「越境」支援戦略―人事のための導入のポイントと事例

井上 功

定価(紙 版):2,640円(税込)

発行日:2025/01/30
A5判 / 176頁
ISBN:978-4-502-52661-9

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本の紹介
経営や人事のサポートなしに「越境」は成功しない。異動、社内プロジェクト、出張、研修、副業、企業間プロジェクト、MBA、ワーケーション等様々な「越境」を整理し解説。

目次

1 【越境】とは何か?
【越境】とは,物理的・心理的境界を越えること
人はなぜ境界をつくるのか?
【越境】は人間の基本的営み
現代の【越境】の様相
【越境】とは,変化に対応すること
【越境】支援の出番
【越境】しやすい時代
個人が【越境】しなくなったのは組織の責任?
個人の【越境】には組織の支援が必要
【越境】の対象領域について

2 企業経営のダイナミクスから【越境】を考える
【越境】を考える際の視点
経営とは,企業と3つの市場とのコミュニケーション
3つの市場は変化している

3 金融市場と企業とのコミュニケーションでは【越境】が必須
金融市場と企業とのコミュニケーションとは?
資本調達活動とは?
環境経営の台頭と投資判断基準の変化

4 商品市場と企業とのコミュニケーションには【越境】が必要
商品市場に対して価値を提供する事業活動とは?
顧客の圧倒的減少に直面する日本
顧客に対して提供する価値自体が変化
どうやって儲けたらいいのか? も変化
異種の競合が登場するので,競争優位のポイントも変えるべき
市場を変え,提供価値や製品を変えることの必要性をアンゾフのマトリクス~多角化戦略~で考える
商品市場の外部環境変化に対応する多角化は全ての企業に必要か?
過去の多角化の反省点とあるべき方向性

5 労働市場と企業とのコミュニケーションでは【越境】は必然
労働市場とのコミュニケーションの要諦は人材マネジメント
労働市場の変化
改めて人材マネジメントの【越境】とは何かを考えてみる
企業経営には3つの市場とのコミュニケーションに対する変化対応が求められる

6 個人アンゾフから考える社員の3つの【越境】の方向性
個人アンゾフとは?

7 【越境】の前提,理想の【越境】先の特徴,【越境】での経験,【越境】先で得られること
【越境】の前提となる相対化
【越境】先のコミュニティのあるべき特徴
【越境】で得られる経験
【越境】で獲得できること
【越境】をめぐる実証データ
【越境】とリーダーシップとの繋がり
【越境】はリーダーをつくる

8 【越境】にデメリットはあるか?
【越境】すると転職してしまうのでは?
副業での【越境】は,情報漏洩や健康面でのリスクに繋がるのでは?
【越境】すると,現業のパフォーマンスが低下するのでは?
【越境】すると,【越境】者の自己肯定感が下がるのでは?
【越境】すると,自身が異質な存在だと気づき,現業への求心力が減少するのでは?

9 【越境】の対象者は? 【越境】を促進すべき企業は? 【越境】の動向は?
【越境】の対象者は?
どんな企業が,社員の【越境】をさせるべきか?
【越境】の現在の動向は?
【越境】の事例

10 【越境】を促進させるためには【越境】の概念浸透が必要
社員が自律的に【越境】するようになるのは難しい
【越境】の概念浸透を行うべき~概念浸透モデルの4つのレバーを動かす~
【越境】者の活性度を高めることが必要
【越境】の経営へのレポーティング
人事部は【越境】しているか?

11 戦略は組織(人材マネジメント)に従う~SHRMの実現~
MIマトリクス〈R〉というフレームで見る【越境】
MIマトリクス〈R〉での人事の【越境】の方向性
組織は戦略に従う? 戦略は組織に従う?
リクルートの事例
戦略は人材マネジメントに従う
変化対応の1つの方向性としての人的資本経営という追い風

12 まとめ
【越境】の必要性の流れ
【越境】を軸とした人材マネジメント変革は,経営管理イノベーション
成長戦略実行計画
OPEN JAPANで新しい「Japan as No.1」をつくる

著者紹介

井上 功(いのうえ こう)
[プロフィール]
株式会社リクルートマネジメントソリューショズ マスター
1986年4月株式会社リクルート入社。人事部,総合企画部,HCソリューショングループ等を経て,2012年4月より株式会社リクルートマネジメントソリューションズ籍。2022年4月より現職。採用,人材開発,組織開発,イノベーション支援領域において,ソリューション実績多数。特に,2013年から実施している社内【越境】研修でもあるi-session〈R〉(イノベーション・セッション)は,受講者総数1万3,000名以上,実施企業数は100社超。異業種【越境】研修でもあるJammin'は2019年より実施しており,受講者総数1,500名,派遣企業は70社超(2024年現在)。

組織の中から新しい価値(イノベーション)をどうやって創出するか,を課題に掲げ,経済産業省や民間企業,リクルートグループ各社と協働,企画・開発,実践を行っている。イノベーションと繋がるここ数年のテーマは,【越境】。

1997,98年にリクルート全社マネージャーMVP受賞。国際基督教大学,国土交通省,経済産業省,大手企業などでの講演実績多数。講演テーマは,①【越境】の意味や価値 ②イノベーション創出 ③営業・マーケティング ④リクルートの企業変革など。

1986年 早稲田大学 第一文学部卒

[主な著作]
『リクルートの現場力』ダイヤモンド社 2005
『なぜエリート社員がリーダーになるとイノベーションは失敗するのか』ダイヤモンド社 2015
『リクルート流イノベーション研修全技法』デイスカヴァー・トゥエンティワン社 2017
『CROSS BORDER 越境思考』ディスカヴァー・トゥエンティワン社 2023