- 本の紹介
- 銀行融資や私募債、第2創業、事業承継、M&A、株式公開などベンチャー企業や中小企業、子会社が価値創造経営行っていくためのスモールビジネス固有の課題をテーマごとに詳述。
目次
〔現在の財務経営〕7
スモールビジネスの財務
目次
第1章 スモールビジネスの現状と財務経営の課題
1 スモールビジネスとは何か
(1) 中小企業における第二創業
(2) 子会社,系列会社,下請け企業の売買と相対的自立化
(3) ベンチャービジネスの株主価値経営
2 なぜ企業価値向上を目指すのか
(1) 英米機関投資家の上陸
(2) ベンチャーキャピタルからベンチャーファンドへ
(3) 売買される事業承継と銀行融資「担保」の変質
3 スモールビジネスの財務経営
(1) 中・長期計画の策定
(2) 合理的な販売政策
(3) 在庫コスト,生産・人事コストの削減 ……ほか
4 財務経営下の成長戦略
(1) これまでの成長戦略
(2) これからの成長戦略
第2章 中小企業の第二創業と財務活動
1 中小企業の第二創業の意義:その意味と必要性
2 第二創業期の中小企業の財務戦略の展開
(1) 中小企業における銀行借入の限界と困難性
(2) 第二創業における資金調達の実際
(3) 第二創業のためのビジネスプランと財務戦略
3 新たなる資本調達の手法:自己組成ファンド
4 企業間連携による資金調達
(1) 社会ネットワークの活用
(2) ソーシャル・キャピタル:R社のケース
第3章 中小企業財務と銀行融資
1 金融環境の変化と中小企業財務の現状
(1) バブル期以降の財務状況
(2) 金融ビッグバン以降の財務状況
2 中小企業財務の実態
(1) 閉鎖的な株主構成による過小資本
(2) 借入金依存度の高い資本構成
(3) 会社所有の担保用資産不足
3 民間銀行の融資態勢
(1) 貸出金利収益に依存した収益構造
(2) 不動産担保主義から脱却した融資姿勢
(3) 融資渉外担当者の企業診断能力不足
4 民間銀行の経営戦略の転換
(1) リレーションシップバンキングの機能強化
(2) 新産業の創出に向けた融資戦略
第4章 中小企業財務と私募債
1 中小企業の資金調達の課題
2 中小企業の社債利用の意義
3 中小企業の社債利用の現状
(1) 制度改革の影響
(2) 中小企業の動向と社債への影響
(3) 金融機関の行動と社債への影響 ……ほか
4 中小企業の社債利用の増加に向けて
(1) 少人数私募債の有効性
(2) 中小企業向けの社債市場創設の意味
第5章 スモールビジネスのM&A
1 スモールビジネスとM&Aの目的
2 規模拡大の効果
(1) 全体的な特徴
(2) 設備増大の効果
(3) 人的資本拡大の効果
3 企業規模拡大とM&A
(1) 設備・人的資源の獲得手法としての相違
(2) M&Aによる規模拡大の事例
4 規模拡大以外のM&Aの活用事例
5 おわりに
第6章 事業承継とM&A
1 はじめに
2 中小企業経営と事業承継
(1) 事業承継の実態
(2) 事業承継の方法
3 事業承継におけるM&Aの活用
(1) M&Aのパターン
(2) M&Aの留意点
4 企業価値評価と買収価額の決定
(1) 事業承継型M&Aにおける企業価値評価
(2) 純資産価額法
(3) 収益還元価額法 ……ほか
5 ファンドを活用した事業承継
(1) MBOによる事業承継
(2) 事業承継ファンド
6 おわりに
第7章 中小・ベンチャー企業と株式公開
1 中小・ベンチャー企業にとっての株式公開の位置づけ
2 株式公開のメリット
(1) 企業にとってのメリット
(2) 株主にとってのメリット
(3) 従業員にとってのメリット
3 IPO企業の特徴からみたわが国新興市場の概要
(1) わが国の新興企業向け市場
(2) 公開年次と市場ごとにみたIPO企業数
(3) IPO企業の規模 ……ほか
4 IPO企業の株主構成
(1) 株主構成の概要
(2) 株主構成の詳細
(3) 支配株主によるIPO企業の分類
5 おわりに
第8章 新規株式公開のコストと便益
1 はじめに
2 先行研究
3 株式公開コスト
(1) 逆 選 抜
(2) 公開費用
(3) 機密の漏洩
4 株式公開の便益
(1) 借入れ制約の解消
(2) 銀行との交渉力の増加
(3) 流動性とポートフォリオ分散 ……ほか
5 実証分析
6 おわりに
第9章 ベンチャー・ビジネスの価値管理モデル
1 ベンチャー・ビジネスにおける価値管理の重要性
(1) VBが抱える価値創造上の問題
(2) 価値管理モデルとしてのBSC
2 調査対象VBの概要
3 分析枠組み
(1) リサーチデザイン
(2) 分析次元と調査項目
4 分 析
(1) サンプルの特徴
(2) 次元分析
(3) 価値管理モデルの定着と業務遂行の因果
5 結果の考察と価値管理モデルの重要性
(1) 実証結果の考察
(2) VBにおける価値管理モデルの重要性
第10章 ベンチャーキャピタル・ファンド
1 ベンチャーキャピタル・ファンドとは
(1) ベンチャーキャピタルとは
(2) プライベートエクイティ・ファンドとベンチャーキャピタル・ファンド
2 日米欧ベンチャーキャピタル・ファンドの概観
(1) ベンチャーキャピタルの投資規模
(2) ベンチャーキャピタル・ファンドへの出資者
(3) ベンチャーキャピタル・ファンドのパフォーマンス
3 ベンチャーキャピタル・ファンドの投資プロセス
(1) ファンドの組成
(2) 投資の実行
(3) モニタリングと価値創出 ……ほか
4 ベンチャーキャピタル・ファンドの構造と機能
(1) ベンチャーキャピタル・ファンドの構造
(2) ベンチャーキャピタル・ファンドの機能
5 ベンチャーキャピタル・ファンドに関する主な論点
第11章 スモール・ビジネスの企業価値創造経営
1 VBMの基本的特徴
(1) McTaggart=Kontes=Mankins[1994]の定義
(2) Knight[1998]の定義
(3) VBMの基本的特徴
2 企業価値の測定尺度
(1) 企業価値評価の枠組み
(2) EVA R を通してみた株主価値基準の合理性
3 すべての利害関係者のための価値創造
(1) ドノバンらの価値評価モデルの概要
(2) ドノバンらのモデルの意義
(3) 株主価値測定上の問題からみたドノバンらのモデルの有用性
4 長期的な企業価値の最大化
索 引
著者プロフィール
■編著者紹介
坂本 恒夫(さかもと つねお)
1947年生まれ 明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了
〔現在〕 明治大学教授,明治大学副学長(研究担当),日本経営分析学会会長,日本経営財務研究学会前会長,〈中小企業・ベンチャー〉ビジネス・コンソーシアム副会長,証券経済学会理事。経営学博士。
〔主著〕
『企業集団財務論』泉文堂,1990年。
『企業集団経営論』同文舘出版,1993年。
『戦後経営財務史』T&Sビジネス研究所,2000年。
『テキスト財務管理論』(編著)中央経済社,2002年。
『成長戦略のための新ビジネス・ファイナンス』(編著)中央経済社,2007年。
鳥邊 晋司(とりべ しんじ)
1955年生まれ 神戸商科大学大学院経営学研究科博士後期課程中退
〔現在〕 兵庫県立大学経営学部教授(現在経営学部長),日本経営財務研究学会評議員,公認会計士試験論文式試験(経営学)試験委員(2006年から)
〔主著〕
『企業の投資行動理論』中央経済社,1997年。
『企業価値創造経営』(共著)中央経済社,2000年。
『会計情報分析』(共著)中央経済社,2006年
『財務マネジメント』(共著)中央経済社,2007年。
『戦略財務マネジメント』(共著)中央経済社,2008年。