマートによる割引店業態の旗揚げ
(2) グローバル・リテイラーの韓国参入と割引店市場の拡大
……ほか
6 カルフールとウォルマートの韓国市場撤退と割引店市場における
2強体制の構築
(1) カルフールの撤退とイーランドによる買収
(2) ウォルマートの撤退とEマートによる買収 ……ほか
7 おわりに
(1) 本章での主眼点
(2) 今後の割引店業態の行方:高級化・多角化・国際化
第4章 中国市場における小売国際化
―日米欧小売企業の事業展開
1 市場参入と出店戦略
(1) カルフール
(2) ウォルマート ……ほか
2 店舗運営と管理システム
(1) カルフール:多様な店舗と分権的な管理システム
(2) ウォルマート:標準化した出店方法と集権的な管理システム
……ほか
3 商品調達と利益管理システム
(1) カルフール:本部仕入と集中管理
(2) ウォルマート:グローバルソーシングとの連動 ……ほか
4 ビジネス・システムと事業展開
(1) 事業展開の方向性
(2) 現地での経営資源への影響 ……ほか
第5章 台湾市場における小売国際化
―流通の近代化との関連性
1 はじめに
(1) 問題提起
(2) 台湾の小売ランキング
2 台湾の流通発展と小売国際化
(1) 時系列分析
(2) 主要業態上位企業の分析
3 大手コンビニエンスストア2社の国際化
(1) セブン-イレブン統一超商(統一企業グループも含めて)
(2) 台湾全家便利商店(台湾ファミリーマート) ……ほか
4 おわりに
第6章 日本市場における小売国際化
―外資系小売企業の参入と展開
1 はじめに
2 日本の小売市場へのグローバル・リテイラーの参入プロセス
(1) フェイズ?:1970年代および1980年代
(2) フェイズ?:1990年代 ……ほか
3 2000年代に日本に参入したグローバル・リテイラーの事例
(1) カルフールの参入と撤退
(2) ウォルマートの参入と展開 ……ほか
4 おわりに
第7章 ザラのSPA戦略とグローバル化
1 はじめに
2 小売国際化とグローバル・サプライチェーン・マネジメント
3 アパレル業界におけるサプライチェーン・マネジメント
(1) グローバルSPAの台頭
(2) アパレル業界における需要変動とリスク・ヘッジの仕組み
……ほか
4 ザラのケース
(1) ザラの沿革とビジネスモデル
(2) グローバルSPAとしてのザラのファスト・サイクル・モデル
……ほか
5 おわりに
第8章 セブン-イレブンの国際化プロセス
1 はじめに
2 サウスランド社の誕生と成長
(1) 新しい業態の開発
(2) フランチャイズ・システムの導入
3 セブン-イレブン・ジャパンの成長
(1) セブン-イレブンの本質学習
(2) セブン-イレブン・ジャパンの適応学習
4 サウスランド社の倒産と再建
(1) サウスランド社の再建戦略
(2) 粗利益分配方式と仮説検証方式
5 おわりに
第9章 大丸の海外進出―日系百貨店の挑戦
1 はじめに
2 小売国際化研究における本章の位置づけ
(1) 小売国際化研究の流れ
(2) 問題の所在
3 大丸の海外展開
(1) 海外店舗からの撤退の背景
(2) 「負の遺産」への対策
4 ケースの理論的含意
(1) 戦略なき出店
(2) 現地適応における構造的限界
5 おわりに
第10章 イオンの中国シフト―SC事業の発展可能性を探る
1 はじめに:「発展的な国際化」へ
2 問題の所在
(1) 高い目標設定:「中国100店舗体制」
(2) 調査対象
3 イオン順徳ショッピングセンターの現状分析
(1) 概 要
(2) ジャスコ順徳店の実績 ……ほか
4 華南における経営課題
(1) 現地法人の統合
(2) 急務の人材育成 ……ほか
5 おわりに
(1) ショッピングセンター事業の発展可能性
(2) 華南戦略の課題
第11章 小売国際化研究の新たな課題
―カルフールの日本撤退事例が示唆するもの
1 はじめに
2 カルフールによる日本でのビジネス展開:参入から撤退に到るまで
(1) 日本市場への参入:100%子会社カルフール・ジャパンの設立
(2) 日本市場におけるビジネス展開:標準化戦略の追求
……ほか
3 カルフールの日本市場撤退の原因分析
(1) ハイパーマーケットのパイオニアとしての先発者優位性の誤解
(2) 日本市場での適応化の試行錯誤 ……ほか
4 今後の小売国際化研究の方向性:
グローバル・ポートフォリオ戦略論への誘い
(1) 標準化−適応化論議の危うさ
(2) 新しい国際化現象と研究課題 ……ほか
索 引
著者プロフィール
■編著者紹介
向山 雅夫(むこやま まさお)
流通科学大学商学部教授,博士(商学)(神戸大学)
1955年生まれ。
1985年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。
武蔵大学経済学部専任講師を経て,1995年より現職。
日本商業学会副会長(現任)。
専門は,流通システム論,マーケティング論。
主要著書
『ピュア・グローバルへの着地』千倉書房,1996年
『21世紀中小企業論』(共著)有斐閣,2001年
『ベーシック 流通と商業』(共著)有斐閣,2002年
崔 相鐵(チェ サンチョル)
流通科学大学商学部教授,博士(商学)(神戸大学)
1960年生まれ。
1997年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。
香川大学経済学部助教授,流通科学大学商学部助教授を経て,2003年より現職。
専門は,マーケティング論,流通システム論。
主要著書
The Internationalization of Retailing in Asia(共編)Routledge Curzon, 2003年
「家電流通:家電メーカーと家電商人の対立と協調」石原武政・矢作敏行編『日本の流通100年』有斐閣,2004年
『事例で学ぶ日本流通』(共著)法文社:ソウル,2006年