- 本の紹介
- 長・短期の資本の調達と、企業活動の結果残った純利益を内部留保や株主への利益還元である配当・自社株買いとしてどう配分するかという企業の存続と成長に不可欠のな2つの意思決定を解説。
目次
〔現代の財務経営〕3
資本調達・ペイアウト政策
目次
第1章 資本調達と財務構造
1 資本調達の方法とわが国企業の財務構造
(1) 負債と自己資本
(2) 間接金融と直接金融
(3) 内部金融と外部金融 ……ほか
2 新しい証券・資金調達手段
(1) 種 類 株
(2) シンジケートローン
(3) 資産担保証券 ……ほか
3 資本調達・財務構造と企業価値創造
(1) 企業目的としての企業価値最大化
(2) 資金調達,財務構造が企業価値に及ぼす影響
第2章 資本構成の基礎理論
1 はじめに
2 ファイナンシャル・レバレッジとファイナンシャル・リスク
3 MM命題(法人税が存在しないケース)
(1) MM命題1
(2) MM命題2(株主の要求投資収益率)
(3) MM命題3 ……ほか
4 法人税とMM命題(修正MM命題)
(1) 法人税と修正MM命題1
(2) 法人税とMM命題2
(3) 法人税と加重平均資本コスト ……ほか
5 倒産コストとMM命題
6 法人税節約効果,倒産リスク,およびMM命題
7 個人税とMM命題
第3章 資本構成の理論的展開
1 はじめに
2 逆選択の問題と資本構成
(1) 対称情報の場合
(2) 非対称情報の場合
(3) 逆選択問題とペッキングオーダー理論 ……ほか
3 経営者のモラルハザードと資本構成
(1) 経営者の裁量的行動
(2) フリーキャッシュフロー問題
(3) コミットメントとしての負債
4 資金提供者間の利害対立がもたらす問題
(1) 株主と債権者の利益相反:資産代替の問題
(2) 既存債権者と新規資金提供者の利益相反問題:
デットオーバーハング
5 負債と企業の投資行動
6 過大評価株式のエージェンシー問題
(1) 過大評価株式のエージェンシー問題とは
(2) 株式の過大評価と利益操作
(3) 従来のエージェンシー問題との違い ……ほか
第4章 エクイティファイナンス
1 はじめに
2 株式の性格
(1) 株主の権利
(2) 株式の種類
3 株式発行の方法と特徴
(1) 無償増資
(2) 有償増資
4 新規株式公開の意義と流れ
(1) 新規公開のメリットと公開企業としての責務
(2) 新規公開の流れ
5 新規公開費用
(1) 直接的コスト
(2) 間接的コスト
(3) 長期パフォーマンス
6 公募増資の現状と費用
(1) 公募増資の現状
(2) 公募増資の発表と株価への影響(アナウンスメント効果)
(3) 公募増資の費用
第5章 デットファイナンス
1 デットファイナンスと情報
2 社債と銀行借入の選択
(1) 理論モデル
(2) 負債構成に関する実証分析
3 担保と銀行借入
(1) 担保制度
(2) シグナルとしての担保
(3) 担保と債務履行の強制 ……ほか
4 担保と企業再生
(1) 担保と債権放棄
(2) 地価下落と銀行機能の低下
5 デットファイナンス理論の新展開
第6章 従業員と企業財務
1 はじめに
2 企業財務と人的資本投資
(1) 物的資本投資と人的資本投資の相違点
(2) 資本構成と雇用量
(3) 資本構成,内部資金と研究開発投資
3 資金提供者としての従業員
(1) 債権者としての従業員:退職給付債務
(2) 株主としての従業員:従業員持株制度の影響
4 人的資本の重要性の高まりとその影響
第7章 財務柔軟性と資本調達
1 はじめに
2 欧米におけるCFOへのアンケート調査の紹介
3 財務柔軟性のモデル
(1) 静学的なトレードオフモデル
(2) 簡単な動学的なトレードオフモデル
(3) 節税効果と倒産費用を繰り込んだ動学モデル ……ほか
4 ま と め
第8章 内部資金と内部資本市場
1 はじめに
2 内部資金とは?
3 内部資金と投資水準
(1) 投資の内部資金制約
(2) 因果関係の問題
(3) 投資の内部資金感応度と内部資金制約との関係
4 内部資本市場
(1) 集中投資(Winner Picking)
(2) 部門長のレントシーキングと内部資本市場
(3) CEOのエージェンシー問題と内部資本市場 ……ほか
第9章 配当政策
1 はじめに
2 配当行動のマクロ分析
(1) 米国企業の配当行動の変遷
(2) 日本企業の配当行動の変遷
3 配当に関するモジリアーニ・ミラー理論
4 税制と顧客効果
(1) 日本の資本課税制度
(2) 配当の顧客効果
5 情報の非対称性と配当
(1) 配当の情報効果
(2) ペッキングオーダー仮説
6 フリーキャッシュフロー仮説
(1) 株主と経営者の利益相反問題
(2) フリーキャッシュフロー問題の解決策
7 配当のライフサイクル仮説
8 リントナー仮説
(1) 配当の時間的調整プロセス
(2) 配当の硬直性
9 サーベイ調査にみる企業の意識
(1) サーベイ調査の特徴
(2) 日本企業の意識
(3) 仮説の検証
第10章 自社株買い
1 はじめに
2 わが国の自社株買いについて
(1) 自社株買いの方法
(2) 自社株買いに関する根拠法
3 自社株買いの動機付け:配当と代替的な手段としての自社株買い
(1) 税金と自社株買い
(2) 伝統的なシグンナリング仮説とエイジェンシー仮説
(3) 伝統的なシグナリング仮説とエイジェンシー
仮説に関する実証研究 ……ほか
4 自社株買いの独自性と動機付け
(1) マーケットタイミング仮説
(2) 取引の流動性
5 利益マネジメント
6 敵対的な買収
7 経営者の規律付け
(1) 自社株買いと業績連動型報酬制度
(2) 自社株買いと株主構成
8 結びにかえて
索 引
著者プロフィール
■編著者紹介
花枝 英樹(はなえだ ひでき)
1947年生まれ 一橋大学大学院商学研究科博士課程単位修得退学
〔現在〕 一橋大学大学院商学研究科教授,日本経営財務研究学会副会長
〔主著〕
『経営財務の理論と戦略』東洋経済新報社,1989年。
『金融デリバティブの研究−スワップを中心に−』(共著)同文舘,1996年。
『株価指数入門』(共編著)東洋経済新報社,2002年。
『戦略的企業財務論』東洋経済新報社,2002年。
『企業財務入門』白桃書房,2005年。
榊原 茂樹(さかきばら しげき)
1945年生まれ 神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了,経営学博士
〔現在〕 関西学院大学商学部教授,神戸大学名誉教授,日本経営財務研究学会会長,証券経済学会常務理事
〔主著〕
『現代財務理論』千倉書房,1986年。
“The Japanese Stock Market : Pricing Systems and Accounting Information”(共著),Praeger Publishers, New York, 1988.
『現代の財務管理』(共著)有斐閣,2003年。
『パーソナルファイナンス入門』(共編著)中央経済社,2006年。
『知的資産ファイナンスの探求』(共編著)中央経済社,2007年。