資源ベース論の理論進化―企業における硬直化を巡る分析
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- 資源ベース論は多様な概念をとり入れつつダイナミック・ケイパビリティ論へと進化した。企業における「硬直化」に焦点を当て、資源ベース論の理論進化を認識論的に分析する。
目次
資源ベース論の理論進化
―企業における硬直化を巡る分析
目次
はしがき
第1章 批判的合理主義に基づく資源ベース論の分析:
本書の目的と構成
1 本書の目的
2 本書の構成
第2章 批判的合理主義に基づく認識論的枠組み
1 問題移動と理論進化
2 ポパーによる世界3の概念と知識の問題
3 世界3の自律性と理論進化
4 推測と反駁のプロセス
第3章 資源ベース論の再構成の意義
1 「資源ベース論」を巡る状況
2 先行研究における「資源ベース論」
3 先行研究の問題点
4 再構成のための分析視点
第4章 資源ベース論における硬直化
1 資源ベース論と硬直化
2 制度の有する経路依存性・慣性
3 経路依存性の逆機能としての硬直化
4 資源ベース論における硬直化の位置づけ
第5章 資源ベース論の問題移動と理論進化
1 資源ベース論の3つのフェーズ
2 第1フェーズの問題設定と理論
3 第1フェーズの理論に対する反証:第1の硬直化
4 第2フェーズの問題設定と理論
5 第2フェーズの理論に対する反証:第2の硬直化
6 第3フェーズの問題設定と理論
第6章 資源ベース論における知識
1 資源ベース論と知識の関係
2 個々の技能・ノウハウから組織ケイパビリティとしての知識へ
3 ケイパビリティ概念の変化と個人的な暗黙的知識への着目
4 資源ベース論における知識概念の変遷
第7章 資源ベース論の変容と理論進化の認識論的意義
1 資源ベース論の変容
2 資源ベース論の着眼点と性格の変化
3 戦略論的性質への影響
4 理論進化の認識論的意義
第8章 資源ベース論の理論進化についての総括と展望
1 総 括
2 展望と補足
補 章 コア・リジディティおよびダイナミック・ケイパビリティに
ついてのインタビュー調査
1 企業調査の意義
2 インタビュー調査の対象
3 インタビュー内容の概要
4 考 察
参考文献
索 引
著者プロフィール
永野 寛子(ながの ひろこ)
立正大学経営学部准教授。博士(商学)。
1978年12月 東京都大田区生まれ
2001年3月 慶應義塾大学商学部卒業
2003年3月 慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了
2008年3月 慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得退学
2008年4月 立正大学経営学部特任講師
2009年4月 立正大学経営学部専任講師
2011年4月 立正大学経営学部准教授(現在に至る)
2014年5月 慶應義塾大学商学研究科より博士(商学)の学位を取得
[主要業績]
『企業の知識理論―組織・戦略の研究』(共著,中央経済社,2014年),
『ケイパビリティの組織論・戦略論』(共著,中央経済社,2010年),
「ダイナミック・ケイパビリティ・アプローチについての資源ベース理論からの一考察―Teece, Pisano, and Shuen(1997)およびTeece(2007)に着目して」『経営哲学』第6巻第2号,pp.53-66(2009年),
「資源ベース理論におけるコア・リジディティ概念の意義」『立正経営論集』第41巻第1号,pp.93-119(2008年)他。