- 本の紹介
- グローバルビジネス展開の中で経営基盤の見直しに迫られ原価情報の改革が急務となっている。原価の考え方を理解し、課題把握や計画作りを実施するための留意点をやさしく解説。
目次
すらすら原価管理
目次
はじめに
第1章 なぜ,日本企業は「負け組」になったのか?
〜グローバル市場における競争力とマネジメント要件
1 日本企業の苦戦
❶ 日本企業の状況は?
❷ 日本企業を取り囲む「六重苦」は本当か?
❸ 「ものづくり」日本の閉塞感とは?
❹ 多数の国を包含した新興国市場とは?
❺ グローバル市場における日本の競争力は?
❻ なぜ,突然死のような業績悪化が起きたのか?
❼ なぜ,「ものづくり」の競争優位が縮小したのか?
❽ ものづくりの「モジュール化」と「デジタル化」とは?
2 市場のグローバル化で,競争のルールが変わった
❶ サムスン電子の強みとは?
❷ アップルの強みとは?
❸ ホンハイの強みとは?
❹ 事業モデルとは何か?
❺ 事業モデルの収益性から見た勝ち組の特徴とは?
❻ 「垂直統合」と「水平統合」の長所,短所とは?
❼ 日本企業の特徴とリスクとは?
❽ 今後の事業展開における原価管理の意義は?
3 企業のグローバル化で,マネジメントの要件が変わった
❶ 製造業の基本的な意思決定事項とは?
❷ なぜ,事業モデルによって「管理の視点」が変わる?
❸ なぜ,グローバル化で「マネジメントの要件」が変わるのか?
第2章 原価管理と原価計算は「機能不全」になっていないか?
1 原価管理や原価計算の元々の姿と今日の姿
❶ 原価管理の元々の姿とは?
❷ 原価計算は使えないという本音とは?
❸ 原価情報が使えないという本音とは?
❹ 伝統的な原価計算に基づく原価管理の限界とは?
❺ 担当者任せでは進まない,
原価管理改革の3つのハードルとは?
第3章 まずは乗り越えたい知識の壁【ハードル1】
1 原価管理の視点からの原価のイロハ
❶ 価格と価額,費用と原価の違いとは?
❷ 原価の3分類とは?
❸ 配賦とは?
❹ チャージレートとは?
❺ 原価計算の3つの方式とは?
❻ 実際原価計算の計算ステップとは?
❼ なぜ,実際原価計算にいろいろな方法があるのか?
❽ 棚卸資産の評価方法とは?
❾ グローバル化で必要となる,標準化とは?
⑩製造の現場管理との連携のポイントは?
2 原価管理の視点からの製造のイロハ
❶ ライン生産方式の特徴とは?
❷ セル生産方式の特徴とは?
❸ 製造のデジタル化と機械による製造の特徴とは?
3 原価管理の視点からのビジネスモデルのイロハ
❶ 「輸出型モデル」では,誰が原価を管理するのか?
❷ 「地産地消モデル」では,誰が原価を管理するのか?
❸ 「最適地生産最適地消費モデル」では,
誰が原価を管理するのか?
❹ 原価の視点からの移転価格の問題とは?
❺ 原価の視点からの為替の問題とは?
4 原価から見たシステムのイロハ
❶ BOMって知っていますか?
❷ BOMの構造とは?
❸ BOMを使った原価計算の基本原則とは?
❹ M-BOMとは?
❺ M-BOMを使った加工費の計算原理とは?
5 原価管理の視点からの経営管理のイロハ
❶ 原価情報を活用した経営管理とは?
❷ 原価情報を活用した製品原価管理とは?
❸ なぜ,現場改善が製品別原価に反映されないのか?
❹ 原価情報を活用した目標原価管理とは?
❺ 原価情報を活用した拠点別原価管理における比較可能性
とは?
❻ 原価情報を活用した連結原価管理における統合BOMとは?
❼ 原価情報を活用した製品採算管理と移転価格との関係は?
❽ 原価情報を活用した製品収益管理における多次元分析とは?
❾ 原価情報を活用した予算管理とは?
⑩ 新製品の原価を見積もる原価企画とは?
第4章 原価に関する経営上の課題を探す【ハードル2】
1 起こっているトラブルを整理しよう
❶ 課題抽出の難しさとは?
❷ 課題分析の難しさとは?
❸ プロジェクトにおける課題分析の実施のタイミングは?
❹ 課題分析の方法とは?
第5章 改革プランを作る【ハードル3】
1 実行段階で破綻させない改革プランづくりのコツ
❶ プロジェクト計画をいかに作るか?
❷ どうしたら,初期段階から円滑に検討を始められるか?
❸ 作業計画が作れない
❹ 現状分析をしたら問題山積で,お手上げになっていないか?
❺ 何を改革するのか定義できず,袋小路に入っていないか?
❻ なぜ,情報部門はシステム化方針を決められないのか?
❼ グランドデザインの意義とは?
2 改革内容を検討する思考のワザと手法とは?
❶ 問題分析手法とは?
❷ 業務分析・設計手法とは?
3 改革プランの実行
❶ 実行計画作成のポイントは?
❷ フェーズプランの着眼点とは?
❸ 実行計画のポイントは?
第6章 これからの原価管理〜連結経営管理基盤と原価管理
1 目指すはベストフィット
❶ 原価管理の基本概念は?
❷ 階層別の管理目的とは?
❸ 事業構造に合わせた管理のフレームワークとは?
2 連結経営を支える経営管理基盤の構築上の着眼点
❶ 連結経営を支える経営管理基盤のイメージとは?
❷ 製造会社の実態把握の意義とは?
❸ 統合マスター構築の意義とは?
❹ 連結経営における原価管理のポジションは?
❺ 原価管理体制整備の初めの一歩は?
❻ 製造業のサービス化への対応は?
❼ システム化の選択肢とは?
おわりに
著者プロフィール
倉林 良行(くらばやし よしゆき)
ビジネスブレイン太田昭和 アカウンティングコンサルティング部 部長 主席コンサルタント。
大手製造業にて,経営情報,連結・単体会計(制度,管理),海外現地法人のシステム改革・業務改革支援,地域統括会社の経営企画,事業部の事業管理,国内外の業務監査など経験多数。
ビジネスブレイン太田昭和に入社後,連結経営管理基盤,連結原価管理,グループ収益管理等の構想に従事。
また,コンサルティングの方法論・技法の開発と教育,セミナー講師も実施。
- 担当編集者コメント
- 膨大な原価の課題に直面し,袋小路に入ってしまった方に
日本の経済を牽引してきた製造業は,かつてない転換期に直面しています。そこで本書は,今後の「原価管理」と「経営管理」の方向性を考える基礎として,現在の日本企業が直面している経営課題や事業モデルを確認しています。
本書は,難しい「原価」のハードルを乗り越えるのに,最低限必要となる知識を整理して,わかりやすく紹介しています。「原価」の考え方を理解した上で,現場で課題把握や計画づくりを行う上での留意点を確認しています。