ジョブ型・マーケット型人事と賃金決定―人的資本経営・賃上げ・リスキリングを実現するマネジメント
- 本の紹介
- ジョブ型の普及に伴う人事の変化について、賃金決定、人材・キャリア開発等を解説。日立製作所、東京エレクトロン、テルモ、三菱マテリアル、三菱ケミカルの取組みも収録。
目次
序章 ジョブ型・マーケット型人事が解決する日本の課題―「 健全な人材流動化」「人的資本経営」「リスキリング」「恒常的賃上げ」などを実現
1 ジョブ型人事に対する急速な関心の高まり
2 世界標準のジョブ型・マーケット型人事がもたらす変化
3 世界的にユニークな日本型人事
4 世界標準のジョブ型人事の特色
5 本書の目的と構成
第1章 世界標準のジョブ型・マーケット型人事の実態⑴社員等級・賃金決定方法―伝統的方法・職務評価付きマーケットペイの活用
1 「職務分析→職務評価→社員等級(職務等級)構造の設計→社員個人の等級格付け」のジョブ型社員等級の全体フロー
2 職務分析
3 職務評価―職務評価方法と職務評価の具体例
4 賃金決定方法
5 人事評価との関係
第2章 世界標準のジョブ型・マーケット型人事の実態⑵変わる賃金決定方法―マーケットプライシングの普及でキャリア開発と賃金決定が直結する
1 ジョブ型・マーケット型賃金決定方法の変遷―マーケットプライシングの普及
2 マーケットプライシングによる賃金決定方法
3 マーケットペイの活用例
4 人材流動化社会での賃金戦略―外部競争戦略の特定
5 マーケットペイデータの具体例― 一般に入手できるマーケットペイデータ
6 マーケットペイの具体例―企業グループ実施のサラリーサーベイ
7 キャリア開発に直結したマーケットペイマーケットペイデータの具体例―コンサルティング会社など専門機関実施のサラリーサーベイ
8 ペイストラクチャーの変化
第3章 日本企業のジョブ型・マーケット型人事のケース― 人的要件の「見える化」が生み出す「自律型人材開発の促進」「組織と個の対等な関係」などの変化
【日立製作所】グループ・グローバル共通の人財マネジメント基盤を確立―目指すは仕事をキーとした組織と個の対等な関係
1 “社会イノベーション事業のグローバル展開” をグループ・グローバルの戦略目標に掲げ,事業構造を改革
2 人財面からグループ・ビジョンを実現―グローバル人財マネジメント基盤の確立
3 日立製作所の動き―グループ・グローバル共通の人財マネジメント基盤に連動した本格的ジョブ型人財マネジメントを目指す
4 日立グループ・ビジョン実現を目指し,人財部門の役割を改革
【東京エレクトロン】キャリアバンドと職責レベルのマトリックスによりキャリアパスを提示―約100種類におよぶ詳細なジョブファミリーでキャリアパスの具体性・効果性を飛躍的に向上
1 経営統合交渉のプロセスで触れた米国・多国籍企業の人事の実態
2 キャリアパスに直結した職責ベースの社員等級(GlobalTEL Career-paths)を導入
3 内部公平性と外部公平性(競争力)の両立を目指し報酬制度を改定
4 絶対評価やGTCとの連動強化で人材開発重視の人事評価へ
5 「TEL UNIVERSITY」,グローバル&オンデマンド学習など教育・研修の取組み
【テルモ】「キャリア自律」「適所適材」「成長支援」をコンセプトに新たな人事に挑戦―全管理職ポジションのジョブディスクリプションを全社員へ公開
1 複合的ソリューション提案を目指す5か年成長戦略
2 新人事制度のコンセプトは「キャリア自律」「適所適材」「成長支援」
3 管理職層対象に職務基準の社員等級を導入
4 内部公平性と外部公平性(競争力)の両立を目指し報酬制度を改定
5 キャリア自律の原則に基づく登用・異動ポリシー
6 処遇目的・開発目的の両者を重視する人事評価へ
7 目標設定委員会の新設と1on1面談の運用改定
8 「会社と個人の対等な関係」を基盤に,魅力ある組織づくりを目指す
【三菱マテリアル】全社的組織改革CXの4つの経営改革の一翼を担うHRXで人事分野の抜本改革を進行中―“多様な人材” が,“属性に関わらず” “公正に処遇”される組織を目指す
1 全社的組織変革「CX(Corporate Transformation)」の一環としてHR機能を再構築
2 三菱マテリアルの人事機能の特色
3 HRX(Human Resources Transformation)の全体像
4 管理職層に「職務グレード」・「発揮行動等級」からなる新等級制度を導入
5 内部公平性と外部公平性(競争力)の両立を目指し報酬制度を改定
6 多様な人材に対する公正な処遇の実現
7 より計画的・総合的な経営者育成にシフト
8 成果創出を目指し,人財開発重視の人事考課
9 多様な人材を生かす人材マネジメントを模索
【三菱ケミカル】「主体的なキャリア形成」「透明性のある処遇・報酬」「多様性への促進と支援」を柱に人事制度を改定―「キャリアのオーナーシップは個人へ」をキーワードに新たな人材マネジメントのあり方を追求
1 “組織内外の環境変化に対応できているか” との課題認識から人事制度を改定
2 制度改定3つの柱で“会社と従業員が互いに選び,活かし,成長する” を目指す
3 職務を機軸に社員等級を再構築
4 内部公平性と外部公平性(競争力)の両立を目指し報酬制度を改定
5 人事評価は目標管理一本で
6 「会社主体から個人主体へ」をキーワードに新たな異動施策を導入