病院管理会計の効果検証―質が高く効率的な医療の実現に向けて

荒井 耕

定価(紙 版):3,960円(税込)

発行日:2019/09/06
A5判 / 264頁
ISBN:978-4-502-31801-6

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本の紹介
医療環境の変化の中で、一般産業界中心に発展してきた管理会計手法の導入は、果たして病院界においても有効なのか、どのような実践が管理会計の効果を高めるのかを検証する。

目次



病院管理会計の効果検証
:質が高く効率的な医療の実現に向けて
目次

第1章 管理会計の必要性の高まりと効果検証の必要性
     ―本書の背景と目的
1 本書の背景:管理会計の必要性の高まり
2 本書の目的:管理会計の効果の検証の必要性
3 本書の構成

第2章 責任センター別損益業績管理の採算改善効果の検証
     ―医療法人での有効性評価
1 問題意識
2 研究方法
3 分析結果
 3.1 基本統計量及び相関係数
 3.2 分散分析の結果
 3.3 重回帰分析の結果
4 考察とまとめ

第3章 損益業績評価に対する責任センター管理者の
     受容性を高める管理会計実践の検証
1 問題意識
2 研究方法
3 分析結果
4 考察とまとめ
補論1 病院内の部門の財務的業績による部門長評価報酬連動
    の実態
1 問題意識
2 研究方法
3 調査結果
 3.1 部門長財務評価無法人
 3.2 非医師部門長のみ財務評価有法人
 3.3 医師部門長のみ財務評価有法人
 3.4 両部門長財務評価有法人
4 考察とまとめ

第4章 医療法人内の施設事業別損益計算管理の効果を
     高める実践の検証

1 問題意識
2 研究方法
 2.1 分析対象法人群
 2.2 分析内容
3 分析結果
 3.1 損益計算管理の目的別の効果
 3.2 損益計算管理の効果を高める実践の検証
4 考察とまとめ

第5章 部門別損益計算管理の効果の検証
     ―DPC対象病院での有効性評価
1 問題意識
2 部門別損益計算管理の目的別効果と効果を高める活用担当
  管理職種
 2.1 研究方法
 2.2 分析結果
 2.3 考察とまとめ
3 部門別損益計算管理の効果の客観的実績データに基づく検証
 3.1 研究方法
 3.2 分析結果
 3.3 考察とまとめ

第6章 部門別損益計算管理の効果の経年的検証
     ―公立病院での有効性評価
1 問題意識
2 研究方法
3 分析結果
4 考  察
5 まとめ

第7章 予算管理の効果の検証
     ―部門別及び病院全体の予算管理の有効性評価
1 問題意識
2 DPC関連病院における部門別収益予算管理の効果
 2.1 研究方法
 2.2 分析結果
 2.3 考察とまとめ
3 DPC対象病院における病院全体予算管理の効果
 3.1 研究方法
 3.2 分析結果
 3.3 考察とまとめ

第8章 病院全体予算管理による業績評価に対する
     病院長の受容性を高める予算管理実践の検証

1 問題意識
2 先行研究
3 研究方法
4 分析結果
5 考察とまとめ

第9章 DPCサービス別管理会計の効果の検証
     ―サービス別損益管理及び価値企画の有効性評価
1 問題意識
2 DPCサービス別損益計算の効果
 2.1 研究方法
 2.2 分析結果
 2.3 考察とまとめ
3 DPCサービス別採算改善活動の効果
 3.1 研究方法
 3.2 分析結果
 3.3 考察とまとめ
4 DPCサービス価値企画の効果
 4.1 研究方法
 4.2 分析結果
 4.3 考察とまとめ

第10章 バランストスコアカードの効果を高める実践の検証
1 問題意識
2 病院経営医療法人におけるBSCの効果を高める実践
 2.1 研究方法
 2.2 分析結果
 2.3 考察とまとめ
3 DPC対象病院におけるBSCの効果を高める実践
 3.1 研究方法
 3.2 分析結果
 3.3 考察とまとめ

第11章 事業計画の効果を高める実践の検証
1 問題意識
2 研究方法
 2.1 業績データの収集と業績指標の選択
 2.2 分析内容
3 分析結果
4 考察とまとめ
補論2 業務実績指標管理の採算改善効果の検証
    ―事業計画等での管理事項の適切性の検証
1 問題意識
2 先行研究
3 研究方法
 3.1 分析対象病院群
 3.2 分析対象指標
4 分析結果22
5 考察とまとめ

終章 管理会計の有効性
    ―本書の検証結果のまとめ
■参考文献
■索  引



著者プロフィール
荒井 耕(あらい こう)
一橋大学大学院経営管理研究科教授
1971年 東京都生まれ
1994年 一橋大学商学部卒業
2001年  富士総合研究所勤務を経て,一橋大学大学院商学研究科博士課程修了 博士(商学)取得
大阪市立大学大学院経営学研究科専任講師,助教授,准教授を経て,2008年 一橋大学大学院商学研究科准教授
2012年 一橋大学大学院商学研究科教授,現在に至る
専門分野:管理会計,原価計算,医療管理会計,公会計
[主要著書・論文]
『医療バランスト・スコアカード:英米の展開と日本の挑戦』中央経済社,2005年5月(日本原価計算研究学会 学会賞受賞).
『医療原価計算:先駆的な英米医療界からの示唆』中央経済社,2007年2月(日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞).
『病院原価計算:医療制度適応への経営改革』中央経済社,2009年1月(日本管理会計学会・文献賞受賞).
『医療サービス価値企画:診療プロトコル開発による費用対成果の追求』中央経済社,2011年7月.
『病院管理会計:持続的経営による地域医療への貢献』中央経済社,2013年11月(日本公認会計士協会学術賞−MCS賞受賞)。
Reforming Hospital Costing Practices in Japan: An Implentation Study, Financial Accountability &Management, Vol. 22, No 4, November 2006.


著者紹介

荒井 耕(あらい こう)
[プロフィール]
一橋大学大学院経営管理研究科教授

1994年 一橋大学商学部卒業
2001年 富士総合研究所勤務を経て,一橋大学大学院商学研究科博士課程修了 博士(商学)取得
    大阪市立大学大学院経営研究科専任講師,助教授,准教授を経て,
2008年 一橋大学大学院商学研究科准教授
2012年 一橋大学大学院商学研究科教授,現在に至る
    中央社会保険医療協議会公益委員(2015年~2021年)
    厚生労働省・医療法人の経営情報のデータベースの在り方に関する検討会・座長代理(2022年)
専門分野:管理会計,原価計算,医療管理会計,公会計

[主な著作]
『医療バランスト・スコアカード:英米の展開と日本の挑戦』中央経済社,2005年5月(日本原価計算研究学会 学会賞受賞)
『医療原価計算:先駆的な英米医療界からの示唆』中央経済社,2007年2月(日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞)
『病院原価計算:医療制度適応への経営改革』中央経済社,2009年1月(日本管理会計学会・文献賞受賞)
『医療サービス価値企画:診療プロトコル開発による費用対成果の追求』中央経済社,2011年7月
『病院管理会計:持続的経営による地域医療への貢献』中央経済社,2013年11月(日本公認会計士協会学術賞-MCS賞受賞)
『病院管理会計の効果検証:質が高く効率的な医療の実現に向けて』中央経済社,2019年9月
『診療所の財務実態:多角化・多拠点化の財務的効果』中央経済社,2020年1月
『病院の財務実態:多角経営時代の医療法人』中央経済社,2021年1月