- 本の紹介
- 中小企業が環境経営を推進する条件、中小企業の環境経営が普及する条件は何か。行政は中小企業をどのように支援すればよいのか、ということを丹念な調査で明らかにする。
目次
環境経営イノベーション7
中小企業の環境経営イノベーション
目次
「環境経営イノベーション」シリーズの発刊に寄せて
はしがき
第1章 環境問題解決へのアプローチとしての環境経営
1 環境問題解決への環境マネジメントの視点
⑴ 環境問題の本質と環境マネジメント ……ほか
2 環境マネジメントと持続可能性
⑴ 環境マネジメントにおけるバランスと時間軸 ……ほか
3 環境経営の定義
⑴ 環境経営のいくつかの定義と含まれる要素 ……ほか
4 環境経営に関する3つのイノベーション
⑴ イノベーションとは ……ほか
5 中小企業に求められる環境経営イノベーション
第2章 企業経営としての環境経営
1 環境活動の領域
⑴ 環境活動の3つの次元 ……ほか
2 環境活動の決定要因と経営者の役割
⑴ 環境活動を決定する5つの要因 ……ほか
3 環境経営の戦略
⑴ 環境経営を方向づける戦略フレームワーク ……ほか
4 ステイクホルダーとの関係と環境活動
⑴ 企業とステイクホルダー ……ほか
5 企業の存在意義の変化と環境経営の意義
⑴ 企業の存在意義の変化 ……ほか
6 働く誇りを共有する中小企業の環境経営
第3章 組織マネジメントとしての環境経営
1 環境経営を実践する組織マネジメントの条件
⑴ 環境経営という経営スタイル ……ほか
2 環境に取り組む組織のマネジメント手法
―環境マネジメントシステム
⑴ 環境マネジメントシステムとは ……ほか
3 環境経営における環境会計の役割
⑴ 環境価値の把握とアカウンタビリティ ……ほか
4 組織や製品の環境影響の評価と環境経営指標
⑴ 組織の環境影響評価とマテリアル・バランス ……ほか
5 環境経営の戦略策定のための手法
⑴ AUDIO分析 ……ほか
6 経営改善に活用する中小企業の環境経営
第4章 大企業の環境経営におけるイノベーション
1 初期の環境経営イノベーションの特徴
⑴ 環境政策とステイクホルダーの変化と日経環境経営度調査
……ほか
2 環境経営の戦略のイノベーション
⑴ 規制先取りから経営の中枢へ ……ほか
3 環境に取り組む組織体制のイノベーション
⑴ 環境部門の経営への関与 ……ほか
4 組織メンバーへの浸透のイノベーション
⑴ 環境活動を促進する業績評価と組織文化 ……ほか
5 環境経営実践手法採用のイノベーション
⑴ 環境活動の範囲の拡大に関する手法の採用 ……ほか
6 中小企業への環境配慮の波及要因
第5章 中小企業の環境経営イノベーションに関する分析課題
1 これまでの章のまとめ
⑴ 環境問題解決のアプローチとしての環境経営 ……ほか
2 中小企業の環境経営イノベーションの分析課題
⑴ 企業経営としてのイノベーションに関する分析課題 ……ほか
3 日本の中小企業の環境経営に関する実態調査の動向
4 中小企業の環境経営に関する学術研究の動向
⑴ 環境経営の活動と戦略タイプ ……ほか
5 分析課題と既存研究に対する著者の研究の特徴
第6章 中小企業への環境配慮要求と環境経営イノベーション
1 本章の目的とアンケート調査の目的
2 アンケート調査の方法
⑴ 調査対象 ……ほか
3 中小企業への環境配慮要求
⑴ 環境配慮要求の項目 ……ほか
4 環境配慮要求による環境活動への影響
⑴ 環境活動の評価指標 ……ほか
5 環境配慮要求への対応から組織能力向上へ―S社のケース
⑴ S社のケース ……ほか
6 環境マネジメントシステム認証取得と環境経営イノベーション
⑴ S社の環境経営イノベーション ……ほか
第7章 中小企業の環境経営推進の条件と
環境経営イノベーション
1 本章の目的と統計分析の目的
2 中小企業の環境経営に関する情報利用と求める情報支援
⑴ 環境配慮要求と情報支援の利用 ……ほか
3 経営者意識と不足する経営資源
⑴ 環境経営に対する認識 ……ほか
4 環境性と経済性
⑴ 環境性の指標 ……ほか
5 中小企業の環境経営推進の条件―分析モデルと仮説
⑴ 分析に用いる変数 ……ほか
6 中小企業の環境経営推進の条件―分析結果
⑴ 分析モデルにおける外生変数の相関係数 ……ほか
7 環境経営の情報的経営資源と環境経営イノベーション
⑴ 環境経営推進の条件と情報的経営資源の獲得という
イノベーション ……ほか
第8章 中小企業の環境経営イノベーションに対する支援
―環境コミュニケーションの役割
1 環境コミュニケーションの定義と本章の目的
2 中小企業の環境経営に関する環境コミュニケーションの場
⑴ 環境法規制に関する専門家によるアドバイスの提供 ……ほか
3 中小企業の環境経営のイノベーション普及
―エージェントベースモデリングの方法
⑴ シミュレーション分析に必要な要素と
エージェントベースモデリング ……ほか
4 中小企業の環境経営のイノベーション普及
―シミュレーション分析結果
⑴ 基本モデルの妥当性 ……ほか
5 環境コミュニケーションによる支援の効果
―シミュレーション分析から
⑴ 応用モデル設定 ……ほか
6 中小企業の多様性と環境経営への支援策の課題
⑴ 中小企業のタイプの課題 ……ほか
第9章 中小企業の環境ビジネス・イノベーション
―成功する企業特性と情報支援の効果
1 本章の目的と分析課題
2 企業価値創出支援制度の目的と支援内容
3 調査方法と調査対象企業の環境ビジネス・イノベーション
4 環境ビジネス・イノベーションに取り組む企業の特性
⑴ 中小企業のイノベーション能力 ……ほか
5 成功する企業の特徴と情報支援の効果
⑴ 認定事業と情報支援の効果 ……ほか
6 オープン・イノベーションの可能性
⑴ 分析課題に対する結果のまとめ ……ほか
第10章 中小企業の環境経営イノベーション普及に向けて
1 各章のまとめ
⑴ 環境経営と環境経営イノベーション:第1章~第4章のまとめ
……ほか
2 中小企業の環境経営に関する既存研究への新たな知見
⑴ 日本の中小企業の環境経営に関する実態調査への貢献
……ほか
3 分析結果に関する留意事項
4 今後の研究課題
参考文献
索 引
著者プロフィール
在間 敬子(ざいま けいこ)
大阪大学理学部卒業後,東レ株式会社開発研究所で高分子材料研究に携わる。
環境問題への関心から市民活動に参加したことがきっかけで,環境情報の提供に関する問題意識が芽生え,研究を志して大学院に進学。
2001年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。
専修大学商学部講師,同助教授等を経て,
現在,京都産業大学経営学部教授。博士(経済学)。
近著に,“Green Management: Environmental-Financial Performance Nexus and Dimensions
of Innovation” 企業と社会フォーラム編『持続可能性と戦略』 pp. 118-135, 千倉書房,2015年 等がある。