具体的紛争を解決するための要件事実・事実認定・論証責任の基礎

伊藤 滋夫

定価(紙 版):3,740円(税込)

発行日:2024/09/10
A5判 / 292頁
ISBN:978-4-502-49611-0

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本の紹介
多様な事実関係から出発する設例を用いて、論証責任の所在を意識しながら、訴訟物・請求原因などの要件事実の決定と、事実の判断の適切な進め方について具体的な解説を行う。

目次

第1部 はじめに
第1章 第1部「はじめに」の趣旨

第2章 第2部「具体的紛争の解決」の構成

第3章 第2部第1章の内容(骨子)

第4章 第2部第2章以下の種類の事案を選定した理由―民法における主要な分野

第5章 第2部第2章以下の内容(骨子)

第6章 第3部の内容(骨子)

第7章 第4部の内容(骨子)

第2部 具体的紛争の解決
第1章 民事訴訟の基本的構造とその実際において重要な基本的用語

第1節 民事訴訟の基本的構造
第2節 訴訟物・要件事実・攻撃防御方法としての要件事実の種類17
第3節 民事訴訟の実際において重要なその他の基本的用語

第2章 売買契約が問題となる事案
第1節 本章での検討の趣旨
第2節 事実関係の概要
第3節 民事訴訟として考え得る方法

第3章 賃貸借契約が問題となる事案
第1節 本章での検討の趣旨
第2節 事実関係の概要
第3節 民事訴訟として考え得る方法

第4章 定型約款が問題となる事案
第1節 本章での検討の趣旨
第2節 事実関係の概要
第3節 民事訴訟として考え得る方法

第5章 債務不履行が問題となる事案
第1節 本章での検討の趣旨
第2節 事実関係の概要
第3節 民事訴訟として考え得る方法

第6章 不法行為が問題となる事案
第1節 本章での検討の趣旨
第2節 事実関係の概要
第3節 民事訴訟として考え得る方法

第7章 不動産所有権が問題となる事案
第1節 本章での検討の趣旨
第2節 事実関係の概要
第3節 民事訴訟として考え得る方法

第8章 家事事件が問題となる事案
第1節 家事事件と要件事実論との関係についての検討
第2節 家事事件における主張事実と認定事実との同一性の必要
第3節 請求原因説と抗弁説――面会交流の事件に関連して
第4節 現状と展望

第3部 要件事実(立証責任対象事実)決定の理論
第1章 はじめに

第2章 裁判規範としての民法説の中核をなす考え方

第3章 修正法律要件分類説など

第4部 要件事実の考え方の汎用性――知的財産法における要件事実を題材として
第1章 はじめに

第2章 知的財産法の各法域に共通する本質的考え方

著者紹介

伊藤 滋夫(いとう しげお)
[プロフィール]
1954年名古屋大学法学部卒,61年ハーバード・ロー・スクール(マスターコース)卒業(LL.,M),94年博士(法学)名城大学。56年東京地家裁判事補,以後,最高裁判所司法研修所教官(民事裁判担当・2回)などを経て,東京高裁部総括判事を最後に,95年依願退官。この間,法制審議会部会委員なども務める。現在は,弁護士創価大学名誉教授,法科大学院要件事実教育研究所顧問。

[主な著作]
『要件事実論の総合的展開―その汎用性を説き論証責任論に及ぶ』(日本評論社,2022年)
『事実認定の基礎―裁判官による事実判断の構造〔改訂版〕』(有斐閣,2020年)
『要件事実の基礎―裁判官による法的判断の構造〔新版〕』(有斐閣,2015年)
共著『要件事実で構成する所得税法』(中央経済社,2019年)