ディープテック・スタートアップの知財・契約戦略

柿沼 太一 編著
大瀬 佳之
奥村 光平
加島 広基
北原 悠樹
澤井 周
竹本 如洋
南野 研人
森田 裕

定価(紙 版):4,180円(税込)

発行日:2024/09/12
A5判 / 344頁
ISBN:978-4-502-50191-3

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本の紹介
さまざまな社会課題解決の担い手であるディープテック・スタートアップ。DTSU自身の成長と強化に必須である知財・契約の戦略について基本から実践テクニックまでを詳解!

目次

序章 知財戦略と契約戦略の関係
1 事業化を見据えた強い知的財産権を取得・保有するための戦略(知財戦略)
2 合理的な条件での他者とアライアンスを組むための戦略(契約戦略)

第1部 知財戦略
第1章 知財戦略の基本

1 事業をさまざまな知的財産権で多面的に保護する
2 ビジネス戦略と知的財産戦略
3 ステージごとの知財戦略
4 スタートアップの知財戦略を支える人材・組織の構築方法

第2章 技術
1 技術を保護する方法
2 DTSUの特許調査・特許分析
3 権利化戦略
4 技術領域ごとの権利化戦略
5 大学関連発明
6 特許取得の費用のリアル

第3章 ブランド・デザイン
1 特許以外の知財によるビジネスの保護:ブランド・デザイン
2 商標権によるブランドの保護
3 意匠権によるデザインの保護
4 商標・意匠登録費用

第4章 特許事務所,弁理士の選定・協働
1 専門性
2 業務内容の幅
3 コミュニケーション
4 費用
5 国際対応力

第2部 契約戦略
第5章 DTSUの契約戦略の特徴と全体像 188
1 事業展開・研究開発×単独・共同の4つのパターン
2 フェーズと契約の関係
3 DTSUのアライアンスの3つのパターン

第6章 情報交換フェーズ
1 NDAの重要性
2 NDAの内容
3 NDAが力を発揮する場面
4 NDAにおける各条項
5 次のフェーズへの移行に関する条項
6 NDAの限界
7 MTA(Material Transfer Agreement)

第7章 技術検証フェーズ
1 技術検証とは
2 PoC契約でよく問題となるポイント
3 PoCの内容の明確化
4 精度・結果の非保証
5 PoCの終了要件の明確化
6 知的財産権の帰属
7 次のフェーズへの移行に関する条項

第8章 共同研究開発フェーズ
1 知的財産権の帰属および利用条件
2 共同研究の対象の特定
3 研究経費
4 研究成果に対する対価
5 解除事由としてのチェンジオブコントロール(COC)条項
6 競合する研究開発の禁止
7 オプション権と優先交渉権(Right of First Refusal)

第9章 ライセンスフェーズ
1 事業の実施にあたって何が「コア」なのかの見極めが重要
2 ライセンス契約
3 その他の契約

第10章 大学との間の契約交渉
1 関連ガイドライン等
2 大学との共同研究における知的財産権の帰属と利用条件
3 共同研究費用:従来の考え方と近時の変化
4 不実施補償
5 新株予約権による実施料(ロイヤルティ)支払い
6 利益相反

著者紹介

柿沼 太一(かきぬま たいち)
[プロフィール]
弁護士。STORIA法律事務所代表。
2000年弁護士登録。2015年にテック系企業・スタートアップのサポートを重点的に取り扱うSTORIA法律事務所を共同設立して現在に至る。専門分野はスタートアップ法務,AI・データ法務,ディープテック法務。経済産業省「AI・データ契約ガイドライン検討会」検討委員(~2018年3月)。「第2回 IP BASE AWARD」知財専門家部門グランプリを受賞(2021年) 。

[主な著作]
『機械学習工学 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)』(共著,講談社, 2022年)
『60分でわかる!最新 著作権 超入門』(共著,技術評論社, 2024年)

大瀬 佳之(おおせ よしゆき)
[プロフィール]
IoT・サービス関連の特許実務を専門とする弁理士。東京大学大学院で超弦理論を研究後,企業知的財産部門を経て,現在は特許情報サービスを提供するパテント・インテグレーション株式会社のCEOとIPTech弁理士法人の事務副部長を務める。
Udemyでは知財分野のトップクラス講師として,『初心者でもわかる特許の書き方講座』や『はじめて使うChatGPT講座』などを提供。専門誌への寄稿や学会発表,YouTubeへの出演など,知財分野での活発な情報発信も行っている。
特許出願・中間処理,ライセンス契約,知的財産紛争・訴訟・交渉,特許調査・技術動向分析など幅広い分野に精通しており,プリンタ,ソフトウェア,ビジネスモデル,バーチャル人体モデル,量子コンピュータなど多岐にわたる技術分野での経験を持つ。

奥村 光平(おくむら こうへい)
[プロフィール]
弁理士法人IPX代表弁理士COO/CTO。
2013年,高速視線制御システムの研究で博士(情報理工学)を取得。その後,都内特許事務所を経て,2018年にスタートアップ支援,ソフトウェア技術,外国での権利化等を強みとする特許業務法人IPX(現・弁理士法人IPX)を共同設立して現在に至る。ロボット制御,画像処理,医療機器,VR/AR等の分野を特に専門とする。日本弁理士会常議員(2024年~)。

[主な著作]
『AR/MR関連出願で使用されるクレーム表現の考察』パテント, Vol.74, No.8, pp.43-54 (2021)
『コロナ前から見据えた次世代型特許事務所の立ち上げと運営』パテント, Vol.75, No.8, pp.44-54 (2022)

加島 広基(かしま ひろもと)
[プロフィール]
日本橋知的財産総合事務所 代表弁理士。
1999年東京大学工学部卒業,2004年弁理士登録。2021年に日本橋知的財産総合事務所を設立し,現職に至る。
弁理士法人IPXの押谷昌宗弁理士と共同でYouTubeにて「知財実務オンライン」の配信を毎週行っており,知財コンテンツの情報発信や専門家コミュニティの形成に努める。
特許庁のI-OPEN PROJECTやIPAS事業に参画し,イノベーションを起こそうとする企業を知財面から支援。
近年はスタートアップ・ベンチャー企業等のIT・ソフトウェア系の特許出願業務や知財コンサル業務を精力的に行っており,2024年3月には数多くのITスタートアップ支援実績が評価され特許庁第5回IP BASE AWARD スタートアップ支援者部門の奨励賞を受賞した。

[主な著作]
『ふわっとしたアイデアからはじめる 新規事業を成功させる知財活用法』(中央経済社,2024年)

北原 悠樹(きたはら ゆうき)
[プロフィール]
弁理士。稲垣・北原・藤原特許事務所 共同代表パートナー。
2008年 大阪大学工学部卒業。2008年 グローリー株式会社入社。2012年 特許業務法人深見特許事務所入所。2012年 弁理士登録。2021年4月 稲垣・北原・藤原特許事務所を共同で設立して現在に至る。
企業では紙幣識別や顔認証などに関する機械学習アルゴリズムの研究開発に従事。特許事務所では国内外における様々な特許業務に従事。AI関連の技術開発を行っている企業をクライアントに多く持つ。

澤井 周(さわい しゅう)
[プロフィール]
弁理士 博士(工学)
株式会社エアロネクスト 知財技術部 部長
TopoLogic株式会社 取締役COO
2017年弁理士登録,都内特許事務所,企業知財部出向を経て,2019年特許業務法人iPLAB Startups(現Oneip弁理士法人)入所,2021年4月よりエアロネクスト現職,2021年7月にTopoLogic設立に関わり,11月より現職。日本弁理士会関東会中小企業・スタートアップ支援委員会所属。2023年度経済産業省産業構造審議会知的財産分科会審査品質管理小委員会委員。現職の他にスタートアップ・VC・大学の知財支援にも従事。

竹本 如洋(たけもと ゆきひろ)
[プロフィール]
弁理士・米国弁護士(DC, NY)。弁理士法人瑛彩知的財産事務所代表。
日立製作所,Hitachi America, Ltd.の知財部にて特許の戦略構築,出願,権利化,ライセンス交渉,訴訟,標準必須特許対応等に従事,その後ボストンコンサルティンググループにて多数の新規事業開発プロジェクトを遂行。「知財×コンサル」に特化し2018年に瑛彩知的財産事務所を開設。2019年にAI+RPAによる商標出願サービス「すまるか」をローンチ。国内外のスタートアップやTech系企業の知財コンサル及び知財出願サポートを行う。

南野 研人(みなみの けんと)
[プロフィール]
弁理士,博士(生命科学)。弁理士法人レクシード・テック パートナー弁理士
2012年バイオ系特許事務所入所,2014年弁理士登録。2022年に,化学・バイオ分野を中心として一気通貫のサービスを提供する弁理士法人レクシード・テックを共同設立して現在に至る。専門分野は,バイオ・医薬分野における知財戦略・契約。特許庁「知財アクセラレーションプログラム」知財メンター(2022年~),日本弁理士会「バイオ・ライフサイエンス委員会」(2020~2021年度委員長),京都市ライフイノベーション創出支援センター「KYOTO発起業家育成プログラム」知財専門家(2018年~)。

森田 裕(もりた ゆたか)
[プロフィール]
弁理士。弁護士法人大野総合法律事務所パートナー。
2011年弁理士登録,2011年大手特許法律事務所入所,2014年現職。外国ベンチャー企業知財調査研究会主催。日本弁理士会中央知的財産研究所研究員,産業構造審議会審査基準専門委員会ワーキンググループ委員,日本弁理士会バイオ・ライフサイエンス委員会平成28年度及び30年度委員長。専門分野はバイオ医薬領域におけるイノベーション保護と知財活用。「第3回IP BASE AWARD」知財専門家部門グランプリを受賞。日経バイオテクオンラインにてコラム連載中。