- 本の紹介
- 教育制度(職業教育訓練)と労働市場との関係に注目しながら、人材育成とキャリア形成の仕組みを考察し、さらにイギリス、ドイツとの比較を通じて日本の特徴を明らかにする。
目次
序 本書のねらいと概要
1 はじめに
2 章別構成
3 初出一覧
第1章 雇用制度・職業教育訓練制度・キャリアの比較枠組み―日本の位置と特徴
1 はじめに―比較でみる日本の位置と特徴
2 スキル形成、雇用制度の国際比較の先行研究についてのサーベイ
3 職業教育訓練制度の国際比較の先行研究のサーベイ
4 小括―日本のキャリア形成の特徴
〔補論〕いまなぜキャリアが問題なのか?
第2章 企業コミュニティと人材育成―中小企業を中心に
1 本章のねらい
2 企業コミュニティと人材育成・キャリア形成を考察するフレームワーク
3 企業コミュニティと人材育成・キャリア形成に関わる動向のサーベイ―1997年~2016年までの変化と持続
4 最近の大企業における人材育成の現状と課題―育成の担い手としての管理職を中心に
5 最近の中小企業における人材育成・キャリア形成―企業コミュニティ性の高い企業群と低い企業群
6 考察とまとめ
第3章 企業コミュニティと人材育成・キャリア形成―実証データによる日英独比較
1 本章のねらい
2 労働者の意識についての国際比較研究と検討すべき仮説
3 人事管理の方針・個人と組織の関係認識・職場の雰囲気についての日英独比較
4 「人事管理の方針とコミュニティ性との関連」及び「人事管理による勤労意欲引き出し」仮説は英独でも当てはまるか?
5 人事管理の方針や人材育成の取り組みは勤労意欲に影響を及ぼすか―日英独比較
6 考察とまとめ
第4章 ホワイトカラーのキャリア形成に関する日英独比較―大企業管理職を中心に
1 本章のねらい
2 ホワイトカラーのキャリア形成に関する国際比較研究のサーベイ
3 考えられる仮説
4 2021日英独調査データの分析―サンプル構成、転職経験者、仕事と教育訓練の関連
5 ホワイトカラー及び大企業管理職の組織内キャリア
6 リーダーシップの特定と開発―Evansモデルの検証
7 日英独のホワイトカラーのキャリア観
8 望ましいキャリアコース
9 結びに代えて
第5章 職業資格の日本的特質―英独との比較の視点から
1 本章のねらい
2 職業資格制度の理念及び概要
3 教育制度と職業資格制度及び労働市場との関連
4 教育制度と職業資格制度及び労働市場との関係についての研究サーベイ
5 教育制度と職業資格制度及び労働市場との関連―日英独比較の視点から
6 結びに代えて
第6章 職業教育訓練(VET)と労働市場との関係(1)―ドイツを中心に
1 本章及び第7章、第8章のねらい
2 ドイツにおける職業教育訓練の変化
3 職業教育訓練(VET)と高等教育機関での学習(HE)との混合化
4 ドイツの労働市場システムの変化
5 ホワイトカラー(管理職・専門職層)の内部育成と内部化
6 ドイツの考察のまとめ
第7章 職業教育訓練(VET)と労働市場との関係(2)―日本を中心に
1 本章のねらい
2 日本の学校レベルでの職業教育訓練システム
3 公共職業訓練政策レベルでの取り組み
4 日本企業のキャリアシステムの変化
5 日本企業の処遇システムの変化
6 日本の考察のまとめ 177
第8章 職業教育訓練(VET)と労働市場との関係(3)―イギリスを中心に
1 本章のねらい
2 「弱い」職業別労働市場(OLM)の背景―OLMの基盤としてのイギリスのVET
3 「弱い」内部労働市場(ILM)の背景―長期勤続層の存在と流動性の高さ
4 大卒生の最近の動向
5 イギリスの考察のまとめ
6 第6章、第7章、第8章のまとめ
第9章 要約と含意―生涯学習への含意、日英独の歴史的経緯
1 各章の要約及び日英独間の差異
2 日本の特徴の生涯学習への含意
3 日英独の歴史的経緯―徒弟制に注目して
4 最後に―考察から得られる提言
あとがき